司書になったきっかけ(体験談)

図書委員の活動

高校時代に図書委員長を任せてもらえることになり、司書の方と親しくなったことで図書館の仕事に興味を持つようになりました。

新しい本にラベルやブックコート(傷や汚れ防止の透明シート)を貼る作業を手伝うのが楽しく、放課後にはいそいそと司書室に通っていたことを思い出します。また、「図書だより」に載せる本の紹介文を書かせてもらったのですが、その本を他の生徒が借りていったときは、とても嬉しかったです。

図書に関する作業にも、誰かに本を紹介することにもやりがいを感じました。

一旦は諦める

読書が好きで、国語だけが得意だった私は、四年生大学の文学部に入学しました。そこでは司書の資格を取得できたのですが、ガイダンスで「たとえ資格が取れたとしても就職先は少ない」という説明を受け、司書を目指すことを諦めました。

ただ、国語の教員に憧れていたので、中学・高校の教員免許を取得することにしました。その後、非常に幸運なことに、希望した都道府県の採用試験に合格することができ、国語教員として働くことになりました。

このときは、まさか自分が一旦は諦めた司書の業務に従事することになるとは想像すらしていませんでした。

司書教諭の配置

『学校図書館法』の改正により、2003(平成15)年度から12学級以上ある小・中・高等学校には司書教諭を配置しなければならなくなりました。

このころ、私は高校の教壇で国語を教えていました。

勤務校は該当の学級数があるにも関わらず司書教諭の資格保有者は一人。「もしその先生が異動してしまい、有資格者が転入してこなければ司書教諭がいなくなってしまう」と、転入一年目の私に白羽の矢が立ったのです。

夏期休業中の二週間、朝から夕方までみっちり司書の業務について講義・実習を受けることで資格を取得しました。その翌年には、司書教諭として図書指導に携わるようになったのです。