白バイ隊員になるには? 仕事内容や業務の大変さを詳しく解説
その後、警察官として一定のキャリアを積み、特別な訓練に参加した上で実力が認められると「交通機動隊」に配属され、白バイ隊員としての一歩を歩み出すことができます。
この記事では、白バイ隊員になるまでの道のりと、普段の仕事内容などを詳しく紹介しています。
白バイ隊員とは
白バイ隊員は、警察官のなかでも、白塗りのバイク「白バイ」を乗りこなし、スピード違反や駐禁などの交通違反を取り締まる専門部隊で活躍する人のことです。
白バイ隊員の主な役割は、交通指導取締りを行ってドライバーの交通安全意識の向上を図ること、そして交通事故を減らすことです。
ドライバーのなかには「少しくらいならいいだろう」と交通ルールを軽視してしまう人も残念ながら一定数いますが、ほんの些細なミス、心の油断が、取り返しのつかない大事故につながることもあります。
白バイ隊員は、こうした事故を防ぐために、日頃からパトロールや交通違反者に対する指導および事務手続きなどを行っています。
交通違反を取り締まる以外では、その機動力を生かして事件発生時の緊急配備や犯人の追跡などを行うこともあります。
加えて、一部の白バイ隊員は皇族や外国要人の警備、マラソンや駅伝の先導などの業務にも従事します。
白バイ隊員になるには
ここからは、白バイ隊員になるまでの大まかな道のりを説明します。
まずは警察官になり、白バイに乗るための訓練を受ける
白バイ隊員になる一般的なルートは、まず各都道府県の警察官採用試験を受けて警察官になることです。
試験に合格し、警察学校で所定の教育を受けた新任の警察官は、まず交番勤務から経験します。
その後、白バイ乗務希望者に対する訓練に参加して、訓練終了時の審査に合格することにより、白バイに乗務するための資格が与えられます。
なお、この訓練は誰でも自由に参加できるわけではなく、上司からの推薦状を得るなどの条件が掲げられています。
訓練を終えた警察官は、各都道府県警察の警察本部に置かれている「交通機動隊」に配属され、ようやく白バイ隊員としての一歩を歩み出します。
各都道府県県警の白バイ隊員の人数は最大でも50名程度
各警察本部における白バイ隊員の数は30名~50名程度と、決して多くはありません。
このに人数に対して、志願者の数は多いため、白バイ隊員になるには非常に厳しい競争に勝ち抜かなければならないといえます。
なお、近年では女性の白バイ隊員も増加傾向にあり、全国で100名を超える女性隊員が活躍しています。
白バイ隊員になってからも訓練は続く
新しく白バイ隊員になった人は、さらに3~4か月ほどかけて専用コースや岩場での特殊訓練を受け、白バイを扱えるようになるまで徹底的に技術の習得に励みます。
一通りの教習を終えた後は、先輩隊員とともに現場に出て、違反の見極め方や違反者への対応など実務や心構えを学びます。
取り締まりを単独でこなせる一人前の白バイ隊員になるには約3年かかるといわれています。
白バイ隊員として活躍するためには、壁にぶつかっても諦めない強い意思を持ち、運転技術や道路交通法などについての知識、とっさの判断力などを長時間かけて養っていくことが必要です。
白バイ隊員の業務の大変なこと・苦労
颯爽と大型バイクにまたがって、違反者を猛スピードで追走したり、駅伝を先導したりする姿を見て、白バイ隊員に憧れる人は少なくありません。
しかし、実際の業務は気力・体力ともに酷使するハードなもので、地道な仕事である側面も強いことを認識しておく必要があります。
たとえば、ときには日中から夜中まで110当番対応に追われ続け、1日に200キロ以上走行しないといけなかったり、事件が発生した場合は長時間におよぶ残業になったりこともあります。
真夏の炎天下や真冬の寒さのなか、あるいは豪雨のなかでも、もちろん休むことはできません。
取り締まり中に市民から厳しい言葉を投げかけられることもあり、心身ともに強さが求められます。
白バイ隊員がエリートと言われる理由は?
白バイ隊員は、警察官の中でも「エリート」と呼ばれることがしばしばあります。
その理由として、先にも挙げた通り、そもそも白バイ隊員になるには厳しい訓練や審査を受けなくてはならないことがあります。
いくら熱意があっても、白バイに乗って常に安全に、正確に運転ができないようでは、白バイ隊員になって活躍することはできないのです。
また、白バイ隊員の仕事の中でも「最高の栄誉」と言われるのが、仕事箱根駅伝での先導役です。
箱根駅伝の白バイでの先導役は、警視庁と神奈川県警の白バイ隊員の中でも極めて高度な運転技術を持ったエリート中のエリートとして認められないと、務めることができません。
「白バイ隊員になるには」のまとめ
白バイ隊員が活躍する交通機動隊は狭き門で、警察官のなかでも、選ばれた実力のある人しかなることができません。
それでも「白バイ隊員になりたい」という警察官が大勢いるのは、白バイ隊員の業務は社会的意義があり、やりがいに溢れた仕事であるからです。
将来は白バイ隊員を目指して警察官になりたいという人は、学生のうちから、厳しい訓練と業務に耐えられるだけの体力づくりに励んでおくとよいでしょう。