警察官はつらい? 大変なことや苦労、ストレスについて解説

社会の治安や人々の安全な暮らしを守る警察組織には、独特な雰囲気や厳しさがあると考える人も多いです。

警察官の仕事はハードワーク、上下関係が厳しい、人間関係が大変などといった声も聞かれますが、それらは本当なのでしょうか?

ここでは、警察官のつらさや大変なことや苦労、感じやすいストレスについて詳しく解説します。

警察官のつらいこと・大変なこと

警察官として働く上でのつらいことや大変なことを紹介します。

上下関係の厳しさ

警察は、よくいえば歴史と伝統ある組織、悪くいえば旧態依然とした組織であり、上下関係が厳しいことで知られています。

このため、立場的に一番下である新人や若手の頃は、とくにきついと感じる場面が多いようです。

体育会に似た風土もあって、人によってはパワハラに近いと感じる指導を受けることもあるなど、精神的負担はかなり大きい職場といえるかもしれません。

過去には、上司の行き過ぎた指導が部下に対するいじめであると判断されて裁判になったケースもあり、なかには精神的に追い込まれて自殺してしまった警察官もいます。

もちろん、すべての職場がそうした環境というわけではありません。

ただし、警察組織は明確な階級制度で成り立っています。

常に組織の指示命令系統を保っていなければ、事件や事故などのいざというときに、迅速・適切に動くことができないのです。

そのため、上司と部下、先輩と後輩の立場の明確な差や、指導の厳しさなどは、ある程度覚悟しておく必要があるでしょう。

犯罪者を相手にするストレス

警察官は、業務の特性上、素行に問題のある人や交通違反者、犯罪の容疑がかかっている人、あるいは暴力団関係者などを相手にしなければなりません。

そういった人々の多くは、警察官に対して非協力的で、捜査や事情聴取に素直に応じなかったり、口汚い言葉で警察官を罵ってくることも日常茶飯事です。

ときには暴力を振るわれるなど、自分自身に危害が及ぶケースもあり、警察官は気苦労が絶えません。

しかし、どんな相手でも、またどんな状況でも、冷静さを失わずに毅然と対処することが必要です。

感情を抑えなくてはならない立場の警察官は、業務から受けるストレスが非常に大きい職業といえます。

心身ともに強くあることを求められる

凶悪な犯罪者を取り締まらなければならない警察官にとって、常日頃から体を鍛えることは必須です。

警察官として採用された後に通う警察学校では、柔道や剣道などの訓練がありますが、交番などに配属されてからも、定期的に訓練を受け続けなくてはなりません。

また、白バイや機動隊など、警察官の中でも専門的な仕事を手掛ける場合は、それぞれの業務に必要な能力を身につけるための訓練も行われます。

これらの特殊訓練は、内容的にハードなものが多く、心身ともに強くあることが求められます。

警察官は、絶え間なく発生し続ける事件や事故に日々対処しつつ、自己研鑽のための訓練も並行して行い、自身を常に向上させていかなければ務まらない仕事です。

警察官の悩み

ほとんどの警察官に共通した悩みとして、休日であってもゆっくり休めないことが挙げられます。

事件や事故はいつ何時発生するか予測できず、急に多くの人手が必要になるケースもあるため、休みの日であっても職場から突然呼び出されることも珍しくありません。

とくに刑事警察部門で働いている警察官は、上司から呼び出されると、そのまま連続して数日間の捜査に駆り出されるケースもあります。

また、休みの日に管轄外に出かける際は、日程や目的地などを事前に届け出なければなりませんし、行き先が海外となると、同行者や緊急連絡先などまで報告したうえで、上司からの承認を得なければなりません。

警察官は、プライベートといえども完全に自由というわけにはいかないのです。

とくに警察官になったばかりの頃は、学生時代の気ままな生活とは大きく異なる過ごし方に戸惑ってしまう人も少なくないようです。

警察官を辞める理由で多いものは?

警察官に強く憧れてこの職業に就いたとしても、働き続ける中で辞める人もゼロではありません。

ここでは、警察官を辞める理由として多いものを紹介します。

辞める理由1.勤務時間や拘束時間の長さ

警察官を辞める理由で多いのは、勤務のハードさや拘束時間の長さによるものです。

たとえば交番勤務の場合、数日に一度の割合で24時間勤務の「当番」をこなす必要があります。

業務時間のなかには、食事休憩の時間や仮眠の時間も設けられていますが、交番には時間帯に関係なくさまざまな人がやってくるため、満足に休憩したり、きちんと眠れないことも珍しくありません。

また、事件や事故などが発生すれば、事情聴取や調書作成などで長時間の対応に追われることになります。

結果として、当番が終わる時刻になっても帰宅できず、そのまま仕事を続けなければならないこともしばしば起こり得ます。

家族との時間が十分に取れなかったり、人との約束をなかなか守れなかったりすることが続くと、もっとプライベートの時間を大切にしたいと考えるようになり、警察官を辞めて民間企業などへの転職を選ぶ人もいます。

辞める理由2.人間関係の問題

警察官を辞める理由としてもう一つ多いのが、人間関係の問題です。

どのような職業・仕事をしていても、人間関係に悩む人は一定数います。

ただ、警察官の場合は、先にも紹介した通り上下関係が非常に厳しかったり、先輩の言うことは絶対的な雰囲気があったりして、なかなか組織になじめない人も出てきます。

上の立場の人たちからのあまりに厳しい指導に耐え切れず、嫌になって辞める人もいるのが現実です。

辞める理由3.異動がきっかけになる人も

警察官は、新任時代に配属された職場で、定年までずっと働き続けることはまずありません。

基本的には数年ごとの異動が命じられ、早ければ2年以内で異動となることもあります。

各警察官に対し異動先の希望を聞く調査のようなものは実施されていますが、その内容が確実に反映されるわけではありません。

異動をすると、日勤だけの勤務体系から24時間勤務をしなくてはならなくなることもありますし、仕事内容そのものもガラリと変わることが多いです。

この異動をきっかけに仕事にストレスを感じることになり、辞めたい気持ちが強くなる人もいます。

「警察官のつらいこと・大変なこと」のまとめ

警察官の仕事は上下関係が厳しく、また協調性が求められるため、雰囲気になじめない人にはつらさを感じることも多いです。

事件・事故と向き合っていくことに精神的ストレスや負担を感じて、仕事を辞めてしまう人もいます。

警察官の仕事に対する深い理解と強い使命感がなくては、警察官を続けるのは難しいでしょう。