広告宣伝部門で働くには
入り口をどう選ぶか
一般企業の新卒総合職採用の場合、配属先を選ぶことはできません。
そのため、エントリーシートや面接で「広告宣伝に関わりたい」とアピールして採用されても、営業部門や経理会計部門に配属される、というのはよくあることです。
この場合、時間はかかりますが別部門で経験を積み、異動希望アンケートなどで粘り強くアピールを続けたり、広告宣伝部門内に知り合いを作り、内部から働きかけてもらうといったアクションも有効かもしれません。
広告代理店はもちろん広告宣伝を主な事業としていますが、業務内容が細分化されているのが一般的です。
ここでも総合職採用で配属先は選べないのが一般的ですが、どの部門に配属されたとしても、広告宣伝という仕事に関われることには変わりありません。
たとえば、制作部門希望だったのに対して営業部門に配属されたら、営業部門で学べることをしっかり学び、自分の強みを作ってから、異動のチャンスを待ちましょう。
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採用に有利な学歴はあるの?
大前提として、一般企業の総合職採用は大学卒業者を対象としていることが多いため、まずそこをクリアしないことには広告宣伝部門までたどり着くことは難しいでしょう。
学歴に関しては、広告代理店の場合も同様です。
大学の学部によって配属の際に有利不利はあるのでしょうか?
商学部や経済学部で、マーケティングや統計学、その他広告宣伝に役立つ学科を専攻することは無駄ではありません。
しかし特別な資格や専門知識が必要な仕事ではないため、どんな学部で何を専攻している人にも、チャンスはあるといえます。
近年ではウェブ媒体での広告展開が重要視されるようになってきていますから、コンピューターサイエンス学部などの理系学部出身者も重宝されます。
広告宣伝の資格、スキル
広告宣伝に必要な資格は?
広告宣伝部門で働くために、また、なってから有利な資格は、とくにありません。
資格よりもセンスやコミュニケーション能力、経験が求められる仕事です。
総合的なプロモーションの計画と実行に関わる唯一の資格としては、一般社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会認定の民間資格「プロモーショナル・マーケター認証資格」があります。
ある程度広告宣伝業界で経験を積んだ人向けの資格です。
プロモーショナル・マーケター認証資格試験は「基礎知識試験科目」と「計画立案実技試験科目」から構成され、基準点を満たすことで合格となり、資格認証されます。
求められるスキルは?
広告宣伝に求められるスキルは、他の多くの職業に求められるスキルと共通しています。
コミュニケーション力、交渉力、提案力、進行管理能力などです。
しかし広告宣伝に求められる独特のスキルとしては、時代の流れをとらえ反映できる柔軟なセンス、またはゼロから流行を生み出すことのできるエッジなセンスでしょう。
こういったセンスは、若いころから感性を磨くことで形成されます。映像や音楽、文学や歴史などさまざまな情報をインプットしておくことで、アウトプットの絶対量が多くなります。
広告宣伝はクリエイティブな業務ではありますが、あくまで商品価値を高めるというミッション(使命)があるため、アーティスティックな要素と商業的な要素をバランスよくミックスできるスキルも求められます。
業界により異なるスキル
たとえば自動車メーカーの広告宣伝部門勤務であれば、自動車についてまったく知らずに広告宣伝をすることは不可能でしょう。
どの業界であれ、勤務先の商品についての知識は必須です。
大手企業や広告代理店勤務であれば、職種が営業、マーケティング、クリエイティブなどと分かれていることがあります。
この場合営業職であれば、クリエイティブなセンスよりも営業スキルが求められます。
漠然と「広告宣伝の仕事がしたい」と考えているのであれば、どの分野に興味があって、具体的にどんな仕事がしたいのかを突き詰めてみることで、自分に必要なスキルが見えてくるかもしれません。
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未経験からの転職
中小企業であれば、未経験からの広告宣伝担当者の中途採用もありえるでしょう。
広告宣伝職は未経験だが興味があるという人は、現職と同じ業界を選んだり、広告代理店の人材募集で現職と同職種がないか探してみるといいかもしれません。(例えばメーカーの営業担当であれば、広告代理店の営業ポストに応募するなど)
しかしどんな業務内容であっても、広告宣伝制作に関わるのであれば、ある程度のクリエイティブな考察力とセンスを求められます。
日ごろからアートや文学、音楽、雑学などさまざまなクリエイティブ分野へのセンサーを張っておくことが大事です。
広告宣伝担当のキャリアパス
社内での昇進
同一企業に長期間務めれば、業績が認められれば規模の大きい仕事を任されたり、昇進への道が開けるでしょう。
体質の古い大企業では、年功序列制度が根付いていて、とくに目覚ましい成果を上げずとも、年齢と勤続年数を積み重ねることで給与がアップしていったり、役職が付くケースもあるかもしれません。
広告代理店であれば、将来的には経営部門や首脳部に名前を連ねることも夢ではありません。
とくに中小企業では、現場で活躍していた社員が上層役員に食い込むことは珍しくないそうです。
反対に、昇進して管理職に就くと制作の第一線で働けなくなる企業もあるため、昇進よりも制作現場の一線に残ることを好んだり、管理職ながら企画に関わる方法を探る人もいます。
転職でキャリアアップ
広告宣伝の仕事に就いていても、なかなか希望の業務に配属されないことに不満を抱いている人なら、思い切って他企業の希望のポストに応募するのもありかもしれません。
中途採用であれば、一般企業でも広告代理店でも職種や部門を限定した採用が多いため、狙いを定めやすい傾向があります。
一方で、現職よりも規模の大きい企業に狙いを定め、給与アップや、やりがいの大きそうなポジションを目指すこともできます。
この場合は、現職で積み重ねてきた経験を活かせるポストに応募することで、効率的なキャリアアップが目指せます。
独立の道を探る人も
ある程度組織で経験を積んでから、フリーランスプロデューサーとして独立したり、代理店を起業する人もいます。
企業勤め時代に関係者とのコネクションをしっかり築いておけば、個人でも規模の大きい仕事をとっていくことはできます。
また元職場を円満に退職すれば、外注先として業務を発注してもらえる可能性が高まります。
独立の動機は給与アップというよりは、自身の感性を活かして面白い仕事がしたい、という思いを抱いている人が多いでしょう。
組織に属さずに仕事をする覚悟があれば、独立も価値あるキャリアパスのひとつといえます。
広告宣伝への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう
未経験や中途で広告宣伝を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。
広告宣伝の仕事に詳しい転職アドバイザーから話を聞けたり、広告宣伝の「非公開求人」の情報を得られます。
まだ転職するか迷っている、そもそも広告宣伝が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げられます。
リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。
また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。
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