女性の司法書士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の司法書士の現状

司法書士は、法律を取り扱う専門性の高い職業であり、男女間において仕事上の有利・不利はほとんどありませんので、女性が活躍しやすい職業といわれています。

司法書士試験の合格者についてみても、近年は女性比率が増加傾向にあり、年度によって多少の差はあるものの、毎年の合格者のうち5人に1人程度は女性となっています。

日本では、少子高齢化を背景として働き手不足が深刻化しており、政府は法整備などで女性の社会進出を後押ししていますので、司法書士についても、今後ますます女性のなり手が増加してくると想定されます。

また、司法書士試験には学歴要件や年齢制限がなく、通信教育などを利用することで、自宅学習でも資格取得を目指すことが可能です。

このため、近年は、家事や育児をしながら司法書士を目指す女性も増加傾向にあるようです。

女性の司法書士の強み・弱み

司法書士は、複雑な法律が絡む膨大な量の書類を、不備のないよう正確に処理しなければなりませんので、女性ならではの細やかさ、丁寧さが業務に生きるケースは多々あります。

また、司法書士が手掛ける案件は、相続や債務整理など、個人的な事情に深く関わる内容が多いため、物腰が柔らかで、心配りができる女性のほうが、依頼者としても本音で相談しやすいでしょう。

反対に、女性司法書士の弱みとしては、体力的にそこまで無理が効かないということが挙げられます。

司法書士は、裁判所や法務局での手続きや不動産取引の立会いなど、デスクワークだけでなく外訪も多い仕事です。

年度末などの繁忙期には、一日中慌ただしくあちこちを移動して回らないといけないケースも珍しくありませんので、肉体的に疲弊してしまうこともあるかもしれません。

結婚後の働き方

司法書士は、事務所にもよりますが、業界全体としてそこまで残業時間がかさむことは少なく、また、業務量をある程度自分で調整することができます。

このため、結婚後も働き続ける女性司法書士は珍しくなく、家庭生活と両立させやすい職業といえるでしょう。

なかには、司法書士同士で結婚し、二人で合同事務所を経営している夫婦もいます。

資格保有者が二人いれば、多角的に事業を展開することが可能ですので、夫婦で事務所を経営するメリットは大きいといえます。

また、たとえば配偶者の仕事の都合で転居を余儀なくされても、有資格者が限られている司法書士は、引越先で別の働き口を見つけることはさほど困難ではないでしょう。

司法書士は子育てしながら働ける?

司法書士事務所は、比較的少人数で運営しているところが多く、在籍している有資格者は数名前後であることが一般的です。

このため、出産や育児などで、有資格者が長期間にわたって事務所を離れると、業務に支障が生じるケースが多く、出産休暇制度や育児休暇制度が導入されている事務所は少ないのが実情です。

子育てしながら司法書士を続けるなら、配偶者や家族のサポートが不可欠といえるでしょう。

ただ、たとえ一旦職場を離れてしまったとしても、子育てが落ち着いた頃にもう一度司法書士として復帰することは十分に可能です。

また、どうしても仕事と育児の両立が困難である判断される場合には、思い切って独立開業することも一つの選択肢です。

独立して自宅を事務所にし、補助スタッフを雇用することで、仕事をしながら子供の面倒をみたり家事ができる環境をつくることができるでしょう。

司法書士は女性が一生働ける仕事?

近年は、政府が主導する「働き方改革」の影響もあって、大手司法書士法人などを中心に、出産休暇や育児休暇制度を明文化している事務所も徐々に増加傾向にあります。

出産や育児など、ライフイベントが多い女性ですが、ほかの職業と同様、継続的に働きやすい環境が整いつつあるといえるでしょう。

また、司法書士は、有資格者数が限られており、常に安定した求人需要があるため、資格さえあれば、たとえ出産や育児などでブランクがあっても、復職しやすいことが特徴です。

さらに、独立開業しやすい職業であり、またサラリーマンなどにように定年もありませんので、勤務先や雇用形態を変えながらでも、司法書士は一生涯続けて働ける仕事といえるでしょう。

ただ、司法書士は、各人の実力によって手掛けられる業務内容・業務量に差が生じやすいため、優秀な人のところほど仕事が集まる傾向にあり、多数の案件を抱えてしまうケースも散見されます。

自分自身のキャリアや家庭生活など、何を優先すべきかをよく考え、ワークライフバランスに気を配ることが大切です。