キャビンアテンダントは和製英語?
キャビンアテンダント(CA・客室乗務員)は、「スチュワーデス」と呼ばれていた時代もあります。
現在はキャビンアテンダント、CAなどと呼ぶのが一般的ですが、英語圏でも通じる単語なのか疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
本記事では、「キャビンアテンダント」という呼称の由来や航空会社による違いなどを紹介します。
キャビンアテンダントは正確な英語ではない
日本では客室乗務員のことを「キャビンアテンダント」(Cabin Attendant)と呼ぶのが一般的になってきていますが、これは和製英語です。英語としては自然なものではありません。
英語では「フライトアテンダント」(Flight Attendant)や「キャビンクルー」(Cabin Crew)と言うのが一般的です。
キャビンアテンダントという呼称も通じないわけではありませんが、海外で客室乗務員を呼ぶ場合は、フライトアテンダント、またはキャビンクルーと呼ぶ方が丁寧です。
なお、日本語では「客室乗務員」と訳すのが一般的です。
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キャビンアテンダントという言葉が生まれた背景
キャビンアテンダントという言葉をはじめて使ったのはJALで、1960年代ごろから使われ始めるようになりました。
1970年代ごろにキャビンアテンダントを主役としたドラマが流行し、キャビンアテンダント・CAという言葉が世間に浸透したと言われています。
当時はまだ「スチュワーデス」「スチュワード」という言葉が一般的でしたが、時代の変遷とともに、男女の差別なく使えるキャビンアテンダントという呼称が使われるようになりました。
また、同時期にアメリカではポリティカル・コレクトネスの影響を受け「フライトアテンダント」(Flight Attendant)、英語圏では「キャビンクルー」(Cabin Crew)を使うようになりました。
この違いとして、「アテンダント」には「人のために何かをする仕事」といったニュアンスがあるため、日本では単純に「チームの中の一員」を意味する「クルー」よりも「アテンダント」が好まれたという背景があるようです。
現在でもさまざまな呼称が
JALやANAでは「アテンダント」や「キャビンアテンダント」といった呼ばれ方がなされていますが、JALエクスプレスでは客室乗務員のことをよりカジュアルに「スカイキャスト」と呼ぶなど、航空会社によって呼称はまちまちです。
外資系航空会社では、各社で客室乗務員の呼称が決まっているため「キャビンクルー」という呼称を使っている会社の試験で「キャビンアテンダント」という言葉を使ってはいけません。
自分の志望する企業ではどのような呼称を使っているのかはしっかりチェックしておく必要があるでしょう。
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「Airlines」と「Airways」の違い
自社のことを英語で呼ぶ場合、JALは「Airlines」、ANAは「Airways」という言葉を使用しています。
この違いは、どの国から影響を受けたかの違いによるものです。
JALをはじめ、アメリカの影響を強く受けている航空会社の多くは、自社名にAirlinesをつけています。
JALは国際線の進出に当たり、ユナイテッド航空の影響を大きく受けたため、JAL系の企業では航空英語は米語が中心とです。
一方、ANAなどイギリスの影響を受けている航空会社はAirwaysを使っています。
これはANAがイギリス社製の飛行機を使用し、国際線の進出に当たってイギリス系の航空会社・キャセイ航空に影響を受けたためです。
キャビンアテンダントは和製英語? のまとめ
「キャビンアテンダント」(Cabin Attendant)は和製英語で、英語圏では一般に「フライトアテンダント」(Flight Attendant)や「キャビンクルー」(Cabin Crew)という呼称が使われます。
時代の移り変わりとともに、男女問わず使用できるキャビンアテンダントという言葉が浸透していきました。
実は航空各社でもさまざまな呼称があり、採用試験の際はうっかり間違えないよう注意が必要です。