食品衛生監視員になるには
食品衛生監視員になるまでの道のり
食品衛生監視員になるためには、まず食品衛生監視員の任用資格を得ることが必要となります。
この資格を取得する条件としては、以下の4つが挙げられます。
(1)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を修了した者
(2)医師、歯科医師、薬剤師、獣医師の資格を有する者
(3)大学または高等専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者
(4)栄養士で2年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有する者
*最新の情報は厚生労働省、各自治体のホームページなどで確認してください。
このいずれかの条件を満たせば、食品衛生監視員の任用資格を得ることができます。
これから大学への進学を検討している人が食品衛生監視員を目指そうと考えている場合、(1)あるいは(3)の方法が一般的なものとなるでしょう。
なおこの任用資格は、あくまでも「食品衛生監視員になることができる資格」です。
実際に食品衛生監視員の職業に就いて働くためには、任用資格を得たうえで、公務員として採用される必要があります。
採用後、検疫所や保健所に配属され、厚生労働大臣または都道府県知事等により食品衛生監視員として任命されることで、ようやく「食品衛生監視員」と名乗ることができるようになります。
20代で正社員への就職・転職
食品衛生監視員の資格・任用資格
食品衛生監視員の資格要件
食品衛生監視員の資格は厚生労働省により認定される任用資格となっており、これを取得するためには、以下の4つのいずれかに該当する必要があります。
(1)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を修了した者
(2)医師、歯科医師、薬剤師、獣医師の資格を有する者
(3)大学または高等専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者
(4)栄養士で2年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有する者
*最新の情報は厚生労働省、各自治体のホームページなどで確認してください。
*(1)に関して、養成施設登録の権限は、食品衛生法改正により平成27年4月1日より「厚生労働大臣」から「都道府県知事」に移譲されました。
ただしこの「任用資格」は、あくまでも「食品衛生監視員になることができる資格」であり、ただ資格があるだけでは「食品衛生監視員」と名乗ることはできません。
任用資格についてさらに詳しく見ていきましょう。
任用資格って何?
「任用資格」とは、特定の職業または職位に任用されるために必要な資格のことをいいます。
資格を取得すれば職業・職位として公称できるというものではなく、任用資格を取得してから、その職務に任命されることによって初めて効力が発生します。
取得の後、実務に就くことによって与えられる資格ともいえます。
食品衛生監視員のほかに「任用資格」に該当するものは、同じ食品衛生に関わる食品衛生管理者、他の領域では「社会福祉主事」「社会教育主事」「児童指導員」「児童福祉司」などがあります。
資格取得に加えて公務員になることが必要
実際に食品衛生監視員の職業に就いて働くためには、任用資格を得たうえで、国家公務員か地方公務員の職員採用試験を受けて合格する必要があります。
採用後、検疫所や保健所に配属され、厚生労働大臣または都道府県知事等により食品衛生監視員として任命されることで、ようやく「食品衛生監視員」と名乗れるようになります。
もし人事異動などで食品衛生の業務を扱う部署から外れた場合は、食品衛生監視員と名乗れなくなります。
食品衛生監視員採用試験の受験資格
任用資格の取得後、国家公務員として勤務する場合は、人事院が行う専門職試験である「食品衛生監視員採用試験」を受験する必要があります。
この試験に合格し採用された人は、食品衛生監視員として全国の主要な海・空港の検疫所などに配属され、輸入食品監視業務、試験検査業務、検疫衛生業務に従事します。
受験資格は以下の通りです。
21歳以上30歳未満の場合
(1)大学において薬学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者、および受験年度の3月までに当該課程を修めて大学を卒業する見込みの者
(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者、および受験年度の3月までに当該課程を修了する見込みの者
21歳未満の場合
(1)上記の(1)に掲げる者
(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者、または受験年度の3月までに当該課程を修了する見込みの者であって、大学を卒業した者、および受験年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
(3)人事院が(1)または(2)に掲げる者と同等の資格があると認める者
食品衛生監視員になるための学校の種類
食品衛生監視員になるために必須となる任用資格を取得することができる学校には、以下の2種類があります。
所定の教育課程がある大学
学校教育法に基づく大学において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者は、食品衛生監視員の任用資格が得られます。
なお、このうち畜産学、水産学、農芸化学の課程に関しては、定められた科目の単位を取得する必要があります。
*最新の情報は厚生労働省、各自治体、各学校のホームページなどで確認してください。
食品衛生監視員の養成施設
食品衛生監視員養成施設とは、食品衛生監視員を養成するために都道府県知事が認定、登録をした教育施設、またはその教育課程です。
養成施設の設置者は全国の学校法人や国立大学法人が中心で、この養成施設で所定の課程を修了すると、食品衛生監視員の任用資格を得ることができます。
20代で正社員への就職・転職
食品衛生監視員に向いている人
「食の安全」に対する興味が強い人
食品衛生監視員の仕事には、食品に関する法律や食品の試験検査技術など、さまざまな知識や技術が必要とされるため、何よりも「食の安全」に対する強い興味関心を持っていることが不可欠だといえます。
近年では、さまざまな食品が海外から輸入され、正しい検査の根拠となる各種法令も状況により日々変化しているので、常にアンテナを張りながら新しい情報を集め続ける必要があります。
社会貢献の気持ちや責任感が強い人
食品衛生監視員は公務員であるため、国民全体や地域住民のために奉仕する精神が不可欠です。
公平性をもって社会に貢献したいと思える人、「日本の食の安全は自分が守る」といった強い責任感がある人に適した仕事です。
分析することに興味がある人
サンプリングした食品の検査や試験分析を行うことも食品衛生監視員の重要な業務のひとつです。
情報やデータを基に分析を行い、原因や課題などの答えを導き出すことに興味のある人、好きな人には向いている仕事といえます。
食品衛生監視員のキャリアプラン・キャリアパス
国家公務員として勤務する場合、採用後は全国の検疫所に配属され、2~3年ごとに異動します。
検疫所は全国に13ヵ所の本所のほか、支所と出張所をあわせて100ヵ所以上あり、配属先は北海道から沖縄まで日本全国におよびます。
輸入食品監視業務、検査業務、検疫衛生業務などの一定の実務経験を経て、努力次第で、検疫所の課長等へ昇進することができます。
また、厚生労働省の医薬・生活衛生局や地方厚生局、その他食品衛生監視員の専門知識が必要な機関に配属されることもあります。
地方公務員の場合は、獣医師や薬剤師の資格を持つ人が、各都道府県の職員採用試験を受け、保健所などで食品衛生監視員に任命されるケースが多く見受けられます。
より幅広い職務経験を積むために、卸売市場内の食品衛生検査所へ異動したり、環境衛生監視や薬事監視の業務を兼任したりすることもあります。
また都道府県等の本庁へ異動して、厚生労働省や関係自治体との連絡調整など食品衛生行政に関する業務を担当する食品衛生監視員もいます。
食品衛生監視員を目指せる年齢は?
国家公務員の食品衛生監視員を目指す場合は、任用資格を取得後、人事院が行う「食品衛生監視員採用試験」を受験する必要があります。
その採用試験を受験するにあたって年齢の上限が定められており、採用年の4月1日時点で30歳までとなっています。
これは合格して採用となった時点での年齢であり、受験時の年齢ではないので注意しなくてはなりません。
一般的には大学などを卒業してすぐに採用試験を受けるケースが多いようですが、転職をして食品衛生監視員を目指す場合も、20代のうちに決断をする必要があります。