理学療法士を志す人に知っておいて欲しいこと(体験談)
危ない場面は常にある
私が働いていたのは急性期病院です。急性期病院は怪我や病気になって入院したばかりの人たちのリハビリをします。
発症初期だと、症状が重度の場合だと患者さんの体を支えるだけでも大変です。
さらに、今まで自分が行っていた動作ができないということを頭も体も理解できていない状態の場合が多くあります。
そのような人に対して、一人ではできないことを介助しながらできるように治療・訓練していくのは、転倒などの危険が付いてまわります。
言葉が通じるとは限らない
私が働いていた病院は脳神経外科があり、脳卒中などで入院されている患者さんが多くいました。
リハビリといったら、患者さんとコミュニケーションをとりながら、「こうしてください。」「がんばりましょう。」といいながら行っているイメージがあるかと思います。
しかし、脳卒中などの患者さんの場合、言葉を理解できなくなったり、言葉を話すことができなかったり、さらには行動に対する抑制が効かなくなってしまうような症状がでることもあります。
言葉の理解ができなくなった患者さんに、言葉だけで「こうしてください。」「これは危ないです。」など、説明することはできません。
また、言葉を話すことができなくなった患者さんは、自分がどうしたいのか上手く伝えることができません。
さらには、行動の抑制ができなくなってしまった患者さんは、「これをしないでください。」という言葉だけでは行動を抑制できません。
逆に、こちらがしないであろうと考えている行動をとってしまうこともあります。
知識と技術を学ぶ
そのような患者さんに対して、基本的には一対一でリハビリを実施することになります。
リハビリの効果を得るためだけではなく安全にリハビリを実施していくためには、患者さんをきちんと診て、どのような状態であるのかをしっかり把握する必要があります。
そのためには、その患者さんに関わる病気についての知識を正しく知らなければなりません。
そして、リハビリをして効果を出すためには、どういった原因で動作が行えていないのかを見つけなくてはいけません。
それらをしっかり把握した上で必要な方法を導き出し、リハビリをしていくことで効果が得られ、転倒などの危険も回避することができるようになります。
知識と技術を学び、効果があり安全なリハビリが実施できる理学療法士を目指すことが大切です。