航海士(海技士)試験の難易度、合格率

海技士国家試験の概要

海技士国家試験の種類は、航海・通信・機関・電子通信の4種類となっており、下記のように資格が分かれています。

階級は6段階設けられ、数字が小さい程難易度が高くなります。

海技士(航海)

・一級〜六級海技士(航海)試験
・船橋当直三級海技士(航海)試験

海技士(機関)

・一級〜六級海技士(機関)試験
・機関当直三級海技士(機関)試験
・内燃機関二級〜六級海技士(機関)試験

海技士(通信)

・一級〜三級海技士(通信)試験

海技士(電子通信)

・一級〜四級海技士(電子通信)試験

3級もしくは4級を受験するためには、商船大学もしくは海上技術短期大学などの卒業資格と同時に一定の乗船実習を終えている必要があります。

1級もしくは2級を受験するには階級に応じた乗船履歴が必要になります。

乗船履歴とは、一般企業で言うところの勤務履歴と同じようなものとして考えると分かりやすいのではないでしょうか。

乗船した船の総トン数と乗船年数によって乗船履歴は評価され、受験できる海技士免状の階級が変わります

国土交通省 大型船舶を運航するためには

ただし、海技士(通信)と海技士(電子通信)については、学科試験は記述試験のみ行われます。

また、6級の海技士(航海)、海技士(機関)および内燃料機関6級海技士(機関)については筆記試験と口述試験の片方のみの受験でよいとされています。

海技士国家試験の難易度と試験対策

海技試験の難易度は、試験科目によって大きく異なります。基本的には級が上がるごとに難易度が上がり、合格率も落ちていきます。

試験を受ける運輸局によって合格率は若干異なりますが、平成23年度の近畿運輸局を例にあげると合格率は下記のようになっています。

航海

・一級:15.8%
・二級:17.8%
・三級:31.3%
・四級:81.4%
・五級:71.4%
・六級:68.0%

機関

・一級:29.4%
・二級:26.8%
・三級:44.1%
・四級:76.1%
・五級:81.3%
・六級:72.7%

海技士国家試験の難易度と試験対策

海技士国家試験は階級が上がるにつれ難易度もあがる傾向にありますが、受験生がその難易度に深刻に悩まされるのは3級あたりからといえます。

筆記試験対策としては過去問を三年間分じっくり取り組むことで対応できますが、それでも合格率は3〜4割程度になります。

最難関となる1級については、6年間分の過去問を完璧に解けるようにし、なおかつ口述試験対策も怠ってはいけません。

この1級における口述試験対策は受験生の悩みの種であり、試験官によって質疑内容が大きく変わることと出題される内容が受験生の乗船経験によって異なることが理由に挙げられます。

教科書から学べることは一通りこなし、実際の現場となる乗船中にどれだけの問題に対処できてきたかが問われることになります。

大卒からスタートする場合は筆記試験にウエイトがある3級を受験することができます。

しかし2級になると、航海士としていかに実践を積んできたのかを重視する傾向があるため、教科書通りに応答する受験生は合格することが難しいでしょう。

身体検査など

試験には身体検査もありますが、一般的な運動能力や体力があれば問題ないでしょう。

そのほか、視力(矯正視力で0.6以上)、弁色力(色を正しく認識する力)、聴力、眼疾患の有無、疾病の有無が検査対象になりますので、心配な方は事前に問い合わせておくとよいでしょう。

なお、海技試験においては「てんかん」は身体検査不合格の理由になりませんが、船員として勤務するする場合、船員法において勤務できない病気となっていますので注意が必要です。