養護教諭(保健室の先生)採用試験の難易度・合格率・倍率

公立学校の養護教諭になるには、まず「養護教諭免許状」を取得し、そのうえで各自治体が実施する教員採用試験に合格し、採用される必要があります。

養護教諭は自治体によっては採用人数が少ないため、高倍率になりやすいです。

ここでは、養護教諭の採用試験の難易度や合格率、倍率について詳しく解説します。

養護教諭採用までの流れ

公立学校の養護教諭として働くには、まず大学などの養護教諭採用課程で所定の科目を修得し、養護教諭免許状(1種、2種、専修のいずれか)を取得する必要があります。

そのうえで、自治体ごとに実施される教員採用試験を受験し、合格後、採用されることで養護教諭として働けるようになります。

採用された養護教諭は自治体内の各公立学校へ配置され、数年単位で異動をしながらキャリアを積んでいきます。

なお、私立学校の養護教諭として働きたい場合には、各学校が独自に実施する教員採用試験を受験し、採用される必要があります。

養護教諭(保健室の先生)になるには

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養護教諭採用試験の受験資格

公立学校で働く養護教諭の採用試験は、都道府県を中心とする自治体ごとに行われています。

受験資格は自治体によって異なりますが、基本的に、一般選考に応募する際には「養護教諭普通免許状」が必要になります(ただし、「1種」「2種」などの免許状の種類は問われません)。

また、多くの自治体で「特例選考」を実施しており、国公立学校などでの臨時的任用教員の経験者や、社会人経験者などは一般選考とは別の枠で応募することが可能です。

特例選考の有無や応募資格などは自治体によって異なるため、事前に応募する自治体の募集要項をよく確認しておきましょう。

年齢については、18歳未満の人は受験することができませんが、上限については設けていない自治体も増えています。

年齢制限がある自治体でも近年では緩和傾向にあり、40歳以上で受験可能なところが多くなっています。

養護教諭採用試験の合格難易度

ここでは、養護教諭採用試験がどれくらい難しいのか、試験倍率や合格の難易度について説明します。

試験倍率は自治体によって異なる

自治体の養護教諭採用試験は、小学校や中学校で各教科を指導する教諭の採用試験よりも倍率は高くなることが多いです。

毎年、10倍を超える自治体も少なくありませんし、場合によっては20倍や30倍を超えるような自治体もあります。

養護教諭は全国的に見ても採用数が少ないため、まずは希望する自治体でどれくらいの人数の採用があるかどうか確認しておく必要があります。

もちろん、各自治体によって採用者数は異なりますし、年度によっても増減が見られます。

教育現場において養護教諭が担う役割はますます重要になる一方ですが、その採用人数には限りがあるため、決して易しい試験ではないといえます。

なお、私立学校の教員採用試験については、各学校で実施状況が異なります。

不定期にしか採用を実施しない私立学校もあるため、各学校の募集状況を確認してください。

合格のポイントは?

養護教諭の教員採用試験の合否は、筆記試験(一般教養、教職教養、専門教科、作文・小論文)、面接(個人、集団)の状況で決まります。

この試験内容からもわかるように、養護教諭は、児童・生徒の健康を守るための専門的知識だけに秀でているだけでは足りず、教諭になるために必要とされる一般教養まで求められるということです。

高校までの主要5教科をきちんと勉強してきたかどうかが、教員採用試験でも問われると言っても過言ではないでしょう。

また、面接では学習面だけではなく、学生生活を積極的かつ能動的に送り、さまざまな経験をしているかどうかということも重要視されます。

ですから、養護教諭として働きたいという希望を強く持っている人は、どの大学・短大に進学しようとも、勉学やサークル・ボランティア活動、アルバイトなど生活全般に前向きに取り組んでおくことが大切といえます。

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養護教諭採用試験の受験者数・合格率

ここからは、養護教諭採用試験の受験者数や合格率などについてのデータを紹介します。

養護教諭採用試験 受験者数

養護教諭採用試験の受験者数は増加の傾向にありましたが、近年は横ばいとなっています。2023年度試験の受験者数は9,170人でした。

養護教諭採用試験受験者数_2023

養護教諭採用試験 採用者数

養護教諭採用試験の採用者数は1300人前後を推移しています。2023年度試験の採用者数は1,234人となっています。

養護教諭採用試験採用者数_2023

養護教諭採用試験の採用倍率

養護教諭採用試験の採用倍率は横ばいの傾向にあり、7倍前後で推移しています。2023年度試験の採用倍率は7.4倍となっています。

養護教諭採用試験採用倍率_2023

2023年度 養護教諭採用試験 新卒・既卒の受験者の比率

2023年度の養護教諭採用試験に占める受験者の比率は新卒32.5%、既卒67.5%となっています。他の教員採用試験と同じく、臨時教員として働きながら、試験を受ける人が多いため、既卒の割合が多い傾向にあります。

養護教諭採用試験新規・既卒受験者の割合_2023

2023年度 養護教諭採用試験 新卒・既卒採用率

採用率とは、「採用率(%)=採用者数/受験者数」で算出される数字です。養護教諭採用試験においては、既卒生のほうが、やや高い採用率となっています。2023年度は新卒13.0%、既卒13.7%、全体13.5%でした。

養護教諭採用試験新規・既卒採用率_2023

2023年度 養護教諭採用試験 受験者の学歴別採用者数

養護教諭採用試験の学歴別採用者数は一般大学が最も多く852人となっています。一般大学の採用率は13.5%、教員養成大学の採用率は22.3%となっています。なお、「教員養成大学・学部」とは、国立の教員養成大学・学部出身者のことを指します。

養護教諭採用試験学歴別採用者数_2023

「養護教諭(保健室の先生)採用試験の難易度・合格率・倍率」まとめ

公立学校の養護教諭を目指す場合は、養護教諭の免許状を取得したうえで、自治体が実施する採用試験に合格しなくてはなりません。

採用人数が少なく、決してやさしい試験ではないため、しっかりとした対策が必要です。

また、大学在学中からさまざまなことにチャレンジし、面接で自分の強みをアピールすることも大切です。