航海士のつらいこと・大変なこと・苦労

航海士のつらいこと・大変なこと

特殊な勤務体制

航海士の仕事の特徴は、その勤務体制にあります。

一旦出航してしまうと、次に停泊するまでは船は休みなく稼動し、そこに乗船している航海士にとっても休む暇はありません。

勤務は当直当番制になっており、交代で勤務することになりますが、海が時化(しけ)たときや、特殊な気象条件や航海域によっては航海士総出で船の安全を守ることが求められます。

緊急時には、船長からの命令に応じて当直時間外も配置につき作業を行うことになりますし、港に入港した際には、荷物の積み下ろしや必要な資材、燃料の補給、水の給水作業を行わなくてはなりません。

このように一度海に出ると何か月も陸に帰ることはできず、毎日仕事に追われるため、こうした勤務体制に馴染めないという人は多いようです。

高度な技術と知識が必要

以前と比べると航海士の作業環境は大幅に改善されてきています。

最新式の機器を船に導入することで、操縦制御室では計器類を監視し遠隔操作を行うことが可能になっていますが、その一方で、これは1つの船に必要とされる船員の数が減少しているという現状もあります。

オートメーション化によって淘汰されずに航海士として仕事を続けていきたいのであれば、高度な技術と知識を身に付けることを常に意識しておく必要があり、常に最新の技術や知識を学び続けなければなりません。

英語力が求められる

海技士国家試験の3級以上になると、口述試験には英語が必要です。

上級の航海士となるには、海に関することだけではなく英語力も必要とされるのです。

とくに外航船には多くの外国人船員を採用しているため、一緒に働く上では英語力が欠かせません。

航海士として実践的な英語力は必須であり、こうした傾向は今後さらに高まっていくと思われます。

航海士の悩み

船内で生活する航海士にとって問題となるのは、運動量が不足することです。

一回の航海は外航であれば数ヶ月に及ぶため、限られた船内のスペースでいかに身体を動かし運動不足を解消するかは航海士の悩みの種です。

当直中の他の航海士の邪魔にならない場所をさがし、懸垂やスクワットを行う姿を見たことがあるかもしれませんが、これは体力の維持だけでなく運動不足にならないために欠かせないことなのです。

また一定の空間で何か月も同じ人と過ごすことになるため、コミュニケーションに悩んだし、ストレスを感じたりする人もいるようです。

航海士を辞める理由で多いものは?

航海士を辞める理由で多いものは、結婚や子どもの育児、親の介護など家庭環境によるものが多いようです。

航海士は特殊な勤務体制のため、万一家族に何かあったときに駆け付けることはできませんし、育児や介護に協力するといったことも非常に難しくなります。

そのためこうしたライフスタイルの変化やライフイベントにより退職する人は非常に多いです。

また、船の上での生活は基本的に古い文化が残っており、航海士を取り巻く環境は何十年も変化していません。

社会が変化する中でも古い慣習の中で働かなくてはならないため、こうした部分にストレスを感じ辞めてしまう人もいます。