司書にとって大切なこと(体験談)
環境作り
何より、落ち着いて本の世界に没入したり、集中して調べ学習に取り組んだりするための環境作りが大切です。そのためには、必要な資料を揃え、すぐに利用できるように整備しなければなりません。
司書教諭である私が最も心を砕いたのは、生徒たちが「今、読みたい本」を極力早く図書館に入れることです。「リクエストカード」や、雑誌・インターネット上の書評などを参考に購入手続きをしていました。
また、調べ学習用の図書については、授業で扱う内容を事前に教えてもらい、特設コーナーを作りました。
これは、公共図書館にも当てはまります。利用者にとって居心地の良い図書館、疑問を解決できる図書館にするために、努力するのが司書の職務です。
丁寧なレファレンス
利用者の知りたいことが具体的であれば、検索は比較的短時間で済みます。しかし、往々にして漠然としているものです。また、一冊の本でズバリ解決してほしいと言う人もいます。
このような場合、利用者が求めている本に行き着くまでに苦労しました。調べる内容に関して詳しく聞き取りをし、一緒に疑問を解決しようとする姿勢を持って臨まないと、そのレファレンスは「ただの書名の提示」に終わってしまいます。
特に、私は高校の図書館にて司書業務を行なっていたので、調べることに慣れてない生徒に調べ方そのものを教えるつもりで丁寧に説明し、本を紹介していました。
知りたい情報を能動的に調べる楽しさ、疑問が晴れたときの喜びを体験してもらえるように、親身になってレファレンスすることはとても重要です。
てきぱきと作業を
「時間がない!」ということばが口癖になるくらい、図書館の業務は多忙を極めます。他の項目にも書きましたが、一冊の本が閲覧可能になるまでには実に多くの作業が必要だからです。
私は35人前後のクラス担任をし、国語の授業を週17時間程度受け持って、さらに図書業務を担当していたので、とにかく効率よく仕事を進めることが大切でした。
地域の図書館でも勤務時間は限られていますから、その時間内でいかにてきぱきと要領よく業務を遂行するかが問われます。