警察官の勤務時間や休日、勤務体系について解説
ただし、交番勤務をする場合など、警察官の多くは24時間365日体制で交替しながら働くことが特徴的です。
この記事では、警察官の勤務時間や休日、勤務体系の特徴を説明しています。
警察官の勤務時間
警察官の勤務体系は、大きく「交替勤務制」と「毎日勤務制」の2種類に分けられます。
交番勤務など、24時間体制で業務を行う部署は交替勤務制となり、朝8時半から翌朝8時半まで連続して勤務する「当番」、当番明けの「非番」、その翌日の「公休(休み)」の3交替制で勤務することが一般的です。
当番にあたる日は、月に6日ほどは朝から夕方まで7時間45分働く「日勤」になります。
当番日の勤務時間は非常に長いですが、勤務時間内に合計8時間程度の食事時間や仮眠時間が設けられており、その間は勤務時間に含みません。
ただ、来訪者や事件・事故の対応に追われた日は、十分に休憩が取れないこともあります。
これに対し、デスクワークを主体とする警察官は毎日勤務制となり、一般的な会社員などと同じように、毎日8時30分~17時15分前後の決まった時間帯で働きます。
なお、警察官は公務員であり、どちらの勤務体系であっても勤務時間は原則として1週間につき38時間45分と定められています。
交替勤務制の場合、日勤の日を月に数回程度休みにすることで、勤務時間の合計が範囲内に収まるよう調整されます。
警察官の休日
警察官の休日は、土日祝日が休みになる場合もあれば、平日を含めた不規則な曜日になる場合もあります。
ここでは、警察官の休日の事情について紹介します。
配属先によっては休日が不規則になる
交替勤務制で働く警察官の休日は4週間に8日間と定められており、職員で交替しながら休みを取得します。
配属によって、土日休みになることもあれば、平日に不規則で休みを取ることもあります。
毎日勤務制の場合は、ほかの行政職の公務員などと同じように、原則として土日祝日が休みです。
ただ、大きな事件や事故が発生すると、勤務している職員だけでは人手が足らなくなり、休日を取得している職員にまで応援要請が入ることも珍しくありません。
警察官を目指す人は、急に休日返上となるケースもあることを覚悟しておく必要があります。
当番明けの「非番」は休日とは異なる
交番など、当番が含まれる勤務体系で働く場合、翌朝まで働いた明けの日は「非番」となります。
朝、業務が終わればそのまま帰って体を休めることができますが、非番は休み(公休)ではありません。
非番の日は、大規模な事件や災害といった有事の際に呼び出しとなる可能性があるため、常に連絡がつく状態で待機しておく必要があるのです。
もちろん、非番の日に呼び出しがないこともあるため、そういった場合は、非番の翌日の公休とあわせて、1日半ほど体を休めることができます。
休暇制度は充実
公務員である警察官には、年末年始休、年次有給休暇、結婚や出産に伴う特別休暇、介護休暇、育児休業など、さまざまな休暇制度が設けられています。
有給休暇は年内に20日間(勤務年数などにより異なります)設定されており、使わなかった分は翌年に繰り越すことができます。
こうした休暇は、基本的に個人の事情で自由に取得することができますが、実際には階級が上がれば上がるほど責任が重く、多忙になり、休暇を取得しづらい事情があるとはいわれています。
警察官の残業
警察官の業務は幅広く、道案内から交通違反の取り締まり、生活指導、署内での事務作業まで多岐にわたるため、ほかの職業と比較すると残業時間は多い部類に入るといえます。
事件や事故の処理は、報告書類の作成まで含めて基本的に担当した人間が最後まで完遂しなければならず、次のシフトの職員に引き継いだり、翌日以降あらためて対応したりするわけにはいきません。
このため、たとえば24時間勤務を終えた当直明けであっても、そのまま残業しないと帰宅できないケースもあります。
勤務時間は長くなりがちで、体力的にはハードな職場といえるでしょう。
ただし、警察組織は大きく配属先もまちまちであるため、すべての警察官が長時間残業をしているわけではありません。
よほどのことがない限り、ほぼ定時で帰宅でき、デスクワーク中心であまり体力がいらない職場もあります。
警察官の夜勤
警察官は24時間人々の安全を守る使命があるため、当直業務のなかには、夜間時間帯の勤務も含まれます。
交番勤務の場合、たとえ深夜や明け方であっても、さまざまな理由で交番に訪れる人がいいるため、来訪者に対応したり、110番通報に備えることが必要です。
もちろん夜勤中には仮眠時間も設けられており、職員が交替しながら休みますが、事件や事故などが起きて人手が足らなくなると、ほとんど睡眠時間を取れず夜通し仕事に追われることもあります。
警察官は忙しい?激務?
警察組織は大きく、さまざまな役割を持つ警察官がいます。
配属先によって、仕事の忙しさはかなり変わってくるといえます。
部門によっては非常に忙しい日々を過ごす
事件や事故は24時間365日いつでも発生する可能性があり、また誰にも予測できないため、それらの対応に追われる警察官に「暇」といえる時期はなく、年がら年中忙しいといえます。
とくに刑事課は、警察に数ある組織のなかでもきわめて多忙な部署として知られています。
ひとたび事件が発生すると、一刻も早く犯人を検挙するため、家に帰ることもままならず、数日間不眠不休で働かないといけないケースもあるようです。
また、長時間にわたって聞き込み捜査や張り込み捜査を行ったり、ときに犯人と対峙して危険に身をさらしたりと、肉体的にも精神的にも酷使される激務といえる仕事です。
落ち着いて働ける職場もある
一方、署内でデスクワークを中心に担当し、決まった時間帯で働くスタイルだと、比較的落ち着いた毎日を送りやすいです。
夜勤が含まれない職場に配属された場合には、規則正しい生活リズムになるため、平日の日中に働いて土日に休む会社員と同じようなスタイルで過ごすことができます。
ただし、一般的な警察官には数年単位での異動があるため、異動をきっかけに、勤務体系がガラリと変わる可能性は否定できません。
警察官の休日の過ごし方
警察官は、いつ何時あるかわからない呼び出しに対応するため、普段の休日は旅行などは控え、自宅やその周辺で休日を過ごすケースが一般的です。
当番明けの非番から翌日の公休にかけて、ゆっくりと長めに眠って体力の回復に努めることもあれば、映画観賞や音楽などの趣味に没頭したり、家族や友人と買い物やレジャーに出かけることもあります。
また、警察官はスポーツ好きな人が多く、柔道や剣道、野球、サッカーなどの警察内サークル、あるいは地域の団体に所属し、稽古や肉体の鍛錬に励む人も少なくありません。
仕事柄、車やバイクに触れる機会が多いため、車いじりやドライブを趣味とする警察官もいます。
なお、長期休暇時などに遠くへ旅行をすることも可能です。
しかし、その場合には申請をし、上司の許可を得るなど署内のルールに沿わなくてはなりません。
「警察官の勤務時間・休日」まとめ
警察官の勤務時間は原則として1週間につき38時間45分と定められていますが、交番勤務の場合など、24時間365日体制で交替しながら働くことが多いです。
休日は土日が休みになる場合と、平日を含めて不規則になる場合とがあります。
警察官の勤務体系は、配属先によって変わってくると考えておきましょう。