アニメーターの年収はいくら? 給料が低い理由は?

アニメーターは基本的にフリーランスとして働きますが、その技術や勤め先によって収入のあり方も変わってくるといえます。

本記事では、アニメーターの平均年収や初任給、収入の上げ方などを紹介します。

アニメーターの平均年収・給料の統計データ

アニメーターはフリーランスで働くことが主流で、給料は基本的に歩合制です。

たとえ制作会社やスタジオに所属していても、正社員や契約社員でない限りは月給や固定給をもらえることのほうが珍しく、こなした仕事に応じた報酬を得ています。

アニメーターの平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
アニメーター
(Indeed)
437万円 時給 2,152円
日給 -万円
月給 34.4万円
アニメーター
(給料バンク)
274万円~357万円 20代の給料:14万円
30代の給料:25万円
40代の給料:27万円
初任給:13万円

各社のデータより、アニメーターの年収は250〜450万円の間となる実態が見えてきます。

アニメーターの平均月収・年収・ボーナスは

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が行った「アニメーション制作者実態調査報告書2019」では、アニメーター全体の平均年収は440.8万円です。

これを元に考えると、月額の支給額は36万円ほどとなります。

ただし、上記統計によると年収の中央値は370万円、最頻値は300万円となるので、こちらのほうが実態に近いといえるかもしれません。

出典:アニメーション制作者実態調査報告書2019

アニメーターの初任給はどれくらい?

アニメーターは仕事をこなせばこなすほど収入は増えますが、1日の作業量には限界があります。

新人のうちは頑張っても月に数万円程度しか稼げない人も少なくありません。

「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によると、20代前半では年収154.6万円、20代後半では245.7万円、30代前半が365.2万円です。

一般国民の平均年収は20代前半で262万円、20代後半が361万円、30代前半で407万円ですから、20~30代前半の若年層で平均収入を下回っていることがわかります。

新人のうちは単価の安い仕事が中心ですし、出来高制であるためどうしても生活は苦しくなります。

経験を積んで単価の高い原画を担当できるようになったり、作画監督の仕事もできるようになれば、少しずつ収入は上がります。

実力主義の面も大きいため、どれだけ速く上手く仕事をこなせるかが大きなポイントとなります。

アニメーターの福利厚生の特徴は?

待遇はあまり期待しないほうがよいでしょう。

フリーランスであれば、健康保険や年金は自分で加入しなければなりませんし、残業代や深夜労働手当なども支給されません。

しかし、生活もままならないような厳しさが続けば、若いアニメーターがいなくなってしまいます。

そこで、近年では業界全体で若者をきちんと雇用して育てようという動きや、労働環境を見直す制作会社も少しずつ増えつつあります。

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アニメーターの給料・年収の特徴

アニメーターの仕事の単価

テレビ作品の場合動画は1枚150円〜250円程度原画は1カット2,000円〜4,500円程度が一般的です。

1枚あたりの出来高制であるため、給料を稼ぐためにはとにかく数を描くしかありません。

雇用形態による給与制度の違い

アニメーターの大半は、フリーランスとして歩合制(完全出来高制)で仕事をしています。

そのほかに企業勤めのアニメーターもいますが、正社員として固定給をもらっているのはごくわずかです。

また近年増えてきたのは「基本給+報酬」という形態です。

企業に最低限の賃金を保証してもらい、それにアニメーター自身が仕事をした分だけ報酬がプラスされるというものです。

アニメーターは個人事業主? 正社員採用はある?

アニメーターは基本的にフリーランス(個人事業主)として働き、給料は基本的に歩合制です。

ただし、アニメーターの多くは制作会社やスタジオの試験を受けて合格し、自分の机を与えられるため、自分はフリーランス(個人事業主)として働いていると気付かないという人も多いようです。

フリーランスとして働く場合、会社から福利厚生やボーナスなどを保証されてないことが多く、備品も自分で購入する、確定申告をしなくてはならないなど、自己負担も多くなりがちです。

「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によると、アニメーターのうち、フリーランス、または自営業として働いている人は70%近くを占めています。

正社員として働いている人は約14.7%しかおらず、狭き門であることがわかります。

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アニメーターの担当別の年収

アニメーターの担当別の年収の目安

原画マン

原画マンは、アニメに動きをつける「中割り」を描く動画マンに対し、作画全体のメインとなる絵を描く仕事です。

動画の単価は1枚あたり280~400円程度、原画の場合は1カットあたり2100~5000円程度で、動画マンよりも給料はぐっとアップします。

「アニメーション制作者実態調査報告2015」によると、動画マンの平均年収は111.3万円、原画マンは281.7万円です。

作画監督

作画監督は、作品全体を通してアニメの絵柄を統制する仕事です。

動画や原画を細かくチェックするため、動画マンや原画マンと比べ、画力が高いことや演出に対する知識も求められます。

「アニメーション制作者実態調査報告2015」によると、作画監督の平均年収は、総作画監督で563.8万円、一般の作画監督で393.3万円となっています。

監督・演出

監督・演出は、アニメ作品全体の方向性を決定し、制作工程全体をまとめる総責任者です。

アニメの場合、基本的に監督はシリーズ全体の演出家とされ、演出は1話ごとの演出家をさします。

「アニメーション制作者実態調査報告2015」によると、監督の平均年収は648.6万円、演出では380.3万円です。

ただし、監督の多くは作画監督出身ですが、演出家の場合、必ずしも画力は求められません。

出典:アニメーション制作者実態調査報告2015

アニメーターの年収が低い理由は?

アニメーション業界の構造の特徴

日本のアニメ業界の特徴として、アニメを制作する際に「製作委員会」という組織を作ることがあげられます。

これは出版社やTV局、スポンサーなどさまざまな企業から資金を出資してもらい、そこで調達した資金を元手にアニメを作る方法です。

この場合、それぞれの企業が取り分をあらかじめ固定しているため、興行収入などの売り上げは製作委員会の利益としていることが非常に多いです。

そのため、どれだけアニメがヒットしたとしても、実際にアニメを制作する現場に入ってくる報酬はごくわずかなのです。

とくに企業からの資金が少ない場合や、報酬が少ない場合、アニメ制作の現場ではコストカットをするためにアニメーターの人件費を削減します。

このような構造が長年続いているため、現場ではなかなか賃金が上がらない現状があります。

一方で、アニメ制作会社のうち約4割は赤字運営ともいわれており、製作委員会方式は、出資会社を増やし、アニメがヒットしなかった場合のリスクを分散するメリットもあるといえます。

アニメーター志望者が多い

一般的な業界の場合、年収が低いと志望者が減り人手が少なくなってしまうため、業界全体として賃金の引き上げに動く傾向にあります。

しかしアニメ業界の場合、「どうしてもアニメーターになりたい」「低賃金でもいいからアニメ業界に入りたい」という志望者は絶えません。

日本のアニメは世界的にも知られる文化であり、ファンも多く、アニメーターは学生からも人気の高い職業です。

たとえ年収が低くても現場で働きたい、アニメーターにチャレンジしたいという人は大勢おり、アニメ制作会社やスタジオは人材不足で困ることはないため、いつまでも賃金引上げに至らないのです。

アニメーターが収入を上げるためには?

年収アップに必要なスキルは?

アニメーターが年収アップに必要なスキルは、原画を描けるようになることです。

動画マンから原画マンになるには、どんなに絵を描くのがうまくても1~2年かかるといわれています。

動画マンとして経験を積みながら自ら勉強するなど、地道な努力も必要ですが、原画をまかされるようになると給料は一気にアップします。

近年は薄給や待遇により、若手のアニメーターが志なかばで業界を去ることも珍しくなくなってきました。

そのため、確かな技術を持ったベテランが少ない現場も多く、絵を描く力さえ認められれば、徐々に昇格し給料もアップしていくでしょう。

転職して年収アップできる?

アニメーターの転職先として多く見られるのはゲーム業界です。

ゲーム業界は、近年ソーシャルゲームの普及により、アニメ業界よりも規模が拡大しつつあり、次々と新しいゲームがつくられていくなかで、アニメーターの需要も増えています。

アニメーターの作画スキルはキャラクターデザインなどゲーム作りの中でも生かすことができますし、3Dソフトの知識があれば、2Dデザイナーや3DCGアニメーターとして活躍することもできます。

また、画力を生かしてアニメーターからイラストレーターに転職する人も少なくありません。

ただしオリジナリティのある絵を描いたりファンを獲得したりすることは難しく、大幅に年収をアップさせられるのは一握りの人のみといえます。

アニメーターは年収1000万円を目指せる?

アニメーターとして海外の製作会社など待遇の良い会社で働いたり、フリーランスで年収1000万円を稼いだりしている人もいます。

しかし、業界全体的には年収が低く、アニメーターとして年収1000万円をめざすのはかなり難しいでしょう。

ただし、キャリアを積み作画監督や劇場アニメの監督などにまで昇格することができれば、大幅な年収アップを期待することができます。

「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によると、年収600万円以上と答えている人は19.4%おり、高収入がまったく見込めないわけではありません。

大手アニメ制作会社の給料はどれくらい?

「となりのトトロ」などで知られる株式会社スタジオジブリの場合、動画・背景美術を募集する過去の求人では月額20万円以上とされていました。

ただしこれは新人育成のための採用であったため、経験者の場合はさらに高くなると考えられます。

30代半ばの中堅どころになると、300~400万円程度の安定した収入が見込めるでしょう。

「この世界の片隅に」で知られる株式会社MAPPAの場合、中途採用で240,000円~(固定残業時間20時間、深夜割増手当20時間含む)となっています。

20代~30代の場合、年収は300~350万円前後となるようです。

人気アニメ「鬼滅の刃」の制作会社、ユーフォーテーブル有限会社は、詳細な求人情報や給与形態を公開していません。

新人のうちは月給20万円程度と言われており、20代~30代では年収300~350万円ほどと見込まれます。

参考サイト:転職会議
参考サイト:OpenWork
参考サイト:ライトハウス

海外・中国のアニメーターの年収は?

アメリカのアニメーターの年収

アメリカのディズニーやピクサー等の場合、アニメや映画を作成すると公開は国内のみならず全世界で行われるため、興行収入が段違いとなります。

さらに、グッズ販売や動画配信なども含めると、アニメ作品一本で百億円単位のお金が動きます。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズやピクサーの場合、CGアニメーター、2Dアニメーターともに平均年収が約9~12万ドルとされています。

年収にすると800万円~1000万円を超えることも珍しくなく、日本のアニメーターと比べて非常に高い収入を得ていることがわかります。

中国・韓国のアニメーターの年収

中国や韓国の求人サイトを見ると、平均月収は約50万円程とされていることが多いです。

とくに中国では、近年アニメ市場が急拡大しており、高いスキルを持つ日本のアニメーターを採用したいという中国のアニメ制作会社は増えています。

そのため、よりよい給料や待遇を求めて日本人アニメーターが中国で仕事をすることも珍しくなくなってきています。

CGアニメーターの年収はどれくらい?

CGアニメーターとは、2Dや3Dによるアニメを作る職業です。

アニメよりもよりリアリティのある動きをつけるため、アニメーターとは違ったスキルが必要で、近年はアニメやゲームだけでなく、建築・工業デザイン・医療などさまざまな分野で活躍が期待されています。

CGアニメーターの平均年収は、350万円~450万円ほどがボリュームゾーンと考えられます。

アニメーターと同様、雇用形態が正社員からアルバイトや派遣社員までさまざまで、仕事量や残業量も多いため、専門性が高い仕事でありながら、ほかの業種と比べて特別に高い収入が得られるわけではないようです。

ただし、CGアニメーターとして経験を積んでいくことによって、CGプロデューサーやCGディレクターといったキャリアアップができれば、高収入を目指すことは可能です。

アニメーターの給料・年収のまとめ

アニメーターはフリーランス(個人事業主)で働くことが主流で、給料は基本的に歩合制であるため、どうしても新人のうちは生活が苦しくなりがちです。

「アニメーション制作者実態調査報告書2019」では、アニメーター全体の平均年収は440.8万円で、これは日本人全体の平均年収420万円とほぼ同等といえます。

収入アップの方法としては、経験を積んで実力をつけ、動画マンから原画マン、そして作画監督とステップアップすることです。

作画監督や演出、監督などまでキャリアアップすることができれば、日本人の平均年収の上をいく収入を手にすることも夢ではありません。

また、近年では中国や韓国などアジア圏でアニメの需要が拡大しており、よりよい環境を求めて海外で働くアニメーターも増えてきています。