商品企画の仕事とは？ わかりやすく仕事内容を紹介

商品企画の仕事とは

商品企画とは、その文字が示すように「商品を企てる（くわだてる）」仕事です。

商品の開発・改良に必要になる、商品のコンセプトや価格帯、売り方を考案したり、そのための根拠となる情報を収集・整理したり、関係者への伝達を行ったりします。

商品企画はものづくりをするメーカーだけでなく、金融、IT、広告など、サービスを提供する業界でも活躍します。

たとえば金融業界ならターゲットに対応した投資プラン、IT業界ならアプリだけでなくサポートも含めたプランの提供、ホテルならウェディングプランや当日割引プランなどのように、市場のニーズやトレンドに合った商品の提案を行います。

企業のイメージや売上への貢献も大きく、企業の花型部門と位置づけられることも多い部門です。

商品企画の業務の内容

情報収集・分析

商品企画のため、ニーズやトレンドを調査します。

アンケートやインターネット上の口コミ、メディア調査、店舗視察などを行って情報を収集し、集めた情報を分析してニーズを探ります。

マーケティング部門が別にある場合、協力して情報収集や分析を行うことも多いです。

商品企画

商品のターゲットやコンセプト、価格帯、スケジュールなどを考案し、企画資料にまとめて社内で提案します。

新商品の開発だけでなく、既存の商品の改良や見直しのための企画も多いです。

企業における企画は、情報収集時に集めた情報（事実）をもとに提案する必要があります。

商品企画のプレゼンテーションは経営陣の前で行うことも多いため、資料作成やプレゼンテーションにも力が入ります。

開発・販促支援

企画が通ったら、企画内容を関係者に周知し、実施に向けて動きます。

商品開発部門やマーケティング・営業部門に協力して、商品開発や販売促進のための活動を支援することも商品企画の業務範囲に含まれる場合も多いです。

企業によって、商品企画が担当する範囲は異なり、企画だけを立てる場合もあれば、その後の商品開発やマーケティング活動など商品が世に出るまで全体的に関わる場合もあります。

多数の関係者との調整で、社内外を忙しく動き回る人も少なくありません。

商品企画の役割

商品企画は、売れる商品を提案して企業の業績に貢献するだけでなく、商品を通して企業イメージをブランディングする仕事でもあります。

商品を通して提案するコンセプトは企業イメージと密接な関係があるため、企業と消費者の両方について深く理解し、両者のコミュニケーションが商品を通して円滑に行われるようにする仲介役でなくてはなりません。

商品企画が提案したコンセプトや性能、価格、スケジュールに沿って実際に商品が作られていくため、責任も大きいですがやりがいも大きな仕事です。

創造性を発揮できる仕事でもあり、花型職種として認識されることも多いです。

とくに製造業では企業のブレーンと言っても過言ではありません。

商品企画の勤務先の種類

メーカーの商品企画

商品企画の人が働いている企業として、まず浮かぶのがメーカーです。

さまざまな商品を開発・販売しているメーカーでは、市場調査やアンケートなどの情報をもとにした新商品の開発や既存商品の改良が日々行われています。

企画された商品が実際に作られるため、ターゲットや形状、重量などについても具体的な提案が求められる他、原材料費や予算、納期などをシビアに考える必要があるのが特徴です。

サービス業の商品企画

ホテルや旅行会社などのサービス業にも商品企画の仕事はあります。

こうした企業では、メーカーと違い「体験」が商品の価値になるため、消費者目線でサービスについて深く考えることが強く求められます。

また、商品開発そのもののコストはさほど高くないため、試験的にサービスを実施して反応を探ることも多いです。

IT企業の商品企画

IT企業の場合、メーカー寄りの企業とサービス寄りの企業があり、それぞれ商品企画のあり方も異なります。

メーカー寄りの企業では、メーカーと同様の商品企画が求められます。

サービス寄りの企業では、サービス業の商品企画に近い業務内容になりますが、提供するサービスの実現方法についても提案が必要です。

したがってITの技術・トレンドについての知識が求められます。

商品企画と関連した職業

商品企画と商品開発の違い

商品開発は、商品企画から提案された企画案に沿って実際に商品を開発します。

サービス業ではほぼ同じ意味で使われることも多いですが、メーカーなど実際にモノを作る場合は分けられていることが多いです。

一緒に仕事をすることが多いため、意見を遠慮なくぶつけ合って商品を作ることができる関係が理想的です。

商品企画とマーケティングの違い

商品企画とマーケティングが一緒になっている企業は多いです。

別の部署になっている場合、商品企画は、ある商品についての提案や開発が主で、マーケティングは企業の商品全体について販売のための仕組み作りが主な仕事になっています。

商品の生産に関わる部分は商品企画、広告や販売に関する部分はマーケティングと役割分担が行われているのが一般的です。

マーケティングの仕事