自衛隊の寮はどんな雰囲気? 残留の日の過ごし方・営内生活について紹介
寮では先輩と一緒の部屋になり、陸上自衛隊の場合大体3〜4人です。大きな訓練や演習の前後は慌ただしくなりますが、それ以外は基本的に穏やかに過ごせるようです。
陸上自衛隊には戦争や災害などの緊急事態が起きたときのために一定数の隊員を基地・駐屯地に残しておく「残留」という制度があり、多くても月に1週間ほど残留になることがあります。
ここでは自衛隊の寮の雰囲気や残留の日の過ごし方について解説していきます。
自衛隊の寮生活
- 若手自衛官や独身者は指定された場所に住む
- 寮では先輩と一緒の部屋割りとなる
- 普段の過ごし方
- 営内には娯楽施設がある
若手自衛官や独身者は指定された場所に住む
自衛官は、自衛隊法によって指定された場所に住み、生活をしなくてはなりません。
若手の自衛官は、基本的には「基地」や「駐屯地」といわれる、自衛隊の拠点となるエリア内で居住することになります。
幹部自衛官になったり、結婚することになればこの限りではありませんが、基本的に若い自衛官は基地や駐屯地で、寮生活を送ることになります。
寮では先輩と一緒の部屋割りとなる
基地や駐屯地の外を「営外」と呼ぶように、その内部は「営内(えいない)」と呼ばれています。
そして営内で暮らす隊員達の各居室は「営内班」といいます。
この営内班は、陸上自衛隊であればだいたい3~4人、多くても5人で一部屋になります。
普通は一期上(一年先輩)・二期上・三期上の先輩たちと一緒といったように、各期1人ずつで3~4人の部屋割りになります。
階級が上がる、任期満了で退官する、または新しく新隊員が入ってくるなどの理由によって部屋の人数にばらつきも出ますので、毎年春先になると新たに部屋割りが発表されます。
ただ、すべての部屋で入れ替えがあるわけでもなく、その部屋から退官する人がいなければ次の1年も同じ顔ぶれで過ごすことになることもあります。
部屋の掃除は、基本は全員ですることになっていますが、ゴミ出しは一番下の隊員の仕事と決まっています。
普段の過ごし方
大きな訓練や演習が始まれば少しバタバタした雰囲気になりますが、普段の営内は落ち着いた雰囲気です。
仕事が終わればそれぞれがトレーニングをしたり、部屋でテレビを見たりゲームをしたりして過ごしています。
テレビやゲームなどの持ち込みも、部隊に配属されてから2~3ヵ月経てば許可されます。
入浴や消灯の時間は決められているため、規則正しい生活を送ることになります。
各部屋の雰囲気に関してですが、こればかりは部屋の一番上の先輩の性格や考え方などで決まってきます。
厳しい先輩と同室になればいろいろと気を遣うこともあるでしょうし、逆に穏やかな先輩と一緒になればそれほど気を遣うことなく過ごせるでしょう。
ただ、他の部屋にも出入りはできますので、同期の部屋がのんびりとした雰囲気であれば、自然と一番下の隊員達はその部屋に集まりがちになります。
営内には娯楽施設がある
駐屯地に住む自衛官は基地外に出ることはできません。その代わり、営内には売店、食堂、喫茶店、床屋など、さまざまな施設があります。
基本的に営内で日常生活に必要なものも揃えられますし、所定の福利厚生施設であればお酒を飲むことも可能です。
自衛隊特有の寮生活に慣れるまでは少々戸惑うかもしれませんが、娯楽施設を利用しながら、オフの時間にしっかりとリフレッシュをすることは可能です。
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残留の日の過ごし方
- 残留とは?
- 休日の残留はのんびり過ごす
- いつでも動ける準備は必要
残留とは?
陸上自衛隊には「残留」という制度があります。
これは戦争や災害などの緊急事態が起きた時のために、先遣隊要員として一定数の隊員を基地・駐屯地に残しておく制度です。
営内に居住する自衛官の外出や外泊は、階級や経験、翌日の勤務状況などを考慮して基準を定めて許可されていますが、残留の日は営内に残らなくてはなりません。
残留をするのは営内に居住している若手の隊員が対象で、交代制になっています。
営内にも相当な隊員が住んでいますので、実際は自分が残留になるのは月に多くても1週間程度です。
残留には平日も含んでいますが、平日であればとくに外出もしないのでしょうから、実質は月に1〜2日ほど日に外出できないという感覚です。
休日の残留はのんびり過ごす
休日に残留となってしまった日は、外出こそできないものの基本的には仕事もなくのんびり休むことになります。
ただし、いつでも対応が取れるように基本は部屋にいなければいけません。
もし体力作りがしたい時は当直(日替わりで隊員の管理や雑務をする仕事)に一言伝える程度で大丈夫です。
ほとんどの人は駐屯地内で走っているか、もしくは部屋で本を読んだりテレビを見たりしながら1日を過ごしています。
しかし、たまに休日の残留でも仕事をする日があります。
たとえば冬に雪が降った日や、秋に落葉がたくさん落ちている日などに掃除をしたり片づけをしたりなどの雑用をしなければなりません。
ほかにも大きな訓練が前後にあると準備や片づけなどもしますが、これらはあくまで例外で基本は休日として過ごします。
いつでも動ける準備は必要
自衛隊は、何かあればいつでもすぐに対応できる準備が必要になります。
そのため、残留の日や休日でも、すぐに出動できるように各々きちんと準備しておく必要があります。
基本的な装備は決まっていますので、それらを背嚢(自衛隊のリュック)に詰めてロッカーにしまっておき、いざというときは先遣隊として動けるようにしておかなければなりません。
これら物心両面の準備さえしておけば、残留の日は外出しないでゆっくり休むという雰囲気になります。
自衛隊の寮の雰囲気のまとめ
若手自衛官は、基本的に自衛隊の拠点となるエリア内で居住し、先輩たちと一緒に3〜4人の部屋で生活を送ります。
自衛隊の寮と言っても、普段は落ち着いた雰囲気で、仕事後はトレーニングをしたり、部屋でテレビを見たりゲームをしたりするなど、一般的な職業の人と同じような過ごし方をしています。
ただし、自衛隊には、戦争や災害などの緊急事態が起きた時のために、先遣隊要員として一定数の隊員を基地・駐屯地に残しておく「残留」という制度があり、自分の当番になったときはいつでも出動できるように準備をしておく必要があります。
何もなければ、寮内でゆっくり過ごすことが可能です。
初めは慣れないことばかりで戸惑うかもしれませんが、ゆっくり休むこともできますし、営内には売店、食堂、喫茶店、床屋など、さまざまな施設があるので快適に過ごせるのではないでしょうか。