「保育ママ」制度とは?
「保育ママ」は、新しい保育のかたち
近年、「保育ママ」という言葉がよく聞かれるようになりました。
保育ママとは、日本における待機児童問題の解消などを目的に誕生した新たな保育の制度で、保育園に入園できない子を保育するしくみです。
保育ママは自治体の認定を受けており、「家庭福祉員」という名称で呼ばれることもあります。
保育ママの特徴は、一般的な保育園よりも、ずっと規模が小さな保育園の形をとることです。
具体的には、1人の保育ママが預かる子どもは0歳~3歳までの乳児3人までで(一緒に働く保育者がいる場合には最大5人まで)、保育者の家などで子どもの保育を行います。
この保育ママ制度の実施の有無は、地方自治体によって異なります。
都心部では積極的に取り入れている傾向ですが、まだ保育ママが導入されていない地域もあるのが現状です。
保育ママのしくみ
保育ママを利用したい子どもの募集は、自治体が行います。
保育ママにおける保育時間や保育料は自治体によって異なりますが、時間は大体午後6時まで、保育料の相場は1ヵ月あたり20,000円から25,000円ほどです。
時間外保育の場合、別に1時間500円ほどの費用が発生し、その他、雑費として請求がある地域もあります。
おむつやおしり拭き、おやつなどは保護者側が用意をするのが一般的です。
なかには食事を保育ママが用意するというところもありますが、ほとんどの場合が保護者側が用意をします。
保育ママになると、70,000円から85,000円くらいの補助金が支払われる地域もあり、この補助金は子どもを預かる施設の管理費などに当てられます。
保育ママになるには?
保育ママとして働くには、地方公共団体から認定されなくてはなりません。
自治体によって、なるための資格や条件は違ってきます。
多いのは、保育士・幼稚園教諭・助産師・保健師・看護師など、子どもにかかわるような資格を取得している人、または保育経験の豊富な人というケースです。
資格を取得していない人が保育ママになる場合、各区市町村が研修を行います。
研修では保育ママとして働くうえで不可欠となる専門知識などを習得して、その後認定という形になっています。
子どもを自宅で預かることから、子どもを遊ばせるためのスペースなどをきちんと整えているということも重要な条件です。
このほか、自治体によってさまざまな条件があるため、興味のある人は近くの自治体に確認してみることをおすすめします。
保育ママのメリット・デメリットは?
一人の保育ママに対し、預ることができる子どもの人数は3人までとなっています。
保育園でも、おもに子どもの年齢による保育士の配置基準は明確に定められていますが、保育ママの場合は小規模な保育を行うことから、一人ひとりの子どもに対して、よりきめこまやかな保育をしやすいという特徴があります。
また、保護者との距離も近くなりやすく、保育ママにとっては保護者と一緒になって、預かる子どもの成長を我が子のように喜ぶことができるでしょう。
ただし、自治体の認定を受けるための準備や、保育スペースの確保など、苦労をするところもあるかもしれません。
複数の保育士が在籍する保育園とは異なり、保育ママでは、基本的に自分一人で保育をしていかなくてはならない大変さもあります。
保育ママでも保育士でも、子どもを預かるという意味では責任が重く大変な仕事です。
保育ママになるには、それなりの努力や準備をしていく必要があります。