総務のキャリアプラン・キャリアアップするためには?
総務に配属されたら
新卒入社や異動により、はじめて総務に配属された社員は、基本的に先輩のもとで、必要なことを現場で覚えていきます。
総務の仕事の範囲はきわめて幅広く、受け持つことになる業務は各個人によってばらばらです。
このため、集合研修などではなく、実務を通して必要なことを学ぶ「OJT(On The Job Training)」と呼ばれる教育スタイルが取られるケースが一般的です。
新人が手掛けやすい業務の一例をあげると、領収書づくりや社員の社会保険料チェック、会議の机セッティングや資料の配布、社内の電気・水回りトラブル対応・業者手配といったものが挙げられます。
ほかの社員から寄せられる依頼に追われるうち、あっという間に時間が過ぎ、その日の業務に手を付けられないということも少なくないようです。
とくに慣れないうちは、業務量の多さ、忙しさにつらさを感じやすいかもしれません。
20代で正社員への就職・転職
総務としてスキルアップするには
総務としてスキルアップするには、なんらかの分野における知識を集中的に磨き、特定の分野のスペシャリストになることが必要になるでしょう。
たとえば「社労士(社会保険労務士)」の資格取得に励んで、健康保険や労働保険などの専門家になるといった道が考えられます。
経理系に興味があるなら、簿記や財務、税務などを勉強して、企業会計に詳しくなるのがよいでしょう。
法務関係を強みにしたい場合は、コンプライアンスや知的財産、個人情報保護関連の法律を学ぶのがおすすめです。
総務に求められるスキルはまさに多種多様ですので、すべてを身につけるには長い時間がかかります。
オールマイティになんでもこなせる「総務のプロ」を目指すにしても、若いうちはある程度範囲を絞ることが、効率よくスキルアップするためのポイントです。
総務のキャリアパス・キャリアアップの考え方
社内におけるキャリアパス
総務の社内におけるキャリアパスは、大きく分けて2種類が考えられます。
ひとつは、総務部のなかで課を転々としながら、ずっと総務としてキャリアを積むケースです。
総務は覚えることが多いうえ、向き不向きが大きい職種ですので、「ずっと同じ人に総務を担当してもらいたい」という方針の企業もよくあります。
総務としての勤続年数を重ねるにつれて、総務課長や総務部長などの管理職に昇進していくことができるでしょう。
もうひとつのキャリアは、経理や人事、労務、法務、広報など、いわゆるバックオフィスと呼ばれる部署に異動になるケースです。
これらの間接部門は、いずれも総務の仕事内容と密接に関連しあっており、つちかったスキルを生かしやすいため、総務経験者は配置転換されやすい傾向にあります。
ただ、こうした人事は企業によって考え方が異なりますので、気になる人については就職時に面接官などに尋ねてみるとよいでしょう。
社外におけるキャリアパス
ある程度のキャリアを積んだ後は、転職する総務担当者も一定数います。
総務は組織によってその役割や立ち位置が大きく異なる職種です。
総務が、職場環境を整える業務が多い会社もあれば、社長や役員の相談役として経営の中枢をになっているところもあります。
仕事の忙しさやきつさ、残業量、給料などの待遇面についても、かなり違っているのが実状です。
自分のスキルや経験に自信があるなら、より高収入を得るために、あるいは環境の変化や新しいやりがい、刺激を得るために、転職するというキャリアパスも十分に考えられるでしょう。
業種に関係なく、あらゆる組織で必要になる総務は、数ある職種のなかでも転職しやすい部類に入るといえます。