「落語家」とは

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寄席やテレビ、ラジオに出演し、伝統芸能である落語を演じて人々を楽しませる。

落語家は、滑稽噺、人情噺などの落語を演じるのが仕事です。

おもに寄席でひとり何役もこなす伝統芸能を披露します。

テレビやラジオに出演することもあります。

個人差は生じますが、東京では師匠に弟子入りしてから「真打」になるまでに、4年程度の「見習い」「前座」、10年程度の「二つ目」という修業期間があります。

上方では真打制度は消滅していますが、流れは変わりません。

見習い、前座は雑用分の小遣い(給金)をもらえますが、二つ目と真打は割(出演料)になり、平均収入は月収50〜300万円(年収600〜3600万円)程度で推移する落語家が多いでしょう。

人気や実力により収入は左右されますから、落語の稽古や研究は生涯欠かせません。

時代のおもしろさを読む力を養う必要もあるでしょう。

「落語家」の仕事紹介

落語家の仕事内容

落ちのある噺(はなし)を演じる噺家

落語家は、最後に落ちがある「滑稽噺」や、落ちのない「人情噺」、「芝居噺」、「怪談噺」などの噺(はなし)を演じる仕事です。

「落語」とは落ちがある噺のことを言いますが、落ちのない噺を落語家が演じることもあります。

落語家の主な仕事は寄席で高座(舞台)に上がることですが、話術を生かしてテレビやラジオに出演する人もいます。

落語は、扇子や手拭などの小道具を使い、身振り手振りをまじえて一人で何役もこなす、江戸時代から伝わる伝統芸能です。

落語家(東京落語)には身分制度という仕組みがあり、師匠と呼ばれる「真打ち」から「二ツ目」、「前座」、「前座見習い」までの階級に分かれます。

弟子入り後は見習いとして、稽古をしながら師匠の家や寄席の雑用を務めます。

二ツ目以降になると師匠宅や楽屋での雑用はなくなりますが、自ら高座に上がる仕事を探したり、新作落語を創作したりする必要があります。

落語家の就職先・活躍の場

落語家団体に所属して高座に上がる

ほとんどの落語家は、師匠に直談判して入門を認められると「落語協会」や「落語芸術協会」などの団体に所属します。

見習いの修行期間は師匠の家や寄席の雑用をしながら稽古に励み、実力が認められると高座に上がって落語を演じることになります。

落語家は主に寄席で落語を演じるのが仕事ですが、話術を生かしてテレビやラジオなどで活躍している人もいます。

また、ごく少数であるものの、団体から独立して活動しているフリーの落語家も存在します。

落語家の1日

二ツ目昇進までは師匠につきっきり

落語家の1日は階級や人気によって異なります。

ここでは、ほとんど毎日寄席に通って仕事をこなす「前座」の1日をご紹介します。

7:00 師匠宅へ
通い弟子のため早朝から師匠宅へ出向き、食事を作るなど身支度の手伝いをします。

10:30 楽屋入り
「見習い」は師匠宅での雑用のみが仕事ですが、「前座」になると師匠が高座(舞台)を務める寄席に通って楽屋の雑用をこなしながら、自分も着物に着替えます。

11:30/11:55 太鼓を鳴らす
開演30分前の一番太鼓、開演5分前の二番太鼓を鳴らし、先輩が楽屋入りしたらお茶を出すなど身の回りの世話をします。

12:00 開演
開口一番として高座に上がり、落語を演じた後も「高座返し(座布団を裏返す)」をしたり、めくりをめくる、出囃子の笛や太鼓を鳴らす、師匠の着替えを手伝ったりするなど、番組中は大忙しです。

16:10 トリが始まる
師匠が高座に上がったら、楽屋の片付けを始めます。

16:30 終演
番組が終わると追い出し太鼓を鳴らし、着替え終わったら師匠や先輩の着替え・片付けの手伝いなどをします。

17:30 師匠宅へ
師匠の荷物を持って師匠宅へ車を走らせ、夕食を作って一緒にいただきます。

19:30 稽古
食事の片付けを終えたら、師匠に稽古をつけてもらいます。

22:00 自宅へ
自宅へ帰り、稽古の復習をして眠りにつきます。

落語家になるには

師匠に弟子入りをして修行を積む

落語家になるには、落語の協会に所属する真打(師匠)のもとに弟子入りをして修行を積むのが一般的な流れです。

入門する師匠によって落語家としての将来や進む道が決まってくるので、寄席に通っていろんな流派の落語に触れながら弟子入りする師匠を探すのがよいでしょう。

落語家になるまでは、「見習い」および「前座」という4年ほどの下積み期間があります。

前座をしっかり務めるとようやく「二ツ目」と呼ばれる階級へ昇進します。

「二ツ目」からは一人前の落語家と見なされますが、雑用などの仕事がなくなり、自ら高座(舞台)の仕事を探すことになります。

師匠と呼ばれる「真打」になるには「二ツ目」昇進から10年ほどかかります。

上方落語にはこのような制度はありませんが、いずれにしても入門後の4年程度は師匠のもとで雑用をこなしながら稽古に励み、一人前になったら自分で高座を探しながら腕をみがいていく必要があります。

落語家の学校・学費

学歴よりも情熱と忍耐力が求められる

落語家になるために必ず通わなければいけない学校はありません。

師匠のもとに弟子入りをして修行を積みながら一人前を目指す落語家の世界において、学歴が問われることはまずありません。

「落語家になりたい!」という情熱と、つらいことがあっても修行を諦めない忍耐力があれば、落語家としての素質があるといえます。

落語家のなかには芸人の養成スクールを卒業した人もいますが、養成所を出ても修行期間が免除されるわけではなく、いずれにしても「前座見習い」からのスタートとなります。

落語家の給料・年収

階級や実力によって大きく異なる

師匠に入門してからの4年程度は「前座見習い」または「前座」という落語家の卵として、師匠の自宅や寄席で雑用をおこなうのが仕事です。

その間は給料の代わりにお小遣い(給金)をもらうことになります。

入門してから4年間程度は見習い、前座といった落語家の卵として師匠宅あるいは寄席の雑用を行います。

その間の給料はほとんどなく、給金(お小遣い)がもらえる程度です。

一人前として認められる「二ツ目」以上になると割と呼ばれる出演料が入りますが、人気や実力、芸歴によって額は大きく異なります。

二ツ目と真打の平均収入は、月収45万円(年収550万円)程度だといわれています。

落語家のやりがい、楽しさ

自分の落語で観客が笑顔になる

落語家に修行はつきものですが、同じ修行期間でも「前座」に昇進すると高座(舞台)に上がることができます。

雑用をこなし稽古に励む毎日のなかで舞台に上がり、自分が演じる落語で目の前の観客が笑顔になったときの感動はひとしおです。

また、上方落語には階級制度がないものの、師匠と弟子という関係で成り立っているのが落語家の世界です。

日々の勉強と稽古の成果は昇進という形できちんと認められるため、その分やりがいも大きいといえます。

落語家のつらいこと、大変なこと

長くて厳しい下積み時代

個人差はあるものの、師匠と呼ばれる「真打」に昇進するまでには約14年の年月が必要となります。

入門してから4年ほどは「見習い」や「前座」として師匠のもとで修行を積みます。

お小遣いをもらって師匠宅や寄席の雑用をこなしながら、空いた時間に稽古をつけてもらう忙しい日々を送ることになります。

前座になると毎日寄席に通い、開口一番を務めるようになるので休みはほとんどありません。

二ツ目に昇進すると雑用はなくなりますが、自分で高座を探す必要があるため仕事がなければ収入が得られず、アルバイトと掛け持ちしながら生活している人もいます。

長い下積み期間を乗り越えた者だけが、一人前の落語家になれるのです。

落語家に向いている人・適性

度胸と根気強さを備えた努力家

たくさんの観客の前で落語を演じる落語家には、まず人前に立つ度胸が備わっている必要があります。

落語家は人々に「笑い」を提供する仕事ですが、まったく知らない不特定多数の人を笑わせるというのは非常に難しいことです。

そうした難題を達成するために、日々の努力を怠らず、前向きな向上心を持ち続けることができる人は落語家に向いているといえるでしょう。

また、一人前の落語家になるには長く厳しい下積み時代を乗り越えなければいけません。

何事も諦めずに取り組める根気強い人に適した仕事だといえます。

落語家の勤務時間・休日・生活

見習い・前座はほとんど休みがない

落語の定席(演芸場)ではほとんど毎日寄席が開かれています。

定席のトリは「真打」である師匠が務めるため、修行中の「前座」は師匠宅と寄席の楽屋に行き来して、師匠のお世話をします。

「前座見習い」は寄席には通いませんが師匠の自宅で家事や雑用をこなすのが仕事です。

見習いと前座は師匠に合わせた生活リズムとなり、休みはほとんどありません。

「二ツ目」に昇進すると師匠のもとを離れるため雑用はなくなりますが、自ら高座を探すことができなければ仕事を得られないため、アルバイトをしながら生活する人もいます。

落語家の現状と将来性・今後の見通し

時代の流れに乗って伝統を紡いでいく

落語は昔から多くの人々に親しまれてきており、平成に入ってからも落語ブームが起きるなど、落語の人気は現在も衰えることはありません。

落語家になるには長く厳しい修行が必要ですが、落語家の階級のもととなる「真打制度」には昇進基準がはっきりしないという問題があり、上方では制度自体が消滅しています。

最近では女性の落語家も活躍するようになるなど、落語界のあり方は変遷しつつあります。

落語家志望者も増えているなかで将来的に落語家として活躍するには、伝統を重んじる心と時代の流れを読む力の両方が必要となってくるでしょう。