学芸員の求人・採用募集の状況

学芸員の就職先にはどんなところがある?

学芸員の就職先は広義での博物館です。

博物館というのは特定の分野に関する価値のある資料や美術品などを貯蔵して展示する施設のことを指し、具体的な施設としては「博物館」「美術館」から「水族館」「動物園」まで多岐にわたります。

現在日本にある博物館数は5,690館で(平成27年調べ)、昔に比べると圧倒的に数が増えてきています。

このような動きに伴い、博物館で雇用される学芸員数も一貫して増加しています。

文化庁が発表している学芸員数の推移の資料によると、平成5年には4000人に満たなかった学芸員数は、平成27年10月時点で7,821人まで増えているのです。

また、博物館への入館者総数は平成7年度以降ほぼ横ばいで推移しており、特に需要が減少するという傾向は見られません。

このようなことから考えると、学芸員の就職先の選択肢は昔に比べて広がっているといってもよいでしょう。

参考:文化庁 博物館数,入館者数,学芸員数の推移
学芸員の就職先・公務員として働ける?

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学芸員の求人の状況

ただし、学芸員の統計上の「数」は増加していても、採用がその分増えているかというと厳しい面があります。

学芸員は人気が高く、競争率が非常に高いことで有名です。

倍率が数十倍になることは当たり前で、人気のある水族館や有名博物館に至っては100倍から200倍近くに達することもあります。

最近では不景気や社会情勢の変化から就職に安定を求める傾向が強く、収入や雇用が保障されている公務員として働ける学芸員はさらに人気を集めているようです。

毎年数千人の学芸員資格保持者が増えている以上、その分求められる学識や人間性の競争も高くなります。

また、大学経営の予算が削られて、従来は学内にとどまっていた人材が、学芸員職を求めるという状況も出てきています。

資格を所持していたとしても高い競争率は覚悟しなくてはならないでしょう。

学芸員の就職先の選び方

目指す博物館を決める

学芸員として就職を目指すのであれば、まずは自分がどのような博物館に携わりたいかをよく考えましょう。

博物館は施設によってコンセプトやカラーが大きく異なります。

たとえば、世界中の美術品を貯蔵している美術館と、考古学に関連する資料を貯蔵している博物館と、戦争の悲惨な歴史を伝えていくための平和記念資料館では、そこで働く学芸員に求められる専門知識や企画における目的も異なってくるのです。

仕事を通じて自分が何をしたいかをよく考えることが大切です。

もちろん、この業界は採用人数が非常に少ないので、自分が希望している博物館で働けるという人は決して多くはありません。

しかし、最初から妥協するのではなく、まずは自分が好きな施設で働くことを目指して就職試験を受けるとよいでしょう。

国公立か私立の博物館かを選択

就職試験の時点で、国公立の博物館か、私立の博物館かを選ぶという選択肢をしなければいけません。

安定性を求める人や地域に根差した仕事をしたいという人の場合は、国公立の博物館の学芸員を目指して公務員試験を受けるとよいでしょう。

民間企業で自由に働きたいという人の場合は、私立の博物館を目指すとよいでしょう。

どちらを目指すにしても、採用人数は若干名であることが多いので、厳しい試験に合格しなければいけないことは間違いありません。

正規雇用の試験に合格できなかったときには、派遣社員やパート・アルバイトなどの非正規雇用の試験を目指すという道もあります。

経験を積みながら再度正規雇用の試験にチャレンジできる機会を待ちましょう。

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学芸員の志望動機・面接

学芸員の採用試験では志望動機を尋ねられます。

学生時代に専攻してきた分野と自分が就職を目指す博物館に共通点がある人は、「大学で歴史学を専攻する中で歴史の博物館で働きたいと思った」とか「美術大学で日本の絵画について学んできたので日本の作品を多く貯蔵するこちらの美術館で働きたい」というように志望動機を明確にアピールするとよいでしょう。

また、採用試験では面接も行われます。

学芸員はチームワークを大切にして仕事をしなければいけませんし、来館者やマスコミへの対応も大事な仕事の一つです。

面接では、社会性が身についていることや高いコミュニケーション能力があることを伝えるために、丁寧な言葉遣いや気持ちのよい挨拶を心がけましょう。

学芸員の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先はどのように探したらいい?

学芸員の就職先はどのように探したらよいのでしょうか。

学芸員の求人はそれなりに見られるので、求人自体は探すのはそう難しくありません。

公募やウェブ上の求人サイトやハローワーク、求人雑誌など通常の手段で探していけば、ある程度出てきます。

ただしその内容は学芸員と書いてあっても事実上、インストラクター、事務職員、庶務係といったこともあり、また雇用形態が契約社員、嘱託、派遣、雇用期間のある管理指導者、といったものも多いので注意が必要です。

私立の博物館の場合、各企業の博物館のHPや就職サイトなどに求人が出ることが多いようです。

国公立の博物館の場合は、公務員としての採用になるので、公務員の他の職種と同時に試験概要や待遇などについて告知があります。

新卒採用だけではなくて中途採用、キャリア採用などを行っているところもあるので、就職を希望する人は積極的に問い合わせるとよいでしょう。

採用の人数は若干名と非常に少なくなっているので、早々に一社だけに絞って就職活動を行うのはリスクが高いといわれています。

第一希望の博物館への就職に向けて努力をしながらも、希望の条件に合うと思うところをいくつかピックアップして情報収集をしておくことが大切です。