司法書士と税理士の違い

司法書士税理士の仕事内容の違い

司法書士も税理士も、ともに「士業」と呼ばれる、法律関係の事務手続きを行う職業です。

ただし、手掛ける業務内容は異なっており、司法書士は、不動産や法人に関する登記申請や供託業務、簡易訴訟など、法務局や裁判所に対して行う手続きをおもに取り扱います。

一方、税理士は、確定申告や年末調整、法人税の計算など、税務署に対して行う手続きが主要業務であり、顧客の税務相談に乗ったり、法人の記帳作業を代行したりします。

必要とされる能力も、司法書士が憲法や民法、民事訴訟法などの法律知識である一方、税理士は所得税法や事業税法などの税法知識、会計や簿記に関するスキルなどで、双方には違いがあります。

ただ、たとえば相続に関する案件の場合、相続財産の登記は司法書士が、相続税の計算は税理士が行うといったように、双方の資格保有者が協力して働くケースもあり、互いの業務内容には一定の相関関係があります。

税理士の仕事

司法書士と税理士のなる方法・資格の違い

司法書士、税理士ともに、業務を行うためには国家資格を取得しなければなりません。

司法書士資格を得るには、司法書士試験を受けて合格するか、あるいは裁判所事務官検察事務官として10年以上のキャリアを積むことが条件となっています。

これに対し、税理士資格を得る方法としては、税理士試験に合格する、税務署職員として23年以上働く、公認会計士の資格を取得するといったいくつかのルートがあります。

どちらの資格取得についても複数の選択肢があるものの、それぞれの国家試験を受ける道が最も一般的です。

なお、司法書士・税理士ともに、どの方法で資格を取得する場合でも、所定の研修を受けた後に、「司法書士会」または「税理士会」に登録する必要があります。

司法書士と税理士の資格の難易度の違い

司法書士試験に合格するために必要な勉強時間は、法律に関する素養があるかどうかで若干の差がありますが、1400時間~2000時間がひとつの目安とされています。

集中して勉強すれば、1年~1年半ほどで合格することが可能です。

これに対し、税理士試験については、会計や税務に関する全11科目のうち5科目に合格することが必要ですが、1科目に合格するだけでも数百時間の勉強が必要といわれています。

毎年1科目~2科目ずつ受験し、数年間かけて資格取得を目指すケースが一般的であり、なかには10年以上かかる人もいます。

また、出題形式の違いもあり、司法書士試験はマークシート方式であるのに対し、税理士試験はすべて記述式で、税理士試験のほうがより詳細な理解が求められます。

これらのことを踏まえて双方の難易度を比較すると、税理士試験のほうが司法書士試験よりもやや難関であるといえるでしょう。

司法書士と税理士の学校・学費の違い

司法書士試験には学歴や年齢などの受験資格は不要であり、誰でも受験することが可能です。

ただし、試験自体の難易度や、法律に関する知識が問われることを考えると、大学の法学部などで勉強するほうが、資格を取得するためには有利かもしれません。

これに対し、税理士試験を受けるためには、大学で法律や経済に関する科目を履修する、税理士事務所などに3年間勤務する、日商簿記1級資格を取得するといったいずれかの条件を満たさなければなりません。

このため、税理士を目指すならば、必須とまではいえないものの、大学に進学することが望ましいでしょう。

どちらも資格取得は非常に困難ですので、大学だけでなく、民間の資格専門学校やスクールなどに通って専門の受験対策をする人が多いようです。

司法書士と税理士の給料・待遇の違い

司法書士の給料は、司法書士事務所に勤めている場合、事業規模や個人のスキルにもよりますが、年収250万円~600万円とされています。

これに対し、税理士の給料は、中小クラスの税理士事務所でも年収600万円前後、大手税理士法人では年収900万円前後となっており、司法書士よりもかなり高給といえます。

独立開業している場合は、司法書士・税理士ともに、営業力や経営能力次第といえますが、司法書士で年収1000万円を超えることは至難である一方、開業税理士のなかには年収3000万円を得ている人もいます。

これらの差は、司法書士の収入が基本的に案件ごとのスポット報酬の積み重ねであるのに対し、税理士収入の大部分は契約先からの顧問報酬であり、税理士のほうが安定して報酬を得やすいという要因も影響しています。

勤務する場合でも、独立開業する場合でも、税理士のほうが司法書士より高収入を得やすいのは間違いないといえるでしょう。

司法書士と税理士はどっちがおすすめ?

司法書士・税理士ともに、クライアントからの依頼を受けて各種手続きを代行する仕事ですが、その得意分野ははっきりと異なっており、国家試験で問われる科目もほとんど重複していません。

もしも、どちらの職業に就こうか悩んでいたり、自分がどちらに向いているのか今ひとつ自信が持てないなら、自分の興味や好奇心が強いほうを優先するとよいでしょう。

民法や民事訴訟法など、「法律」についての関心が高い人は司法書士が、確定申告や税額計算といった「税務」や、簿記や記帳作業などの「会計」への関心が高い人は税理士が、それぞれおすすめです。

また、それらの科目は暗記を必要とするものだったり、計算や論理を必要とするものだったりと、比較的はっきりと特色が分かれていますので、自身の得意・不得意で判断するという方法も有用かもしれません。

どちらを目指すにしても、その難易度は高く、長く厳しい受験勉強に耐えなければなりませんので、モチベーションを維持し続けるためには、どれだけそれぞれの分野に興味を持てるかは非常に重要といえるでしょう。