自衛隊の新人1年目は大変? 具体的に何がきつい?やめる人は多い?

自衛隊に入隊すると、最初の3か月は自衛官としての基礎を学び、その後の3か月間では専門的な訓練が行われます。

訓練は厳しいものではありますが、仲間との強い絆も生まれます。一方、1年目にきついと感じてやめてしまう人もいます。

ここでは、自衛隊の新人1年目の過ごし方や、やめる人はどんな理由を抱えているのかなどを紹介します。

自衛隊の1年目は教育・訓練が中心

自衛隊に入ると、「新隊員教育」といい、一般企業でいう新人教育のようなものを受けることになります。

ここでは、新人自衛官の1年目の様子を紹介します。

【1.最初の3か月】自衛官としての基礎を学ぶ

自衛隊に入隊したら、まず半年の新隊員教育を受けてから、それぞれの希望職種や部隊へ配属されます。

この教育は前期教育(最初の3か月)と後期教育(後半の3か月)に分かれて行われます。

最初の前期教育では、自衛官としての基本をみっちり教育されます。

敬礼や歩き方から始まり、小銃の扱い方や射撃、集団生活での過ごし方など、この3か月で身につけるものは今後の自衛隊生活の基礎になります。

そのため、教育する側も厳しく指導していきます。

また、前期教育が終わると次は職種ごとの教育になるため、この3か月の間に自分がどの職種に就きたいか考えておく必要があります。

なお、ほとんどの人は「戦車に乗りたい」とか「ヘリを操縦したい」といったように、自衛隊で何をやりたいのかを入隊の時点で考えているため、悩む人は比較的少ないようです。

【2.次の3か月】専門的な訓練を受ける

後期の3か月間は希望職種ごとの教育になり、ここからはそれぞれが違った教育を受けることになります。

希望職種に就けるかどうかは、どのような形で入隊したのかによっても変わってきます。

たとえば「陸曹候補生」のような制度で入隊した場合は、自分の希望通りの職種につきやすいでしょう。

対して、「2等陸士」で入隊した場合は、前期教育を受けた駐屯地内の部隊に配属されることが多くなります。

この場合は、よほど強く希望しない限りは、そこにある部隊の職種に配属されることになります。

後期になると、すでに自衛官としての基本は身についていますので、前期のように厳しく指導される機会は減ってきます。

専門的な技術も身につけられるため、後期では前期よりも楽しく感じることができるかもしれません。

また、教育機関では、同じ時期に入った「同期」という仲間ができます。

この同期は厳しい訓練や生活でお互いを助けてくれる素晴らしい存在になるでしょう。

新隊員教育では厳しい訓練が強い絆を作ってくれるので、それが新隊員教育をよりよい思い出にしてくれます。

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教育期間中の1日の流れ

教育期間中の1日の流れは、部隊配属後とは若干違います。

まず、起床時間は6時に起きるのは同じですが、起床ラッパが鳴ると飛び起きるようにベッドから出て着替えます。

同室には「班付(はんづき)」といって、1~2年先輩の自衛官が世話役として一緒に過ごします。

すでに自衛官としての経験がある先輩のほうが着替えもスムーズですが、もっと早く着替えるよう急かされます。

これは有事の際にすぐ準備できるように訓練する意味があるのです。

着替えが終わったら点呼(健康状態の報告)のために廊下や指定場所までダッシュで走り、全員が揃ったら点呼をします。

訓練は午前・午後とみっちりあるため、昼食をとる暇もままならないことも珍しくありません。

訓練終了後の夜は自由時間もありますが、慣れないうちは寝るまであまり落ち着かないでしょう。

ただ、こうした日々が部隊配属後に生きるため、教育期間の過ごし方は非常に大切です。

自衛隊1年目はきつい?やめる人は多い?

せっかく自衛隊に入っても、新人である1年目のうちにやめてしまう人もいるのが実情です。

ここでは、1年目の自衛官がどんな理由で離職しているのかや、1年目にきついと感じがちなことを紹介します。

1年目の離職率はどれくらい?

自衛隊での新しい生活は、それまでの学生時代に過ごしていた生活とはまったく異なるものになるでしょう。

そもそも慣れない集団生活を初めて経験する人もいますし、その生活はただ楽しいだけではなく厳しい上下関係があり、規律を守っていかなくてはなりません。

生活面の変化にとまどい、嫌になってしまったり、ついていけなくなってしまったりする人もいるのが現実です。

離職率は定かではありませんが、「任期制自衛官」として高卒で自衛官になった人、1年以内に2割弱が離職しているというデータもあります。

→参考:防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会 報告書(令和5年7月12日)

自衛官が1年目にきついと感じる理由

自衛官が新人時代にきついとよく感じることとして、以下のことが挙げられます。

  • 集団生活になじめない
  • 訓練が体力的にきつい
  • 上下関係の厳しさがストレス
  • 自由な時間をとりづらい
  • 仕事に楽しさを感じられない

大変だと感じることが多いと、自衛隊を辞めたくなってしまうのも無理はないかもしれません。

しかし、生活面の変化にしても、体力面にしても、ある程度長く過ごしていくことで慣れる部分はあります。

また、何もわからない新人時代は、どうしても教育を受ける時間が多くなります。

仕事の楽しさも感じづらいかもしれませんが、一人前になることで責任ある仕事に携わることができるようになります。

自衛官として長く働いていきたいのであれば、1年目に少しきつい・大変だと感じることがあっても、強い意思をもって乗り越えることが大事です。

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「自衛隊の新人1年目は大変?」のまとめ

自衛隊に入隊したばかりのころは、集団生活や厳しい訓練などで、なじめない人もいます。

もちろん途中でやめてしまう人もいますが、ここで得た努力や絆は、この先の自衛隊生活でも大いに生かされていきます。

仲間と協力しながら1年目の時期をしっかり乗り越えていけるかどうかが、今後自衛隊員として活躍できるかどうかのポイントとなるでしょう。