財務専門官の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

財務専門官の平均年収・給料の統計データ

財務専門官は国家公務員なので給料をはじめ、諸手当や福利厚生も法律でしっかり定められています。

等級による給料も明確になっているため、キャリアアップによる年収も明確で将来設計もしやすく、安心して働ける環境が整っているのは財務専門官の魅力といえます。

財務専門官の平均年収・月収・ボーナス

給料は「一般職の職員の給与に関する法律(給与法)」によって定められており、その中で財務専門官の給料は「行政職俸給表(一)」が適用されます。

なお俸給とは一般的にいう「基本給」のことを指しており、それに諸手当がプラスされた合計が給与になります。

月収は1~10級まである職務の級などにより変わりますが、入局当初は20万円前後、8~10級になれば50~60万円前後の月収になり、ボーナス(期末手当・勤勉手当)は1年間に俸給などの約4.5カ月分が支給されます。

参考:人事院 行政職俸給表

なお、財務専門官としての給与平均は公表されていません。

しかし「平成31年 国家公務員給与等実態調査」では財務専門官が分類される行政職俸給表(一)の給与平均が公表されており、それによると給与平均は約41万円です。

参考:人事院 平成31年国家公務員給与等実態調査

その月収の12カ月分に加え、ボーナス4.5カ月分(184.5万円)を合計すると、年収は約676万円となり、あくまでも参考年収ですが、財務専門官の平均年収もそれに近い金額となると推測されます。

財務専門官の初任給はどれくらい?

財務専門官の初任給は採用される財務局によって金額が変わります。

民間賃金の高い地域に勤務する場合、地域手当が支給されるためです。

地域手当は(俸給+俸給の特別調整額+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)の月額×支給割合で決まり、一番割合の高いのが1級地にあたる東京都特別区で支給割合は給与の20%で、一番低いのが7級地(札幌市、前橋市など)の3%です。
参考:人事院 国家公務員の諸手当の概要

参考までに都市圏と地方にある財務局の初任給を紹介すると、東京都特別区の財務局の場合は218,640円、四国財務局(地域手当の支給割合6%)の場合は193,132円です。

参考:財務省財務局 財務専門官の採用案内

参考:四国財務局 就活ガイダンス

財務専門官の福利厚生の特徴は?

財務専門官は国家公務員なので福利厚生は充実しているといえます。

期末手当や通勤費、超過勤務手当や保険関係などが整っているだけでなく、ほかにもさまざまな手当や制度があります。

生活補助的な手当

■扶養手当
扶養親族のある職員に対する手当で、配偶者の場合は最高で月6,500円支給されます。

■住居手当
借家に居住する職員および単身赴任手当受給者であって配偶者などが借家に居住する職員に対する手当で、最高で月28,000円支給されます。

■広域異動手当
広域的な異動を行った職員に対する手当で、(俸給+俸給の特別調整額+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)の月額×支給割合(300km以上の場合は10%、60km以上300km未満の場合は5%)が3年間支給されます。

■寒冷地手当
寒冷地に勤務する職員に対する手当で、最高で月26,380円(旭川市、帯広市の場合)支給されます。

仕事と家庭の両立支援に関する制度

■妊娠中
通勤ラッシュを避ける時差通勤制度や妊産婦検診のための職務専念義務免除の制度。

■出産後
出産に関わる入退院の付添いができる配偶者出産休暇や育児参加休暇。

■子育て期間中
育児短時間勤務、保育時間、早出遅出勤務、超過勤務制限など。

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財務専門官の給料・年収の特徴

国家公務員という安定が魅力

給料の面でいえば、なんといっても国家公務員という安定さは最大の魅力です。

民間企業の場合は世の中が不況であったり、会社の利益が低ければ昇給しないときもありますし、給与減額やボーナスのカットもあります。

しかし財務専門官の場合は勤続年数や年齢、ポジションに応じて給料は確実に上がっていきます。

東日本大震災の復興財源を確保するため、国家公務員の給与を平均7.8%引き下げる特例措置が2012年度から2年間講じられましたが、基本的にはどんなに不況になっても安定した生活は送れるでしょう。

ライフプランが立てやすい

給料の面では非常に安定しているほか、職務の級や号俸といった等級によって俸給(基本給)は明確化され、手当などの福利厚生も詳細に決まっています。

そのため数年後の目安が立てやすい上に、リストラなどの心配もなく将来を見据えて安心して働けるのはメリットといえます。

当然、等級を上げるための努力は必要ですが、財務専門官は成長意欲がなければ務まらないため、一生続ける気持ちがあれば自然と給料もアップしていくと考えられます。

財務専門官が収入を上げるためには?

収入を上げるために必要なのは単純で、職務の級や号俸といった一般的にいう「等級」を上げ、「係長」「課長補佐級」「課長」「部長や財務事務所長」というようにキャリアアップしていくことです。

入局当初は「係員」として配属され、最低でも8~9年幅広い実務を経験しながら、各種研修や海外留学などを行います。

最初のキャリアアップとなるのは「係長」ですが、基本給にあたる俸給だけ比べても入局当初と同じ25号俸でも約10万円はアップします。

財務専門官は自分の努力次第で確実にキャリアも給料もアップするため、モチベーションを保つための要因にもなるのではないでしょうか。