「舞台俳優・劇団員」とは

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舞台作品に出演し、台本に書かれたセリフや動き、表現によって、さまざまな役柄を演じる。

役者・劇団員の仕事は「舞台や映画などに出演し、その作品の登場人物を演じること」です。

作品には脚本や台本があるので、作品全体の背景や意図などを自分なりに考え、しっかりと理解したうえで、そこに書かれたセリフを覚え、声と身体を使って表現します。

他の共演者や監督、スタッフなど大勢の人と一緒に作品を作り上げていくため、チームワークやコミュニケーション能力も大切。

もちろん、自分自身の演技スキルを磨くことは必須です。

芸能事務所や劇団に所属している人もいれば、養成所に通いながらオーディションに応募し、出演を目指す人もいます。

給料は、たいてい「1ステージあたり○○円」というギャラで支払われます。

この仕事だけで生活できる人は一握りで、かなり多くの人が他でアルバイトをして生活費をまかなっていると言われます。

「舞台俳優・劇団員」の仕事紹介

舞台俳優・劇団員の仕事内容

自分の表現を通して作品を作り上げる仕事

舞台俳優(劇団員)は、舞台や映画などに出演し、登場人物の役柄を演じる仕事です。

脚本や台本に基づき監督や演出家の指示に従って、自分の声と身体を使ってセリフや感情を表現しながら、作品の世界観を作り上げていきます。

役柄を演じきるだけの演技力が求められますが、舞台でも映画でも、自分一人だけの演技で作品が成り立つわけではありません。

周りと一緒に良い作品を作っていくという気持ち、コミュニケーション能力や協調性なども必要です。

また、役作りのために厳しいトレーニングをして筋肉をつけたり、ダイエットに取り組んだりすることもあります。

作品についての地道な勉強や、裏では身体を張った稽古が必要であったりと、華やかな裏で苦労もたくさんあります。

舞台俳優・劇団員の就職先・活躍の場

劇団に所属するのが王道

ほとんどの俳優は劇団やプロダクションに所属し、舞台や映画、ドラマに出演します。

人気俳優の場合は名指しで仕事がむこうから入ってきますが、まだ売れていない俳優の場合、舞台・映画・ドラマなどのオーディションを受けて役を獲得しにいくことが多いでしょう。

一般に告知されるオーディションばかりではないため、芸能プロダクションや俳優事務所を通して入って来るチャンスを考えると、プロダクションに所属している方が有利といえます。

プロダクションといってもその規模はさまざまで、大手のプロダクションに所属するためにはこれもまたオーディションで選ばれることが一般的です。

テレビや舞台の仕事だけでなく、映画やショー、イベント等俳優の活躍の場は多岐にわたります。

舞台俳優・劇団員の1日

舞台本番がある日の場合

舞台本番がある、舞台俳優のある一日を見てみましょう。

06:00 起床
舞台の公演は午後でも、リハーサルや準備などのために早起きする必要があります。

07:30 楽屋入り
この時間には会場に入り、打ち合わせや衣装に着替えたりといった準備を行います。

09:30 リハーサル
このタイミングで台本が書き換えられることもあり、大急ぎでセリフ覚えに没頭します。

11:30 休憩
本番前なので昼食は軽めに。本番に向けた精神統一や台本チェックなどを行います。

12:30 ヘアメイク

14:00 昼の公演スタート

16:00 打ち合わせ
昼の公演の反省会や、夜の公演に向けた打ち合わせを行います。

17:00 休憩
軽い夕食を済ませ、本番に臨む準備を整えます。

18:00 夜の公演スタート

20:00 反省会
2回の公演を終え、監督からの注意や各々の反省点を述べ合います。

21:00 打ち上げ
翌日も公演がある場合は控えめに、1日公演や楽日の場合はとことん飲む、というのが業界の常識です。

02:00 帰宅

舞台俳優・劇団員になるには

劇団に所属して演技力を磨いていく方法が一般的

舞台俳優になる方法はいくつもありますが、代表的なものは劇団に所属して演技力を磨いていく方法です。

大きな劇団や名の知れた劇団の場合、入団テストが実施されることが多いですが、未経験でも研究生からスタートできるところもあります。

他にも、俳優の養成所やスクールで学んだり、芸能事務所に所属し、作品ごとのオーディションを直接受けてデビューを目指す人もいます。

養成所などでは、演技の練習や発声練習、ダンス練習など、役者に必要な技能を基本から学んでいくことができます。

成功するためには、毎日の厳しい練習を乗り越える必要があります。

舞台俳優・劇団員の学校・学費

劇団や養成所がある

日本を代表する大規模劇団「宝塚歌劇団」と「劇団四季」には、下部に学校やスクールが併設されています。

入学する段階で厳しいオーディションが課せられ、卒業すると劇団に入団できます。

また、中堅の劇団や大手俳優プロダクションには俳優養成所を持っているところが多くあり、実践を重視したレッスンを受けることができます。

4年制大学の演劇学科や演劇系の専門学校では、あらゆるジャンルに対応できる本格的な演技力・表現力を身に付けるためのレッスンが行われます。

しかし、卒業さえすれば俳優としての道が開けるかというとそうではなく、劇団内外でのオーディションを勝ち抜き、チャンスを得る必要があるのはどのルートでも同じです。

舞台俳優・劇団員の資格・試験の難易度

資格や学歴は関係ない

俳優になるために通過していなければいけない学歴や必要な資格などは一切ありません。

中卒であろうと、大学院卒であろうと、自分の個性や演技力などで勝負をしていかなければいけない世界です。

しかし、俳優は「誰かになりきって」演じることが仕事です。

自分の経験値が多い方が、役作りに生かせることも多くなるでしょう。

また、俳優になるのに年齢制限などもありません。

生まれたばかりの新生児から、おじいちゃんやおばあちゃんまで、デビューに至る経緯やタイミングは人それぞれです。

すべてが自分の演技に生かされると思って、あらゆることを見たり聞いたりしておくことはとても大切だといえます。

舞台俳優・劇団員の給料・年収

役者や劇団員の給料は「ギャラ」としてもらう

舞台俳優は、1ステージ出るごとにギャラを得ています。

ギャラは作品の規模や観客動員数、役者の知名度などによって異なりますが、数千円程度のこともあります。

しかし、第一線で活躍するようになれば1回のギャラが10万円を超えることもあり、舞台俳優の収入は、実力と比例する面も大きいようです。

しかし、会社員のような待遇は期待できず、稽古中は給料が出ないため、厳しい生活を強いられる人も多いです。

役者や劇団員の給料はたいていステージごとのギャラ制であるため、稽古中などには給料が出ません。

稽古が1ヵ月も続けばその間は収入がなくなってしまうため、アルバイトをして生活費を稼いでいる人はとても多いです。

舞台俳優・劇団員のやりがい、楽しさ

観客に感動を与えることができる

舞台の仕事は、何ヶ月も稽古をしたり、やり直しのきかない一発勝負であることの緊張感、体調管理の難しさなど、不便や面倒なことがたくさんあります。

それにもかかわらず多くの俳優が舞台の仕事を選んでいるのは、やはり舞台ならではの魅力があるからに他なりません。

数々の苦労を乗り越え、監督をはじめとするスタッフ一丸となって作り上げた舞台作品に出演することは大変やりがいがあるものです。

自分の看板が掲げられたりファンがついたりすることは喜びもひとしおです。

自分の作り出した世界観により観客に感動や影響を与えることができるのは、役者冥利につきるといえるでしょう。

舞台俳優・劇団員のつらいこと、大変なこと

道のりの長い安定しにくい職業

役を獲得するためにオーディションを受け、高倍率を突破して役を得たあとにはびっしりと厳しい稽古が待っています。

配役されたとしてもできが悪いと途中でキャストを交代されることもあり、舞台に立つまでには相当な苦労があります。

また、大きな人気劇団の劇団員や、芸能プロダクション、俳優事務所に所属している俳優の場合は知名度や実績が上がるにつれて出演料がアップしますが、それ以外は俳優としての収入だけでは生活できない人が大半です。

収入の面でも安定しにくい不安定な職業であることも大変なことのひとつです。

舞台俳優・劇団員に向いている人・適性

演技や舞台への情熱がある人

舞台俳優や劇団員になるために必要なのは「演じることが好きで、いかに情熱を注げるか」ということに尽きるでしょう。

俳優という仕事は一握りの人以外はあまりお金が稼げないどころか、無名の時代には、自分でお金を払って公演に出なければならないことも多々ありますし、今日食べるものに困るどん底を味わうこともしばしばあるでしょう。

役者や劇団員として活躍している人たちは、必ず下積み時代を経験しています。

また、オーディションはそう簡単に受かるものではありません。

何度落ちても諦めない姿勢や、地道な稽古を続けることができるかが、この世界で長く生き残っていくためには欠かせないことです。

舞台俳優・劇団員志望動機・目指すきっかけ

演じたい、表現したいという気持ちが動機に

舞台俳優の志望動機としてよく聞かれるものは、やはり「映画や舞台、テレビが好き」ということでしょう。

演じることを通して自分を表現したいと感じる人や、カメラの前に立つと自分とは違う「自分」になれると言う人もいます。

また、芸能界に関心があったわけではないけれど、スカウトされたり軽い気持ちで受けたオーディションに通ってしまい、役に大抜擢されて俳優への道を歩み始める人も一定数いることでしょう。

何にせよ、チャンスはたくさんいつでも転がっているものではないので、ここという時に掴むことができるかどうかがきっかけとしてとても重要な要素といえます。

舞台俳優・劇団員の雇用形態・働き方

安定するまでは大変な道のり

劇団などに所属して俳優として活動をしている場合、普段の演劇の稽古は定期的に組まれていることが多いですが、公演が近くなると連日朝から晩まで稽古をし続けることもしばしばあります。

公演スケジュールや稽古の仕上がり状況によって活動時間も変わってくるため、不規則な仕事だと言えるでしょう。

俳優は一般企業の正社員などの雇用形態とは異なりますので、当然ですが残業手当や交通費なども出ません。

しっかりした生活の基盤は他のアルバイトなどで支える必要があります。

自分でオーディションを受けなければ仕事が決まらないことも多々あり、稽古とアルバイトをしながらオーディション情報をチェックして、良い募集があればオーディションを受けに行くという働き方をしている人が多いです。

舞台俳優・劇団員の勤務時間・休日・生活

不規則で長時間拘束されることもある

演技のレッスンは日中行われることが多いため、朝から稽古に出かけて行き、終わった後の夜間や深夜にアルバイトをしている人が多いようです。

居酒屋やコンビニ、カラオケ店などは深夜アルバイトの定番ですが、朝方まで働いて日中は稽古となると、体力的に決して楽な生活ではありません。

当然、決まった終わり時間や休みなどもないため、軌道に乗った乗っていないにかかわらず、俳優は不規則で長時間拘束されるハードな生活をしていると考えて間違いありません。

また、オーディションの予定は2週間前や数日前など急に決まることもあるため、アルバイトのスケジュールに影響が出ないよう、登録制の日払いアルバイトを選ぶ人もいます。

役者を目指すためのさまざまな活動と、生活のためのアルバイトの両立は、多くの人が一度は悩むところです。

舞台俳優・劇団員の求人・就職状況・需要

募集は意外にたくさんある

「舞台俳優や劇団員になるのは大変」というイメージがあるかもしれませんが、実はたくさんの芸能事務所や劇団が随時人材を募集しています。

事務所も劇団も、いつ舞い込むかわからない仕事のために「素質のある人はできるだけ所属させておきたい」という想いがあるため、常に募集をかけていることが多いようです。

また、流行や移り変わりのスピードが速いのも芸能界の特徴ですので、事務所や劇団はいつも育てる新しい原石を探しています。

たいてい面接や演技テストが行われるので絶対に入れるわけではありませんが、努力次第で役者や劇団員の卵になるのは決して難しいことではありません。

舞台俳優・劇団員の転職状況・未経験採用

実力ある人材が求められる

子役の頃から俳優として活躍している人もいれば、大人になって諦めきれず俳優を志して夢を実現させる人もいます。

一般の企業などと違って、経歴が様々なのが就職として見た芸能界の大きな特徴でもあります。

また、芸能事務所や劇団に所属せず、個人で俳優オーディションに応募することも可能です。

オーディションは映画や演劇、ミュージカルなど、年間を通じてかなりの数が実施されています。

役に応じて子どもからお年寄りまで、誰にでもチャンスが開かれています。

オーディションは緊張するものですが、受けなければ先に進まないので、まずはさまざまなオーディション情報をチェックするところから始めてみましょう。

舞台俳優・劇団員の現状と将来性・今後の見通し

道を切り開くのは自分自身

舞台俳優や劇団員は、「演じる」ことで世の中の人々に感動や希望を与えます。

その価値は、時代とともに大きく変わるものではなく、将来もなくなることのない仕事です。

テレビや映画に出る役者同様、舞台俳優や劇団員も、常に実力主義の厳しい世界で戦っていますし、成功するのは簡単ではありませんが、人々に夢や感動を与える仕事である以上、厳しい状況でも前向きな姿を見せ続けなければなりません。

舞台は時代を問わずニーズのある芸術作品であり、若手が活躍できるチャンスもあると言えるでしょう。

そのためには、常に人間としての魅力を向上させることが大切です。

多くの人に認められるようになれば、自然と仕事も増え、活躍できるチャンスが広がっていくはずです。

日々自分自身を磨き、周りの人に認めてもらえるだけの魅力を身につけることが大切です。