考古学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





考古学の概要・理念

古代の遺物や遺跡を研究し、当時の生活や文化について解明していくのが考古学です。

古い時代のため文字情報が残されていなかったり、残されていても解読不能だったりすることはめずらしくないため、地中から発掘された道具や食べ物の残骸といった「物」が研究対象となります。

そのため、書物などの資料は基本的に十分揃っていないことがほとんどで、座学だけでなくフィールドワークによる調査を行う機会が多いのも考古学の特徴の1つです。

限られた手がかりをつなぎ合わせ、当時の暮らしの全体像を想像するわけですから、数少ない手がかりを無駄にしない分析力や観察力が必要とされる分野と言えます。

近年は調査機材の発達により、従来のような「手で発掘して研究室に持ち帰り、目視で観察する」といった手法以外の新たな調査手法も台頭しています。

発掘調査済みの遺跡を最新機材で調査した結果、新たな事実が判明する場合もあります。

このように、考古学はまだまだ未解明な謎が多く残されている学問分野であり、古代に思いを馳せるロマンを感じられる学問と言えるでしょう。

考古学で学ぶこと

考古学を研究する上で重要になるのが、歴史に関する基礎的な知識です。

日本史や西洋史、東洋史を学ぶことで、知識を整理していきます。

さらに、考古学を学ぶ上で知っておくべき基礎的な知識や技能について学ぶ考古学概論などの授業を1・2年次に受講し、発掘調査や史料分析に必要な技術について学びます。

3年次以降は発掘調査を含むフィールドワークが実施され、実際の発掘調査に加わって遺跡の調査にあたります。

数日〜2週間程度の合宿を実施し、発掘調査にあたる大学もあります。

また、発掘された遺物を適切に保管することも、考古学においては重要な意味を持ちます。

こうして学んできたことの中から自分がとくに興味のある研究対象を見つけ、卒業論文にまとめます。

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考古学の大学での授業科目の例

日本史・西洋史・東洋史

考古学を研究する上で必要とされる各時代での主な出来事や文化の背景について学び、基礎的な知識を習得します。

古文書実習

遺跡から発掘された古文書を読み解くために必要な技能や知識について学び、考古学研究の手法を身につけます。

保存科学

発掘された貴重な遺物を適切に保存し、経年変化や劣化を防ぐための科学的な知識について学びます。

博物館学

資料の組織化、保存方法、展示方法をはじめ、博物館の運営管理といった実務全般について学びます。

考古学のレポート・テーマの例

考古学のレポートでは、実際の遺跡や遺物を調査した結果を報告します。

特定の時代や地域、出土した遺物について焦点を絞ってテーマを設定し、詳しく調査・分析した結果をまとめます。

  • ・弥生時代の土器製塩について
  • ・中部山地における石棒祭祀について
  • ・縄文時代のかごの研究
  • ・古墳時代箱式石棺に関する一考察
  • ・縄文時代における骨角製ヘアピンの研究

考古学と関連する学問

考古学と関連する学問には、文化人類学や自然人類学、文化財学といった分野があります。

文化人類学も考古学と同様にフィールドワークを実施しますが、考古学が古代の遺跡などを研究対象とするのに対して、文化人類学は現在そこで暮らす人々を研究対象としている点が大きな相違点です。

文化財学は遺物や遺跡といった文化財を適切に分析・保存する方法を軸とする学問ですので、考古学と重複する点も多く、密接な関わりのある学問と言えます。

考古学を学んで就職に有利な業界・仕事

考古学を学んで得た知識や技能を活かせる仕事としては、学芸員や大学教員、研究者が挙げられます。

博物館の学芸員であれば、資料の収集や保管、展示方法に関する知識をフルに活用することができるでしょう。

他にも、歴史や文化財に関する本を刊行している出版社編集者として入社する場合も、考古学の知識を活かせるはずです。

公務員の仕事の中にも、地域の遺跡の発掘や調査が含まれている場合がありますので、フィールドワークで学んだことを活用できるでしょう。

考古学の知識は人生でどう役立つ?

遺跡調査をする場合、手がかりとなる遺物がどこから発掘されるか分からない状態が続きます。

作業には慎重さが求められますので、非常に地道な作業を粘り強く続ける忍耐力が求められます。

また、発掘調査は一人で進めるものではなく、調査チームを編成して実施することになります。

チーム内での役割に責任を持ち、協力して進める必要がありますので、チームワークを必要とする場面では、フィールドワークの経験は大いに役立つでしょう。

考古学は一般的には文系に分類される学問ですが、発掘調査や分析においては遺物がいつの時代のものかを知るための炭素測定が必要になるなど、理系の知識も必要になります。

文系・理系を問わず、幅広い見識を身につけることができる学問ですので、得た知識やスキルを多方面で発揮し役立てることができるはずです。

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