市役所職員と県庁職員の違いとは? 給料に差はある? どっちがおすすめ?
どちらも地方公務員という身分ですが、働く場所や仕事内容、給料などに若干の違いがあります。
ここでは、市役所職員と県庁職員のさまざまな違いについて解説します。
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市役所職員と県庁職員の仕事内容の違い
まずは、市役所職員と県庁職員の仕事内容の違いを見ていきましょう。
市役所職員は、地域住民の日常生活に必要な行政サービスに携わる職員のことです。
一方、県庁職員は市区町村レベルでは対応が難しい事柄や、国と市区町村間の橋渡しなど、広域にまたがる行政サービスを提供する職員です。
つまり、市役所職員と県庁職員の仕事では「行政サービスを提供する範囲」に違いがあるといえるでしょう。
各地域で暮らす市民とのかかわりが多いのは、圧倒的に市役所職員です。
市役所職員と県庁職員になる方法・資格の違い
市役所職員、県庁職員ともに、身分は「地方公務員」です。
どちらを目指すにしても「地方公務員試験」を突破する必要があります。
地方公務員試験の採用区分は各地域によって差はありますが、大卒程度は「上級」、短大卒程度は「中級」、高卒程度は「初級」で分けられているケースが多いです。
この区分は、試験の難易度を示すものであり、大卒者が県庁職員を受験する際は「県庁職員上級試験」を受けることが多く、試験内容は「教養試験・専門試験・論文試験・面接試験」が基本です。
一方、「市役所職員上級試験」は、市によっても異なりますが、専門試験がなかったり「試験は教養試験と面接のみ」というケースもあります。
そのため、単純な勉強量で考えれば、市役所の採用試験のほうが勉強量は少なく済む可能性が高いでしょう。
市役所職員と県庁職員の資格・必要なスキルの違い
市役所職員と県庁職員のどちらも、事務系の区分で受ける場合であれば、とくに必要な資格はありません。
それぞれの市や県ごとに市役所職員、県庁職員の試験が実施されており、その試験に合格することで市役所職員もしくは県庁職員になることができます。
しかし、たとえば看護師、臨床心理士、保育士などの「資格免許職」と呼ばれる区分で受験する場合は、それらに該当する資格を保有している必要があります。
資格免許職の募集職種や採用人数などは自治体ごとで大きく異なるため、市や県の採用ページなどで確認しておくとよいでしょう。
市役所職員と県庁職員の学校・学費の違い
地方公務員試験は、大卒程度は「上級」、短大卒程度は「中級」、高卒程度は「初級」と区分している自治体が多いです。
しかし、これらはあくまで「試験内容の難易度」を表す区分であり、学歴によって受験資格を制限するものではありません。
そのため、たとえば最終学歴が高卒の人でも、大卒程度である上級試験を受験することは可能です。
学歴は問わず、市役所職員や県庁職員を目指すことは可能です。
ただし、学歴要件がなくても、自治体ごとで各区分の「年齢要件」は設けられているため、その点には注意が必要です。
市役所職員と県庁職員の給料・待遇の違い
令和5年に実施された総務省の調査によると、それぞれの平均給与は以下のとおりです。
- 都道府県:407,064円
- 指定都市:439,873円
- 市:402,039円
これを見る限りでは、指定都市の職員が若干多い金額となっていますが、全体的にそこまで大きな差はないといえるでしょう。
実際には自治体間の税収格差なども職員の給料に影響してくるため、一概にどちらが多いと断定することはできません。
市役所職員と県庁職員はどっちがおすすめ?
市役所職員と県庁職員の仕事を比べると、市役所職員は住民と接する機会が多い分、「人の役に立っている」ことを実感する機会が多いでしょう。
こうした実感が、仕事のはげみになっていると話す市役所職員は少なくありません。
また、市役所は県庁に比べると規模が小さいため、職員同士の距離感も近いことが多いです。
濃い人間関係を好む人や、市民と触れ合う機会が多いほうが望ましいと考える人は、市役所職員が向いているでしょう。
これに対して、市区町村の単位を超えた大きな仕事に取り組むのが県庁職員の役割です。
規模の大きな課題に挑み、時に国とも連携しながら結果を出していきたいと考える人は、県庁職員向きといえます。
割り当てられる予算としても市より県のほうがだいぶ大きいため、県庁では市役所に比べてスケールの大きな仕事がしやすいです。
なかには「筆記試験が楽だから」という理由で市役所を選ぶ人もいますが、筆記試験が通っても面接で熱意を伝えられなければ、人物試験で不合格になってしまうことも十分に考えられます。
それぞれの具体的な仕事内容をよく確認して、自分はどちらの仕事にやりがいを感じるのかを基準に選ぶと良いでしょう。
「市役所職員と県庁職員の違いとは?」のまとめ
市役所職員は地域住民の日常生活に必要な行政サービスをおこなっており、県庁職員は広域にまたがる行政サービスを提供します。
それぞれ仕事内容・役割が異なるため、自分がどのような働き方をしたいか、どのような仕事を手掛けたいかをじっくりと考えることが大切です。