自衛隊の体験入隊とは? 見学はできる?
自衛隊にはさまざまなイベントがある
自衛隊では年間を通してさまざまなイベントや行事を行っています。
たとえば各駐屯地や基地の創立記念式、海上自衛隊の艦隊への乗船、また変わりどころでは夏のお祭りなどがあります。
なかでも、自衛隊の生活や訓練の様子を味わうことができる「体験入隊」というイベントは、自衛隊に興味を持つ若い人たちにとって、たいへん興味深いイベントといえるでしょう。
体験入隊の目的は?
体験入隊の目的は、防衛意識の高揚や人材募集、広報となっており、学生や社会人が「自衛隊とは何か」ということを感じることができる場となっています。
近年は、組織の一員として行動することを学ぶため、会社の教育研修で参加する人も増えているようです。
また、数日間を集団生活で過ごすことで、チームメンバー同士で協力する協調性を身につけることを目的に参加する団体もあります。
他人と数日間一緒に生活することで仲間意識も生まれますし、何かと協力しないと仕事が進まないのが自衛隊であることから、体験入隊は企業の研修にはうってつけな部分があります。
体験入隊の内容は?
体験入隊のプログラムでは、自衛官の基本的作法や敬礼、歩き方などを練習することはありますが、本当に入隊した時のように厳しく指導されるわけではありません。
レンジャー訓練におけるロープ渡り体験やテント設営なども行われていますが、難易度の高い訓練や、素人が行うと危険とされる訓練は行われません。
あくまでもちょっとした自衛隊気分を体感するものであり、本当の自衛官の生活や訓練とはだいぶかけ離れている部分もあるようです。
本気で入隊を考えているのであれば、参加することによって訓練に対して甘いイメージを持ってしまう可能性があります。
将来、自衛隊を目指している人は、その点を気を付けておくとよいかもしれません。
大学生を対象とした体験入隊プログラムや、女性専用の見学・体験ツアーなどもあるため、興味のある人は、自衛隊の広報ページをチェックするか、見学・参加を希望する駐屯地等の広報室へ問い合わせてみるとよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
体験入隊以外のイベントも
もっと気軽に自衛隊を知りたい場合には、自分が住んでる地域にある駐屯地の「創立記念式典」に行ってみるのをおすすめします。
このときはたくさんの一般の方が見学に来るので気楽に参加できますし、普段見られないいろいろなものを直接見たり触れたりすることができます。
たとえば、普段は雑誌やエアガンでしか見れない銃も、このときであれば展示されてることもあります。
日本ではなかなか生で実銃を見ることはないので、かなりレアな体験になります。
ほかにも自衛隊の缶飯(かんめし)と呼ばれる缶づめの食品や、自衛隊のデザインのカップヌードル、最新のレーションといわれるパック詰めされた食品も試食することができます。
自衛隊のこうした食品はとても美味しくできており、各国の軍隊のレーション食べ比べでは、日本の自衛隊のレーションがとてもおいしいと評判になったくらいです。
ヘリに乗れることも
ほかに展示されてるものは各駐屯地によって変わってきます。
たとえば普通科のような歩兵部隊であれば、小銃や軽装甲機動車などがメインになります。
戦車部隊であれば、目の前で戦車を見ることができますし、大砲部隊であれば大砲やミサイルが見られます。
ヘリを持ってる部隊であれば、並んでる人数など運が良ければ輸送用ヘリに乗ることができるので、こうした部隊がいる駐屯地の式典はとくに面白いでしょう。
また、地域によっては演習を一般に公開していますので、興味のある方は一度見て損はありません。
演習では実際に戦車が弾を撃ったり、ミサイルや銃を撃ったりしますのでとても迫力があります。
普段の見学も可能
事前に連絡しておくのがベター
イベント以外のときに、自衛隊を見学してみたいと思う人もいるかもしれません。
自衛隊の駐屯地は、基本的には見学が可能になっています。
当日に近所でデモや震災があったときなどはなかなか厳しいですが、普段はけっこう気楽に見学ができるようになってますし、案外一般の人を見かける機会もあります。
見学したいのであれば、地元の自衛隊の地方連絡部の人に電話をしておくほうがよいでしょう。
当日の段取りもある程度しておいてくれますし、いろいろ案内してくれます。
見学できる範囲は一部だけ
駐屯地へ行って「見学したい」と入口で話せば、名前や住所を記入すれば簡単な案内をしてくれます。
通常日であれば駐屯地内の売店や体育館などが見学できます。
日によっては駐屯地内の訓練も少しくらい見学できるかもしれません。
売店では、自衛隊ならではのお土産が売ってあります。
たとえば戦車饅頭だったり、各地域にあったお菓子などが売っていますが、自衛隊のお土産は珍しいので買って帰ると喜ばれることもあるようです。
値段も高くないので、話のネタに買っていくのもよいでしょう。
ほかにも自衛隊の帽子や迷彩服など、普段隊員が買っていくものが置いてあります。
なお、通常日に見学できる範囲はかなり絞られてしまいます。
とくにその駐屯地ならではの装備だったり、戦車やヘリなどの乗り物が見たい場合は、やはり積極的に式典などのイベントに参加するのが一番です。
あえて通常の日に見学に行くメリットとしては、隊員の日常生活の風景が見られることでしょう。