公認会計士になる人の学歴や出身大学は?
公認会計士の学歴は?
公認会計士は高学歴が多い
公認会計士試験では、受験資格として学歴は問われません。
中卒でも高卒でも資格取得を目指せます。
ただし、公認会計士試験の毎年の合格者の学歴を調査すると、そのほとんど(9割程度)が、大学および大学院の在校生か卒業生というデータが出ています。
令和2年の試験でも、合格者における高卒者の割合は6.0%にとどまっています。
さらに、合格者の出身大学は、多くの人が名前を聞いたことがあるような有名大学が多いのが事実です。
近年の合格者の出身大学を見てみると、慶應義塾大学が多く、加えて早稲田大学や明治大学のような難関私立大学や、東京大学や京都大学のような難関国立大学の名前を多く見ることができます。
試験で求められる「学力」
公認会計士資格は学歴関係なく受験ができるとはいえ、難関資格のため、「一定の学力は必要」ということが高学歴の合格者が多い理由といえそうです。
公認会計士の筆記試験は、暗記しないといけない知識が山ほどあります。
また、論文形式の問題では論理的な説明ができるかどうかや、文章能力があるかどうかも問われます。
そのため、難関大学を突破できたような学力をもつ人たちが多く受験を志し、得意の暗記力や論理的思考力を駆使して合格を勝ち取っていくことになるのです。
もちろん、中卒・高卒の学歴でも、実際に合格して公認会計士になって活躍している人もいます。
ただし、受験時には難関大学の在校生や卒業生とともに試験を受け、合格を争わないといけないことを意識したうえでの受験対策が必要です。
難関大学出身者が多い公認会計士
先にも挙げた通り、公認会計士試験の合格者のほとんどが、大学および大学院の在校生か卒業生です。
令和2年度の学歴別合格者の割合は以下の通りです。
- 現役の大学生(短大含む):41.6%
- 大学・短大卒業生:41.3%
- 現役の大学院生:0.9%
- 会計専門職大学院修了:3.1%
- 大学院修了:4.2%
これらをすべてあわせると合格者の91.9%にものぼります。
公認会計士の試験自体が非常に難関で、ある程度の学力を持つ人たちが挑戦することが多いため、自然と高学歴の人が集まる傾向にあるようです。
経済学部、経営学部、商学部の出身者が多め
合格者にどのような学部の出身が多いのかについて詳細はリサーチされていませんが、一般的には経済学部、経営学部、商学部の出身者が多いといわれています。
経済学部、経営学部、商学部では、授業の一環として「簿記」を学ぶことがほとんどです。
簿記は、企業の利益や損失が一覧になった帳簿のようなものであり、授業でこういった機会を得ることが、公認会計士の仕事に興味を抱くきっかけになることがあるようです。
また、大学によっては、公認会計士をはじめとしたプロの会計職を目指すための「会計専門職大学院(会計大学院)」を設置しているところもあります。
こうした大学院では、会計の知識をより深く身につけることができることに加え、公認会計士の試験科目の一部が免除になるメリットもあります。
そのため、大学を卒業した後に会計専門の大学院に進学して、公認会計士を目指す人も多いです。
専門学校だけでも公認会計士は目指せる?
公認会計士の受験対策講座を行っている民間の専門学校は、全国各地に数多く存在しています。
高校卒業後は、大学へ行かずに専門学校へ進学して公認会計士を目指すこともできます。
講習期間は平均的に1~2年ですが、長いところでは4年制のカリキュラムを組んでいるところもあります。
また、通学して実際に講師の授業を受けるコースと、通信講座を使って在宅で学習するコースがあり、受講者のそれぞれの生活スタイルや予算にあわせて選択することができます。
専門学校を選ぶメリットは、公認会計士の受験対策に完全に特化したカリキュラムの下、効率よく勉強できることです。
一方で、会計の知識以外のことを身につける機会がないため、万が一にも途中で公認会計士をあきらめて違う道に方向転換を迫られた場合のリスクも考えて、大学進学すべきか専門学校だけでよいかを決めるとよいでしょう。
ダブルスクールで公認会計士は目指す人も
公認会計士資格は難関資格かつ、年に一度しか受験のチャンスがありません。
そのため、必ず合格したいと思う人のなかには、昼間は大学や大学院に行き、夜間は民間の専門学校に行って勉強する「ダブルスクール」で合格を目指す人もいます。
専門学校では、大学では学ぶことができない科目について効率的な勉強ができ、講師も公認会計士試験に特化しており、進路について相談しやすいのがメリットです。
大学の費用にプラスして専門学校の費用がかかったとしても、試験に失敗して勉強期間が延びるよりましだと考え、短期集中で資格を取りたい人に人気な勉強スタイルです。