機械設計になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学学部・専門学校)

機械設計になるための学校の種類

学校の種類

機械設計になるための学校の種類は、大きく4種類に分けられます。

・大学・大学院
・専門学校
・高等専門学校(高専)
・職業訓練校

高校卒業後、4年制大学の理工学部に進学し機械工学について学び、新卒で電機メーカーや部品メーカーに入社するのが一般的です。

「マイナビエージェント」の調査によれば、機械設計の仕事につく人の8割近くが、大学もしくは大学院を卒業しています。

学校に通う必要性

次のような分野の知識は学校で学んでおいたほうがよいでしょう。

<機械設計の仕事をするうえで学んでおきたい知識>
・機械工学の4大力学(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学)
数学物理学の基礎
・CAD(Computer-Aided-Design)ソフトの利用スキル

独学で学ぶことも不可能ではないものの、並々ならぬ努力と苦労がともないます。

4年制大学などの正式な教育機関に通い、体系的に学んだ方が現実的でしょう。

学歴について

機械設計エンジニアの採用で「学歴不問」の場合もありますが、多くの会社は高卒、大卒などの採用条件を定めています。

工業高校の卒業学生を積極的に採用しているのが地元の中小メーカーです。

一方、大手メーカーの中には「専門学校卒以上」の学歴を求める会社もあります。

さらに「4年制大学卒以上」の学歴条件で採用する大手メーカーも目立ちます。

機械設計になりたい人は、4年制大学に進学すると就職先の選択肢が広がるでしょう。

学歴は基本給にも影響し、一般的には、高卒、短大・専門学校卒、高等専門学校卒、大学卒、大学院卒の順に、約1万円ずつ初任給が上乗せされます。

たとえば高卒と大学院卒では、入社時の基本給に5万円以上の差がでる会社もあります。

文系・理系について

文系理系問わず、「学部不問」で幅広い学部の学生を採用する会社もあります。

その一方で「4年制大学の理工系学部出身のみ」、「機械について学んできた学生を対象」と制限する会社があり、理工系学部に進んでおいた方が確実です。

機械設計になるには

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

機械設計になるための大学

大学の特徴

大学のカリキュラムは、スキルよりも知識を重視しています。

著名な教授がいたり、研究設備が充実していたりするのも魅力です。

研究室やゼミに入ってより深くまで学んでいける環境が用意されています。

総合大学であれば、専攻する学部以外の授業も「一般教養科目」として受講できるため、幅広い教養が身につくのも魅力です。

大学のメリット、デメリット

大学のメリットは、知識を深く追求できる点です。

機械設計の場合、機械工学、数学、物理学などの学問的な理解も強く求められる仕事であるため、大学で専門性を深めておけば、将来的に役立つでしょう。

大学のデメリットは、学費が高いことです。

とくに私立大学の場合、理工系学部は文系学部よりも学費が高く、年間130万円~160万円、4年間の総額では500万円~600万円もかかります。

大学の学費

4年制大学の理工系学部に通った場合、学費の目安は次のようになります。

<学費の目安>
・国立大学:年間約53万円、初年度のみ入学金約28万円
・公立大学:年間約53万円、初年度のみ入学金約38万円
・私立大学:年間約130万円~160万円、初年度のみ入学金約20~30万円

国公立大学の場合、学費は一律であり、理工系学部だからといって割高になることはありません。

一方、私立大学の学費は、国公立大学の学費の2~3倍です。

有利な学部・学科

機械設計エンジニアになるため学ぶには、理工学部の「機械工学科」が適しています(機械工学科の名称は大学によって異なる)。

機械工学科では、機械工学の4大力学の基礎に始まり、機械設計に通じる知識を幅広く学ぶことができます。

また、「機械工学科」のほかにも、「機械システム工学科」、「機械・自動車工学科」、「電気電子工学科」、「ロボティクス工学科」など、より分野を個別化した学科もあります。

機械について総合的に学べるのは「機械工学科」ですが、「自動車を設計したい」、「ロボットを設計したい」など目標や分野が具体化している人は、個別の学科も選択肢となるでしょう。

機械設計になるための専門学校

専門学校の特徴

大学が知識や学問に重点を当てているのに対し、専門学校は技術を重視しています。

専門学校においても、機械工学の4大力学などを学ぶ学問的な授業もカリキュラムに含まれています。

しかしそれ以上に、CADを使った実習など、実務に通じる授業の方が多い傾向です。

また、大学のように自分で授業を選択するのではなく、高校のように学校が決めたカリキュラムに従って学びます。

専門学校のメリット、デメリット

専門学校のメリットは、2年間の短い期間で実務にも通じる知識やスキルが学べる点であり、早く社会に出て活躍したい人に向いています。

「大学に比べると入学試験の難易度が低め」「資格取得講座が充実している」などもメリットです。

デメリットは、大手メーカーの採用対象からはずれる可能性があることです。

新卒で名のある大手メーカーの設計職につきたい人には不向きでしょう。

専門学校から4年制大学に編入できることもあるので、専門学校をめざす人は、進路や就職先などよくリサーチすることがたいせつです。

専門学校の学費

専門学校の学費は、1年間あたり約100万円~110万円です。

専門学校の場合は、理工系も文系も学費はさほど変わらず、どの学科であっても学費は年間100万円弱が目安となっています。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

機械設計になるための高等専門学校

高等専門学校の特徴

高等専門学校は、通称「高専」と呼ばれます。

大きな特徴は5年間の一貫教育を行っている点です。

中学卒業後に高等専門学校で5年間学び、就職するのが一般的な進路でしょう。

大学のように高度で専門的な知識も深められつつ、専門学校のように実務的なスキルも学べるカリキュラムが設定されています。

学歴は、4年制大学卒と専門学校卒の間の位置づけとなり、高等専門学校を卒業すると「準学士」の称号が得られます。

希望者は、高等専門学校から4年制大学に編入することも可能です。

高等専門学校のメリット、デメリット

高等専門学校のメリットは、高校の3年間と大学の4年間で学ぶのと同じ程度の理工系の知識を、5年間で学べることです。

大学入試の受験勉強に取り組む必要がないというのもメリットとなります。

高等専門学校のデメリットは、専攻コースを一度決めると、途中での変更や方向転換がなかなか難しいことでしょう。

中学卒業の段階で、まだ進みたい分野で悩んでいる学生には向いていないでしょう。

高等専門学校の学費

全国の高等専門学校のほとんどを国公立の学校が占めます。

国公立の高等専門学校の学費は、年間約23万円、初年度は入学金約9万6000円で、卒業までにかかる学費総額は約126万円です。

5年間の学費が、私立大学理工学部の1年間の学費と同じ程度であるため、費用的な負担はかなり軽いでしょう。

高専の就職について

高等専門学校の就職率は非常に高く、多くの学校がほぼ100%の就職率を記録しています。

大学に近い教育を受け、卒業時の年齢が2年ほど若い高専生を好む企業も多いためです。

企業と連携した学校もあり、学校推薦で入社する学生もいます。

ただし、新卒採用時の学歴を「4年制大学卒以上」と制限している大手メーカーには、高等専門学校卒であってもエントリーできません。

機械設計になるための職業訓練校

職業訓練校の特徴

「職業訓練校」は各都道府県に設置されている、国や自治体が運営する教育施設です。

新しい仕事につくために必要な知識やスキルを、数か月~2年程度の期間で学ぶことができます。

さまざまな技能コースが用意されており、機械設計の知識やCADの製図スキルなどを学べるコースもあります。

職業訓練校での訓練を受けるには、ハローワーク経由で申しこまなければなりません。

職業訓練校のメリット、デメリット

職業訓練校のメリットは、無料で機械設計に必要な知識・スキルを学べることです。

失業手当を延長できたり、受講手当を支給されるのもメリットでしょう。

デメリットは、基本的には失業中の人を対象としているので、誰もが無料で利用できるわけではない点です。

離職者でなくても利用できる「在職者訓練」や「学卒者訓練」などありますが、こちらは有料制となってしまいます。

また、職業訓練校を卒業しても学歴にはなりません。

職業訓練校の学費

職業訓練校の入学検定料、入学金、授業料などは、すべて無料となります。

ただし、テキスト代、作業服代などは自己負担となることがあります。

機械設計の学校選びのポイントは?

カリキュラムをよく確認する

同じ「機械工学科」という名称の学科でも、学校によって細かなカリキュラムは変わってきます。

「機械工学の4大力学」のような基礎となる科目は、どの学校の機械工学科あっても、必修科目としてカリキュラムに含まれているでしょう。

しかし「システム制御工学」、「ロボット工学」、「CAD演習」のような応用的な科目をどこまで学べるかは、学校ごとにちがいます。

カリキュラムの内容は、入学資料や学校のWebサイトなどで事前に確認できます。

自分が学びたい科目がカリキュラムに組まれているかもチェックしたうえで、学校を選ぶことが大切です。

学ぶ環境をチェック

理工系の学部では、教授や同級生たちと協力し、実験や実習などを行うことも多いため、学ぶ「環境」も重要になってきます。

そのため、学校や研究室などの雰囲気、設備・機材の充実度、教授や講師の質をチェックしておくことが大切です。

実際に見てみないと分かりにくいので、「オープンキャンパス」や「体験入学」に参加するのもおすすめです。

就職面をチェック

機械設計のような技術職の採用では、「学校推薦制度」を利用して就職活動を進ることもあります。

また学校と企業で連携していて、特定の学校の学生を優遇することもあるようです。

学校推薦の情報などは、Web上やSNS上で先輩の体験談として公開されています。

どんな企業に就職している先輩がいるか、学校全体の就職率などもチェックしておくことが大切です。