歯科医師が独立・開業するには?

歯科医師の独立・開業の現状は?

歯科医師は、他の医師に比べて独立・開業しやすい職種です。

経験を積んだ歯科医師が開業医になるケースはよく見られます。

とはいえ、独立・開業は決して簡単なことではありません。

患者さんが多くつけば経営は安定しますが、歯科医院の競争は都心部を中心に激化しており、厳しい経営状況に陥っている医院も増えているのが実情です。

多くの場合、保険診療内での治療では医院経営が成り立たず、歯科衛生士を最低限の人数にしたり、1日に多くの患者さんを診療したりして利益を確保しています。

また、矯正歯科やインプラントなど、自由に料金を設定できる保険診療外の治療法を取り入れることも必要となってくるかもしれません。

昨今では医療機関の年間倒産数の約4割を歯科医院が占めるといわれるほど厳しいのが実情で、安易に独立・開業をしても、経営を軌道に乗せるまでには長い年月がかかります。

歯科医院の開業に必要な資金はどれくらい?

歯科医院開業には多額の資金が必要になる

歯科医師として独立・開業するには、資金は少なくとも3,000万円以上、通常ならば5.000万円は必要だといわれます。

これに土地代や建物代、もしくはテナント賃料が含まれる形になります。

ただ、内装にこだわったり、デジタル機材のグレードにこだわったりすると、たとえば、ウォーターレーザーで1,000万円、CTで3,000万円というように、さらに高額な費用がかかります。

しかしながら、そのようにして揃えた機材は永年使えるものではなく、故障や性能の良い新商品への買い替えなどで、10年も経てば追加費用が発生する場合がほとんどです。

内装もずっとそのままでよいというわけではなく、5年~10年ごとに壁紙を張り替える、外壁を塗り替えるなどリニューアルをする必要があります。

なかにはほとんどリニューアルをしない歯科医院もありますが、あまりにもみすぼらしい医院では、近所に新しい歯科医院ができたときに患者さんが流れてしまうことがあります。

そのため、定期的なリニューアルは歯科医院として必要と考えておく必要があるでしょう。

融資が受けにくいケースも

さらに、地域によっては歯科クリニックを新規開業するあたって、銀行の融資を受けにくい現状があることも確かです。

あまりに歯科医院が多い地域だと、新規開業をしても顧客を獲得するのが困難だとみなされるからです。

また、倒産する歯科医院の多さから、よほど堅実な返済計画を立てないと銀行側が貸し渋りをする場合があり、近年では自己資金が非常に少ない状態での独立・開業は難しいといわれています。

コンサルタント会社に頼ることもできる

上記の通り、最近は歯科医師として独立・開業をしても医院を軌道に乗せるのが難しくなっています。

こうしたなか、歯科クリニックの院長が、歯科経営コンサルタント会社にお金を払い、指導を受ける風潮が広まってきています。

歯科経営コンサルタント会社は、歯科クリニックの経営や経理マネジメント、人材育成から地域的なクリニックの方針や戦略の策定にまでアドバイスをします。

第三者のプロの視点で、経営に関するアドバイスをを受けることは意義があるでしょう。

しかしながら、歯科経営コンサルタント会社といってもピンキリです。

歯科経営コンサルタントは経営のプロであっても、歯科業界の内情にそこまで詳しくないこともあります。

経営知識を知るうえで必要なアドバイスをコンサルタント会社に頼るのはよいですが、独立・開業を目指すなら、自分自身で経営の勉強をする努力は欠かせません。