パティシエの勤務時間・休日
パティシエの勤務時間
一般的に、パティシエの勤務時間は非常に長いことで知られています。
日によっては残業を含めて12時間以上の勤務になることも珍しくはありません。
ホテルに勤務する場合は、曜日によってゆとりがある日もあります。
しかしながら、洋菓子店勤務の場合、開店時間に合わせて洋菓子を作っておかなければならないため、早朝出勤となることがほとんどです。
そして閉店後も次の日の仕込みがあるため、すぐに帰れるとは限りません。
もちろん、店の営業時間や定休日などは勤務先によって異なるものの、こういった理由から「パティシエの勤務時間は長い」といわれているのです。
独立して従業員を雇えば、一部の仕事を任せたり、交代で働くこともできますが、店が軌道に乗る前は売上管理や販促活動など、菓子作りとは直接関係がない業務もこなさなければなりません。
結果として独立前以上に忙しくなるかもしれません。
20代で正社員への就職・転職
パティシエの休日
土日休みのパティシエは少ない
パティシエはサービス業でもあるため、土日祝日は基本的に仕事となり、複数のスタッフがシフト制で交代しながら働きます。
休日は週1日〜2日、月に6日〜8日程度となるのが一般的です。
しかし、クリスマスやバレンタインなどのイベント前は多忙を極めるため、休むことはできません。
企業によっては有給が比較的とりやすいところもありますが、自由に休みを取ることは難しい職業といえるかもしれません。
パティシエの休日の過ごし方
一口に「パティシエ」といっても男性や女性、年齢もさまざまなであるため、休日の過ごし方もそれぞれ異なります。
ただ、やはり「洋菓子が大好き」という人は多く、有名なお店や新規オープンした店などのリサーチに出向くこともあります。
また、パティシエは美的センスにも長けている必要があるため、美術鑑賞や花などクリエイティブな趣味を持つ人も多くいます。
料理人は休日であっても自宅で料理を楽しむ人が多いですが、パティシエの場合も、オリジナル料理やレシピ本を見ながら新しい洋菓子に挑戦するなど、一日中お菓子漬けの休日を過ごすことも珍しくありません。
研究熱心な人が多く、良い意味で仕事とプライベートの垣根は低いといえます。
パティシエに残業はある?
パティシエの仕事は労働時間が長くなることが多いです。
早朝の仕込みから閉店後の片付けまでを数人のスタッフでおこなう店舗も珍しくなく、とくに個人の洋菓子店では残業がつきものとなっています。
ホテルや大手のチェーン店などでは勤務時間の管理が比較的しっかりとしていますが、クリスマスシーズンなどの忙しい時期は残業が発生するでしょう。
企業の場合は残業代もきちんと出る場合が多いですが、個人経営のケーキ屋さんでは残業代がほとんどつかないといった問題点もあります。
修行中は「一人前になるために働かせてもらっている」という感覚を持っていなければ、残業の多さに音を上げてしまうかもしれません。
20代で正社員への就職・転職
パティシエに夜勤はある?
パティシエの多くが働く洋菓子専門店やホテル、レストランでは基本的に夜勤が発生することはありません。
オープン前に出勤して閉店後に退勤するという流れになるため、勤務時間は長くなる傾向にあるものの、深夜に働くことはほとんどないでしょう。
ただし、深夜に仕込みや調理をおこなう一部のホテルや、24時間稼働している食品メーカーの工場などでは夜勤シフトで働くパティシエもいます。
また、新人のパティシエの場合、腕を磨くためやコンクールに出場するための練習を勤務後の深夜におこなうこともあるでしょう。
パティシエは忙しい? 激務?
高い意識がなければ続かない仕事
パティシエはよく「薄給激務」の仕事だと言われるようですが、そのイメージと実態はあまりかけ離れていないことも多く、ハードな仕事でありながら、それに見合ったお給料がもらえる職場ばかりとは限りません。
作業中はつねに時間との勝負になり、どれだけ単調な作業であってもテキパキ動かなければ先輩に叱られます。
下積み時代の厳しさを乗り越えられず、現場を離れてしまう人も少なくありません。
パティシエとして名を馳せたり大きく稼げたりするのは、実力とセンスが認められた本当に一握りの人だけです。
誰もが一流を目指してがんばり続けているわけですが、そこまでたどり着くには10年以上かかることもあります。
もちろん、有名になったから暇になるというわけではありません。
名が知られればたくさんのお客さまが来店し、メディア出演などさまざまな仕事が舞い込み、下積み時代とはまた違った苦労や忙しさを感じることもあるでしょう。
また、職人的な色の濃い仕事だからこそ、誰に強制されるわけでもなく自分でつねに腕を磨き続ける気持ちがなければ、たちまち競争の場から落とされてしまいます。
お菓子作りにかける本物の情熱があり、どれだけ忙しくても一流になりたいという強い気持ちがなければ、ただ「忙しくて厳しい仕事」という印象だけが残ってしまうかもしれません。
最も大変なクリスマス前
普段から忙しく働くパティシエにとって、1年で最も激務になるのがクリスマスシーズンです。
しかし、大変なのはクリスマス直前だけではなく、その下準備などを含めると秋頃から年末近くまでずっと忙しくなります。
人気の洋菓子店やホテルでの勤務となればなおさら多忙になり、クリスマス数日前ともなると丸2日近く働き詰めという状況を経験する人もいるようです。
長時間働き続けるうちに頭はだんだんボーっとしてくるものの、大量の注文を前にして休みたくても休むわけにもいかず、厨房はもはや戦場のようになっていきます。
では、クリスマスが終わればのんびりできるかというと、そうもいきません。
その他のシーズンもバレンタイン、卒業式、ウエディング、誕生日…など、行事ごとにケーキを買いに求めるお客さまはたくさんいます。
パティシエになれば忙しい生活が続くのは間違いありませんが、日々に忙殺されてやりがいを見出せなければ、毎日がつらくなるばかりです。
自分自身の目標を持つことはもちろん、「それだけ世間から求められている仕事に就いているのだ」と、前向きに考えていくことも必要でしょう。