音楽家の引退後

音楽家の引退とは?

個人で活動する音楽家の場合、一般的に、会社員のような「定年」という考え方がありません。

技術があって自分が望む限り、そして社会的に認められる限り、いくつになっても音楽家として活動していくことは可能です。

よくスポーツ選手が体力の衰えによって満足いくプレーができなくなり、自分自身で引退を表明することがありますが、音楽家の場合、それとも少し異なるといえるでしょう。

ただし、専門分野によっては、比較的早くに引退を決意せざるを得ないケースもあります。

たとえば、声楽家は、音楽家のなかでも最も早く寿命を迎えやすい分野かもしれません。

なぜなら、声楽家は自分自身の身体そのものが商売道具。加齢によって声が出なくなったり、長時間歌い続けることが体力的に厳しくなれば、第一線を退かざるを得ないでしょう。

ピアニストやヴァイオリニストなども、身体を存分に使って楽器を演奏しますが、体力があって頭がしゃんとしていれば80歳や90歳でも演奏することは可能です。

だいぶ個人差があるといえるでしょう。

なお、オーケストラでは、定年として60歳程度で退団となるケースが一般的なようです。一定の年齢に達した人が退団し、定期的に新しい人材を採用することは、若手音楽家を育成する機会にもなっています。

引退後の生活は?

音楽家のなかでも、指揮者や作曲家は、一生現役であり続ける人も少なくありません。一流作曲家の場合、最後の作品は「未完」になることが多く、後世にまで大切に受け継がれていきます。

なお、もともと音楽家になる人は、音楽を「自分の人生そのもの」と考えることが多いです。そのため、たいていは音楽家として第一線を退いた場合でも、何かしらの形で音楽と関わり続けるようです。

たとえば、近所の子どもが集まる小さな音楽教室を開いたり、ボランティアで演奏を行ったり、負担の少ない楽器に挑戦してみたり…と、引退後は人によってさまざまな生活を送っています。