「コンサートスタッフ」とは

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コンサートやライブ会場で設営や運営全般に携わり、出演者と一体となって場を作り上げる。

コンサートやライブをはじめとするステージの準備と運営を行うコンサートスタッフは、PAエンジニア、照明エンジニア、映像エンジニア、ローディー、設営・受付・警備スタッフなどで構成されています。

コンサートスタッフになるには資格や免許は必要ありませんが、大半は専門学校などで各分野の技術や基礎知識を身に付けてから就職。

最初は先輩スタッフに仕事の仕方を教わりながら勤務しますが、一人立ちまでには数年かかる人もいます。

給料は、エンジニアの場合は年収300〜1000万円、ローディーの平均月給はベテランになると50万ほど、設営、受付、警備スタッフの場合は時給800〜1200円ほどでしょう。

2001年以降、ライブ公演数、ライブ入場者数は右肩上がりに増えていることから、コンサートスタッフのニーズは今後ますます増えていくことが予想されます。

「コンサートスタッフ」の仕事紹介

コンサートスタッフの仕事内容

コンサートやライブ会場の準備や運営を担当する

コンサートスタッフは、コンサートやライブなどのステージの準備と運営を行う仕事です。

コンサートスタッフの種類は担当業務ごとに複数に分けることができ、たとえば音量や音質を調整する「PAエンジニア」、照明を操作する「照明エンジニア」、映像を操作する「映像エンジニア」、楽器や機材の運搬を行う「ローディー」、さらに「設営」「受付」「警備スタッフ」などがあります。

それぞれの役割を担う人たちが制作会社やプロダクション、派遣会社から派遣され、自分の専門とする仕事をこなしながら、出演者と一体になって感動のステージを作り上げます。

コンサートスタッフの就職先・活躍の場

コンサート会場で働く時間も長くなる

コンサートスタッフのおもな就職先は、イベント制作会社やプロダクション、広告代理店、レコード会社などとなります。

正社員のスタッフであれば、オフィスでコンサートの企画・準備のために内勤をすることもありますが、実際にコンサート会場の現場で動く時間も長くなることが特徴です。

そのため、日によって働く場所が変わるというのも珍しくなく、人によっては日本全国あちこちを動き回ることもあるでしょう。

なお、受付や設営などを行うスタッフは、派遣会社に登録したうえで現場ごとに派遣されて働く人も多くいます。

コンサートスタッフの1日

職種や現場によって毎回動き方は異なる

コンサートスタッフの仕事では、職種や担当業務、イベントの内容などによって、仕事の進め方が毎回変わるといっても過言ではありません。

ここでは、PAエンジニアとして働くスタッフの、あるコンサート当日の日の流れを紹介します。


07:00 起床
早めに起きてしっかりとコンディションを整えます。

11:00 会場入り
リハーサルに先駆け、音響機材やコンピュータを立ち上げ、セッティングに問題がないかどうかを確認。

12:00 打ち合わせ
ディレクターや他のコンサートスタッフも交えて、変更点や注意点を確認し合います。

13:00 リハーサル
本番さながらの通しのリハーサルをメインに行います。

16:30 休憩
軽めの食事を取り、段取りの確認をします。

18:00 開場
観客が続々と開場に入ってきます。その熱気は舞台裏にまで伝わり、緊張感が高まります。

19:00 開演
リハーサル通りの音作りを目標に、本番に臨みます。臨機応変に調整を繰り返しながらコンサートを支えます。

22:00 反省会
本番終了後、スタッフが集合し、翌日の公演をより良いものにするため、公演での反省点や改善点を話し合います。

23:00 打ち上げ
アーティストやスタッフとともに食事会に参加。

02:00 就寝
寝不足にならないよう、睡眠時間を確保しつつ眠りにつきます。

コンサートスタッフになるには

熱意や意欲があれば誰でもコンサートスタッフを目指せる

コンサートスタッフになるために、学歴や性別、年齢などが問われることはほとんどありません。

担当業務によっては重い機材を持ち運ぶなどの理由から、体力や腕力がある人が求められることがありますが、熱意や意欲のほうが重視されます。

どのような学校を出ている人でもコンサートスタッフとして就職できる可能性がありますが、音楽や芸術、工学系の専門学校を卒業すると、即戦力としてイベント制作会社などへの就職が有利になることがあります。

コンサートスタッフの学校・学費

専門学校や大学で学んでいる人も多い

コンサートスタッフのなかでも、大手の放送局や広告代理店、レコード会社への就職を望む人は、大学卒が採用条件になっていることが多いため、大学で学ぶのがおすすめです。

ステージエンジニア全般を目指す場合は、工学系大学の電子工学科、情報通信工学科などが挙げられます。

大手企業以外の制作会社やプロダクションに就職する場合、学歴はあまり問われませんが、音楽系専門学校や芸術系専門学校のエンジニアコースなどで、各職種に関連する知識・技術を習得していると、就職時に有利になることがあります。

コンサートスタッフの資格・試験の難易度

特別な資格は必要なし

コンサートスタッフとして働くうえで、資格はとくに必要ありません。

資格よりも、イベント運営のための専門的な知識や技術、経験、コミュニケーション能力などが重視される傾向にあります。

とくに映像、照明、音響などの各エンジニアとして働きたい場合には、就職前から各職種に対する専門的な勉強をして基礎的なスキルを身につけておくとよいでしょう。

実務に必要な知識・技術は、就職してからコンサート現場で身につけていくことができます。

コンサートスタッフの給料・年収

職種や経験によって年収には開きが出る

コンサートスタッフの給料は、職種によっても変わってくるようです。

音響エンジニア、照明エンジニア、映像エンジニアなど、舞台演出にかかわるステージエンジニアは専門の知識や経験を持つ技術職であるため、給与水準はやや高めとなっています。

一方、設営、受付、警備スタッフはイベント関連の派遣会社から派遣される人やアルバイトも多く、時給900円前後からのスタートとなるでしょう。

職種によっては、経験を積んでベテランスタッフになれば、高い年収を望むことも可能です。

コンサートスタッフのやりがい、楽しさ

仲間と協力して、コンサートを成功へと導けること

コンサートスタッフにはいろいろな仕事がありますが、いずれにも共通するのは、「大勢のスタッフが力を合わせ、ひとつの大きなイベントを成功させるために動く」ということです。

コンサートはものによっては、何百人という人数のスタッフが関わることもあります。

人気のコンサートやイベントに観客としてではなく、運営側の一人として関わることができ、その裏側を覗き見ることができたり、お客さまが喜んでいる姿を見られることは、この仕事をしている大きなやりがいや喜びとなります。

コンサートスタッフのつらいこと、大変なこと

長時間労働になったり、体力勝負の一面もある

コンサートスタッフの仕事の大変なことのひとつは、立ちっぱなしや座りっぱなしになったり、長時間勤務が多かったりするなど、体力面への負担が大きくなりがちなことです。

また、公演の内容によって出勤・退勤時間が変わることもありますし、毎回違う現場へ出向かなくてはならないといったこともあります。

さらに、多くのスタッフが「1公演ごとにいくら」という契約制で働いているため、労働時間が長くなるほど実質の給料は安くなってしまうというジレンマに悩まされる人もいるようです。

コンサートスタッフに向いている人・適性

裏方として人を楽しませることができる人

コンサートスタッフに向いているのは、音楽や演劇、イベントなどエンターテインメント全般に興味がある人です。

また、それらをただ観客として楽しむだけではなく、自分がその場を演出・運営する立場となり、裏方としてイベントを盛り上げていくことを楽しめる人に向いています。

たくさんの仲間と協力して、大きなイベント事を成功させるためにコツコツと動けるようなタイプの人であれば、コンサートスタッフの適性があるといえるでしょう。

コンサートスタッフ志望動機・目指すきっかけ

エンターテインメントを通じて、人に感動を与えたい

コンサートスタッフの志望動機としてよくあるものは、「人に感動を与える仕事にかかわりたい」「音楽やエンターテインメントを通して多くの人とコミュニケーションをとりたい」といったものです。

自分自身がコンサートを楽しむことが好きで、そのような感動の場を作り上げていくことに携わりたいという思いが、志望動機につながっている例が多いようです。

この仕事はあくまでも「裏方」の役割となるため、志望動機でもそうした点に前向きであることを表現するとよいでしょう。

コンサートスタッフの雇用形態・働き方

雇用形態も働き方も多種多様

コンサートスタッフにはさまざまな勤務先や雇用形態があり、職種やキャリアによっても働き方には違いが生じます。

アーティスト専属スタッフとしてコンサートツアーに同行する人もいれば、プロダクションに契約社員などの形で所属する演出系エンジニアのスタッフもいます。

また、会場の設営を行うスタッフ、受付や警備を行うスタッフは、イベント制作会社の正社員もいますが、イベント系の人材派遣会社に登録をして働くアルバイトなども目立ちます。

コンサートスタッフの勤務時間・休日・生活

不規則な生活スタイルになることも

コンサートスタッフの勤務時間は、催されるライブやコンサート、舞台などのスケジュールや内容により異なります。

有名アーティストのコンサートだと18時開場、19時開演ということが多いですが、リハーサルの長さはアーティストによりまちまちであり、会場入りの時間や勤務時間も一定していません。

公演の前日までに行われる舞台セットの設営にかかわるスタッフ、プレリハーサルにかかわるステージエンジニアなどは、日によって勤務時間が長くなることも多々あります。

休日は、一部の正社員を除くと、基本的に曜日に関係なく、仕事が入らない日に不規則にとることが多くなるでしょう。

コンサートスタッフの求人・就職状況・需要

職種によって就職しやすさは異なる

コンサートスタッフは、職種によって就職の難易度がやや変わります。

受付や設営、警備を行うスタッフは、イベント制作会社などで勤務する人が多く、正社員だけでなく派遣やアルバイトとして働く人も多数います。

場合によってはアシスタントからのスタートとなりますが、働き口を見つけるのはさほど難しくないでしょう。

一方、舞台演出に関わるエンジニア系の仕事やローディーなどはもともとの需要があまり大きくなく、採用数もあまり多くありません。

即戦力が求められやすく、経験者の中途採用を行うことが多いため、新卒者が採用されることは難しいといえるでしょう。

コンサートスタッフの転職状況・未経験採用

職種によっては未経験でもスムーズに転職可能

音響、照明、映像を扱うステージエンジニアは経験が物をいう技術職であるため、同業種からの転職は比較的スムーズです。

ただし、未経験からの転職は、とくに正社員を目指す場合には極めて難しいと考えておいたほうがよいでしょう。

設営、受付、警備などの職種はイベント系の派遣会社に登録している人の中から担当者が適任者を選び、単発で派遣される形になります。

前職が何であれ登録することは可能ですが、担当者に選ばれない限り仕事を受けることはできません。

設営や警備には体力、受付には元気さが欠かせないため、若い人の方が優遇される傾向にあります。

コンサートスタッフの現状と将来性・今後の見通し

ニーズは大きいが、自分のキャリアをよく考えておくことが重要

コンサートスタッフは、日々日本全国のあちこちで行われているライブやコンサートの質を高め、円滑に運営するために不可欠な存在です。

ライブやコンサートの人気は衰えておらず、その場を支えるスタッフのニーズはますます増えるともいわれます。

しかし、この仕事は体力を要し、若者向けの職業となっている面があるため、自身のキャリアパスについては早くから考えておいたほうがよいでしょう。

コンサートスタッフの経験を足がかりに、音響プランナーやステージディレクターなど、上位の職種へキャリアアップしていく道もあります。