獣医師の独立開業

臨床獣医師は独立する人も多い

獣医師の就職先は、動物病院や製薬会社や食品会社といった民間企業、あるいは公務員になるなど、さまざまな選択肢があります。

そのうち、最も多いのは動物病院で小動物の臨床にあたる獣医師ですが、この場合、将来的には独立し、自分で動物病院を開業するというケースも珍しくありません。

動物病院の獣医師は非常に忙しく、急患対応や夜間の手術などで帰宅できるのは日が変わってから、また、ほとんど寝る時間がないまま翌朝出勤といった毎日を送る人も多いです。

では、その分大きな収入が得られるかというと、そうとも限りません。

給料は一般的なサラリーマンよりも少々良い程度で、「年収何千万」といった大きな収入を得ているのは、ほとんどの場合、開業して成功している獣医師といわれています。

こういった待遇面の事情や、自分が理想とする診療を行いたいということから、経験を積んで独立開業を目指す人が多いようです。

独立開業の際に考えるべきこと

ただし、開業した獣医師全員が成功できるとは限りません。むしろ、開業してからのほうが忙しくなったり、精神的に苦労するということもあるようです。

獣医師は専門知識や技能が求められる仕事だからこそ、独立開業に踏み切るまでには、「自分一人でやれる」と自信を持てるだけの経験を積むことが必要です。

そして、お金の問題もあります。獣医師は決して、腕一本だけでできる仕事ではないのです。

物件を借りて病院を開くには物件取得費や家賃が必要ですし、治療や手術に使用する医療器具も揃えなくてはならないため、初期投資としてまとまった資金を用意しておく必要があります。

動物看護師などのスタッフを雇うとなれば、人件費のことも考えておかなければなりません。

また、開業しても患者さんが少なければ、赤字経営になって廃業に追い込まれる可能性もあります。動物病院のニーズが高まっている現代は、1つの街に複数の動物病院が存在する地域も珍しくありません。

競争も厳しくなっているため、他の病院とは一線を画したサービスやホスピタリティ、また確かな診療方針などを打ち出していく努力も不可欠です。

個人経営の動物病院の場合、地域に密着したスタイルが基本となります。

そこで長く活躍していくためには、獣医師としての腕を磨き続けると同時に、動物や飼い主に愛され、信頼される豊かな人間性が求められるのです。