日本語教師の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

日本語教師の仕事とは

日本語教師は、日本語を母語としない人(おもに外国人)に「日本語」を教える仕事です。

日本語教師は中学校や高校などで「国語」を教える教師とは異なり、国内外の日本語学校・スクールなどで、外国人に外国語としての日本語の発音や文法、会話や読み書きを教えます。

日本語を学ぶ生徒の国籍、言語、文化はさまざまです。

また、ビジネスマンや主婦、日本の文化に興味を持っている人、日本の大学に進学したい人など、日本語を学ぶ動機や目的・目標など、生徒の背景もそれぞれ違います。

そういう生徒たちに対して、日本語教育をどう進めていくのかを考え、指導を行っていきます。

さらに日本語そのもの以外にも、日本の生活習慣や文化などを正しく伝えることで、より日本に興味を持ってもらったり、日本語の学習効果を高めたりすることも大事な役割です。

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日本語教師の業務の内容

授業の内容を考える

「日本語を教える」といっても、ただ授業をする時間だけが日本語教師の仕事ではありません。

授業をするには、まず、生徒の学習歴や日本語のレベル、目的などについての情報を集めて分析する必要があります。

それを基して学習目標やテキストを選び、教育計画を立てます。

このようなコース全体の計画を立てることを「コースデザイン」といいます。

コースデザインが決まったら、カリキュラムを作成し、授業ごとに事前準備を行います。

教材は、教師がオリジナルのものを考えて作ることもありますし、勤務先の学校・スクールが用意するものを用いることもあります。

授業をする

授業は、生徒が複数人に対して教える「集団指導」と、マンツーマンでの「個別指導」の2種類があります。

集団指導の場合、多ければ10人以上の生徒に対して同時に指導をすることになるため、楽しく前向きに授業に臨んでもらえるように、教室全体のよい雰囲気を作り上げることも大事です。

ときにクイズやグループワークなども取り入れながら、生徒同士が刺激を与え合うことで、より学習効果が高まることもあります。

一方、個別指導では、生徒のレベルや理解度を確認しながら、より細かい指導をしていくことができます。

一人ひとりの生徒に寄り添いやすいスタイルです。

なお、日本人は普段、日本語を意識せずに使いますが、外国人に日本語を教えるためには語彙や文法などの専門的な知識はもちろん、確かな指導スキルが必要となります。

「生徒はどこにつまづきやすいのか」や「集中力を保ってもらうにはどんな問いかけをすればいいのか」など、教師自身、「指導」という実践の場によって得られる気付きや学びもたくさんあります。

授業以外の仕事もある

授業以外の時間には、次の授業の準備だけでなく、宿題のチェックやテストの採点業務などもおこないます。

生徒が授業内容をきちんと理解できているかを確認し、必要があればフォローアップの内容も考えていきます。

また、常勤で働く日本語教師の場合は、学校運営のための業務(学校説明会の準備や進行、生徒のカウンセリングなど)を任されることもあります。

このような業務は、授業以外の時間を使っておこなわなくてはならず、やることは山ほどあります。

日本語教師の役割

日本語教師は、日本語を母語としない人(おもに外国人)に「日本語」を教える語学の教師です。

「国語」を教える教師ではなく、国内外の日本語学校・スクールなどで、外国人に外国語としての日本語の発音や文法、会話や読み書きを教えます。

日本語を学ぶ生徒の国籍、言語、文化はさまざまです。

また、ビジネスマンや主婦、日本の文化に興味を持っている人、日本の大学に進学したい人など、日本語を学ぶ動機や目的・目標など生徒の背景もそれぞれ違います。

日本語教師は、そういう生徒たちに対して日本語教育をどう進めていくのかを考え、指導を行っていきます。

また、言葉を正しく使うには、その言葉が話される国や地域の特性を理解する必要もあります。

そのため、授業やレッスンのなかでは、日本の文化や生活習慣、歴史、日本人のマナーなどを伝えていくことも、日本語教師の役割といえます。

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日本語教師の仕事の流れ

授業の準備からスタート

日本語教師の仕事の流れは、勤務先や働き方によっても多少変わってきますが、大きくは以下のようになるでしょう。

まず、担当する授業が決まったら、その授業を受ける生徒の属性や状況について把握します。

年齢や国籍、日本語のレベル、現在の生活環境などについて、できる限り理解することで、一人ひとりに合った指導がしやすくなります。

そして、具体的に教案(授業の内容)を考えていきます。

授業は基本的に1回で完結するわけではなく、半年なら半年、1年なら1年といった時間の中でカリキュラムを組み立て、授業のたびに理解が深まり、スキルアップできるようなものにする必要があります。

また、前回の授業で生徒が特別に苦手にしているポイントがあれば復習の時間を多めに設けたり、フォローアップを積極的におこなったりするなど、内容は臨機応変に調整していくこともあります。

授業から授業後まで

授業では、事前に考えた教案に基づいて指導を進めていきます。

教え方のスタイルは教師によっても多少違いが出てきますが、限られた時間でより理解を深めてもらうため、テストを実施したり、宿題や課題を出したりすることもあります。

授業が終わると、日本語教師はテストの採点や宿題のチェックなどをし、生徒が正しく授業を理解できているかを改めて確認します。

また、個別で生徒からの学習・進路相談や生活上の悩みなどにのったりすることもあります。

このように、日本語教師は、授業そのものの時間以外にやるべきこともたくさんあります。

日本語教師の勤務先と仕事内容の違い

日本語教師の勤務先・働き方の種類

日本語教師の勤務先は多岐にわたりますが、代表的な種類ごとに分けると以下のようになります。

1. 国内の(民間)日本語学校・スクール
2. インターナショナルスクール
3. 海外(日本語学校・ボランティアなど)
4. フリーランス(独立・開業)

このなかで最も代表的といえるのが、民間の日本語学校・スクールです。

日本語学校・スクールには、日本の大学や専門学校への進学のため、就職のため、あるいは生活のためなど、さまざまな目的を持って日本語を学びたいと考える外国人が多数通っています。

生徒の年齢層は10代から20代が多いとされますが、それ以上の年齢の生徒を指導することもあります。

このような学校・スクール以外にも、インターナショナルスクールに勤めたり、海外勤務も可能でしょう。

また、どこかの教育機関などに所属せず、フリーランスの日本語教師としてさまざまな活動をしている人もいます。

国内の日本語学校・スクールで働く日本語教師

外国人留学生やビジネスで日本へ訪れた人など、「日本語を学びたい」「日本語のスキルを高めたい」といった人たちに日本語を教える場として、国内の民間の日本語学校・スクールがあります。

このような学校・スクールには、専任で働く「常勤講師」と、担当授業をいくつか持って働く「非常勤講師」がおり、多くの場合は非常勤としてキャリアをスタートし、スキルや経験に応じて常勤へとステップアップします。

非常勤のうちは、基本的に担当の授業をどう進めていくかを考えて授業をおこなったり、クラスの生徒に対してのフォローアップなどが中心業務となります。

常勤になると、学校運営に関する業務なども加わり、さらに任されることも増えていきます。

インターナショナルスクールで働く日本語教師

国内のインターナショナルスクールでも、日本語教師は活躍できます。

インターナショナルスクールでは学校によりますが、保育園や幼稚園として外国籍の幼児から、12年生(日本の高校3年生)までを対象とする学校があります。

さまざまな国籍の外国人と接し、授業は英語で進められるのが一般的です。

インターナショナルスクールでは、教員免許が必須とされる場合と必須ではない場合がありますが、その代わりに英語力は必ず求められます。

英語力の目安としては、日常会話が問題なくできることや、最低ラインでTOEIC650点程度が基準となる場合が多いようです。

海外の学校で教えていた経験がある人はプラスに評価されやすいのが、インターナショナルスクールの特徴です。

さらに、教員免許の保持者や教職経験者、あるいは塾などでの指導経験があれば優遇されるでしょう。

それに加えて、子どもが好きであることや、元気な子どもと触れ合うために体力にも自信がある人などが求められてきます。

海外(日本語学校、ボランティア等)で働く日本語教師

日本を飛び出して、海外で日本語教師として働くことも可能です。

ひとくちに海外といってもさまざまな国がありますが、現在、海外にある日本語学校の求人はアジア圏に集中しており、中国、韓国、台湾、ベトナム、タイなどでのニーズが増しています。

欧米でも日本語教師になるチャンスはありますが、現地の言葉についてのハイレベルな語学力が求められることが多くなっています。

このほか、国際支援などを行う団体を通じたボランティアに参加し、現地で日本語教師としての活動をする人もいます。

ワーキングホリデーやインターンシップとしての日本語教師の募集もありますが、だいたいは専業の日本語教師のアシスタントとして、授業補佐などの仕事が中心になるようです。

フリーランス(独立・開業)で働く日本語教師

日本語教師のなかには、日本語学校・スクールなどに所属するのではなく、フリーランスの形で働く人もいます。

フリーランスになると、自分で生徒を集めて日本語の授業やレッスンをすることが基本となり、自宅でマンツーマンの指導を行う人もいますし、カフェなど外部の場所を使って日本語レッスンをするような人もおり、活躍の仕方はさまざまです。

また、最近ではパソコンやネット環境などを利用した「オンライン」での指導のニーズも高まっており、自宅などにいながらにして、世界中の生徒に日本語を教えられます。

勤務時間や休日などの自由度は高いですが、学校・スクールなどに就職して働く場合と同様に、日本語教育の専門的な知識やスキルは求められます。

日本語教師として日本語を教えることはなぜ難しい?

「日本人=日本語を教えられる」ではない

「日本人なら誰でも日本語くらい教えられる」とよく耳にします。

実際、とくに海外の途上国の日本語学校では現地の日本語教師を雇うのが難しく、ただ「日本人だから」という理由で採用が決まることがあります。

しかし、日本語を話せるからといって、日本人なら誰でも日本語を教える仕事ができるというわけではありません。

普段、日本で暮らしていて、日本語を教えた経験がまったくない人は、日本語の文法や助詞の「は」と「が」の違いなどについて、意識して考えることはほとんどないはずです。

他にも、日本語では助動詞の活用や他動詞と自動詞の区別など、外国人にとっては難しいと感じるポイントがたくさんあります。

そうしたことを一から学ぼうとする人たちにどのように説明すればよいのかは、専門的な知識や教え方を知っていないとわからないのが当然です。

日本語での簡単な会話についても、ただ授業で漠然と学生としゃべっているだけでは教育効果は上がりません。

日本語を教えるには、教えるための知識や技術を身につける必要があります。

日本語を教えることの難しさはどこにある?

外国人にとっての日本語の難しさ

日本語以外を母国語とする外国人にとって、日本語は非常に難しいといわれます。

発音・文字・文法・また日本語の背景にある文化など、私たち日本人は無意識にわかっていることでも、外国人にとっては理解するのが難しい部分がたくさんあります。

それらをすべて論理的に、しかも日本語のレベルがあまり高くない人たちに指導することが、日本語を教えることの一番の苦労だといえます。

日本語教師として働くのであれば、自分がわかっているつもりになっている日本語についてすべてかみ砕き、その意味や使い方などについて、言葉で明確に説明できるようにしなくてはなりません。

教えるノウハウの習得が必須

日本語教師にはいろいろな人がいます。

国内では日本語教師として採用される基準は比較的整っていますが、それでも日本語教師は中学校や高校などの一般的な教師とは別で、教員免許などは必要なく、日本語教育のバックグランドは千差万別です。

たとえば、Aという日本語教師は大学院で日本語教育を修士レベルで修了しています。

Bの日本語教師は日本語教育の経験はまったくありませんが、日本語教師養成講座420時間コースを修了しています。

Cの日本語教師は、日本語検定は独学で合格しましたが、特別な日本語教育の勉強をしていません。

このように、同じ日本語教師といっても、その人が歩んできた道のりはさまざまであり、どうしてもスキルに差が出やすくなっています。

そして、ただ日本語を理解しているだけでなく、教えるノウハウがあるかどうかも大きなポイントとなります。

学習者の日本語レベルにもよりますが、初級の学習者に日本語を日本語で教える「直接法」の指導方法をとる場合、日本語での話し方や説明の仕方、教材の用い方などを工夫しなくてはなりません。

さらに、限られた授業時間の中で教えなくてはいけないという条件も加わるため、未経験の人にとってはかなり難しいものになります。

日本語教師は単に日本語を「話せる」だけでなく、「教えるノウハウ」を学ばなければ務まらない仕事といえます。

日本語教師と関連した職業

日本語教師と国語教師の違い

日本語教師と似たような職業として捉えられることがあるのが、国語教師です。

どちらも「日本語を扱う」という点では共通していますが、両者には大きな違いがあります。

そのひとつは、日本語教師が外国人のような日本語を母国語としない人に対して日本語を教えるのに対し、国語教師は基本的には日本人に対して、国語の能力を高めるための指導を行っていくことです。

日本語教師の場合、語学そのものに加えて、日本で生活するときの文化や風習などについても教える必要が出てきます。

また、教える場所にも違いがあります。

日本語教師は、おもに民間の日本語学校・スクールで「日本語を勉強したい」と考える生徒に指導をする一方、国語教師は小中学校など義務教育としての学校、また高校や大学のような高度な教育機関、受験対策の予備校などで指導をおこなうことです。