公務員の階級・役職の一覧 各階級の名称も紹介
また、公務員のなかでも、警察や消防など一部の組織では独自の階級的な呼び方が使われています。
ここでは公務員の役職や階級について詳しく解説します。
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公務員の役職・階級とは
公務員が働く職場には、明確な上下関係があります。
ここでは、公務員の役職や階級はどのようなものを意味するのか説明します。
公務員の「役職」と「階級」の違いは?
公務員の世界には「役職」と「階級」が存在します。
民間企業でも、一般社員、係長、課長、部長などといった役職が存在しますが、公務員の場合は、法律に基づいて細かく定められた階級があります。
階級によって給料や業務内容、役割が異なることが特徴です。
なお、「役職」も同じような意味で使われることもありますが、役職は業務上のポジションを指し、階級は給料を決める基準となります。
公務員の階級は給料や昇進の基準になるため、公務員がキャリアアップを考える際には重要な要素です。
役職については、役職が上がれば責任や業務内容が変わるため、自己成長と経験を重ねることで昇進につながる可能性があります。
公務員の出世ルートはさまざま
出世することで立場が上になり、給料が上がるのは一般的な考え方です。
しかし、公務員の場合、出世すること、つまり階級の上昇についてはいくつかのパターンがあります。
基本的には、年齢や勤続年数によって自動的に階級が上がります。
しかし、一部の職種や、一定の階級以上を目指す場合、昇任試験を受験して合格することが条件となる場合があるのです。
たとえば、警察官や自衛官などが代表的な例です。
さらに、官僚の場合は「キャリア」と「ノンキャリア」で出世ルートが入庁時点でほぼ決まっており、キャリアでない場合は一定の役職までしか昇進できないといったこともあります。
公務員の出世に関しては、職種や組織によって異なるルールが存在します。
キャリアアップを目指すためにも、それぞれの特徴や条件をよく理解しておくことが重要です。
公務員の職種ごとの階級の特徴
ここからは、公務員の代表的な職種別の階級の特徴を紹介します。
警察官
警察法第62条により、警察官の階級は次のように定められています。
制服には階級章がついており、階級が一目でわかります。
階級を上げるためには、「昇任試験」もしくは、勤務成績や勤続年数などに基づいて昇任する「選抜・選考」を受ける必要があります。
警察官のなかでも、交番などに勤務する若手警察官は地方公務員に該当しますが、階級が上がり「警視正」以上になると国家公務員の扱いとなります。
これにより、同じ警察官でも待遇に違いが生じることになります。
また、警察官になるためには大きく分けて2つの進路があります。
1つ目は、大学や大学院を卒業して国家公務員試験に合格し、警察庁に入庁する進路です。
国家公務員総合職試験に合格した人は幹部候補の「キャリア」として採用され、階級は「警部補」からスタートします。
一方、国家公務員一般職試験に合格した人は「準キャリア」として警察庁に採用されます。
この場合、階級は「巡査部長」からのスタートです。
警察官の階級
消防士
消防吏員の階級は、最高位の消防総監から消防士まで全部で10段階あります。
昇級試験を受けることで階級が上がりますが、大卒区分と高卒区分では昇級試験を受けられるまでの期間が異なります。
大卒のほうが、短い期間で次の昇級試験を受けることができるため、昇進には有利です。
なお、試験ではなく推薦等によって階級が上がるケースもあります。
ただし、自治体によって階級の数には違いがあり、地方の消防本部では5つ程度の階級に絞られていることもあります。
消防士の階級
自衛隊
自衛隊の階級制度は、以下のようになっています。
曹は士を直接指導し、小部隊のリーダーとして活躍します。
尉官以上になると「幹部」として扱われ、部隊の骨幹としての役割を担います。
自衛隊も、警察官と同様に独自の階級章が制服につけられており、昇任試験が存在します。
昇任試験は、士長から曹へ昇級する際と、曹長から幹部である3尉へ昇進する際に実施されます。
自衛隊の階級
海上保安官
海上保安官の階級は、以下のように全部で13階級に分かれています。
【海上保安監】
【海上保安正】
【海上保安士】
海上保安官になるには、海上保安大学校もしくは海上保安学校に入学する必要があり、それぞれの学校で卒業時の階級が異なります。
「海上保安大学校」の卒業生は幹部候補とされ、中型巡視艇船長になれる「三等海上保安正」として配属されます。
一方、「海上保安学校」の卒業生は、航海士補、機関士補、主計士補などの専門職として活躍できる「三等海上保安士」として配属されます。
海上保安官の階級
地方公務員(行政職)
地方公務員として役所で行政職として働く場合、係員級からスタートし、以下のような順に昇進していくことが一般的です。
ただし、各役職に就く目安の年齢はある程度決まっていても、必ずしもその通りに進むわけではありません。
入庁して数年は、おおよそ決まった業務を任され、全員が同じスピードで経験を積んでいくことが一般的ですが、主任以降になると、個人の能力や成果によって差が出てくることが多いです。
また自治体によっては、昇任にあたって人事考課だけでなく、筆記試験への合格が昇任の条件になる場合があります。
地方公務員の多くは、係長・班長クラスの役職にまで達して定年を迎えることが一般的です。
ただし、一部の優秀な人たちは次長や部長に昇進することもあります。
地方公務員の仕事
国家公務員(官僚)
中央官庁で働く国家公務員(官僚)の役職は多岐にわたり、省庁ごとに若干の違いがあります。
ここでは、一般的な役職の名称について説明します。
省庁のトップにあたる「大臣」をはじめ、それに続く「副大臣」「大臣政務官」は、国会議員が就く役職です。
そして「事務次官」以下の役職は、国家公務員で構成されます。位が高いほうから紹介します。
なお、国家公務員はキャリアとノンキャリアとの違いにより、昇進スピードが異なります。
キャリアは総合職として採用され、昇進スピードが速く、30代で課長補佐、40代で課長クラスになることが一般的です。
一方、ノンキャリアは昇進できるのは課長補佐までで、昇進スピードも総合職より遅めとなっています。
国家公務員の階級・役職
「公務員の階級・役職」まとめ
公務員の役職や階級は、業務上のポジションを指し、給料を決める基準となるものです。
なお、自衛隊など一部の職種は、特定の組織や業務に特化した職務を担当するため、一般の地方公務員とは異なる階級制度が導入されています。
役職や階級を上げるには、経験を積むほか、昇進試験や周囲からの推薦などが必要な場合があります。