スクールカウンセラーになるための学校と学費
スクールカウンセラーになるための学校の種類
スクールカウンセラーは、特定の資格を取るだけで必ずなれる職業ではありません。
ただ、生徒にカウンセリングを行うには臨床心理学の知識が必要不可欠であるため、心理学の勉強は必須です。
とくに「臨床心理士」や「公認心理師」の資格があれば採用に有利となり、実際、スクールカウンセラーとして活躍する人の多くは心理学の大学院修了を受験資格とする「臨床心理士」あるいは「公認心理師」の資格保有者です。
中には、資格はないものの心理カウンセラーとして経験を積んだ人がスクールカウンセラーになる例も見られます。
ただし、将来的に就職しやすいのは専門的な勉強をして資格を取得した人となっています。
20代で正社員への就職・転職
スクールカウンセラーになるための大学
いくつかの道がある
スクールカウンセラーになるには、「臨床心理士・公認心理師になる」「精神科医になる」「大学の臨床心理専攻の教員になる」という3つの方法が近道です。
臨床心理士や大学教員になるには、心理系の学部・学科がある大学・大学院への進学、精神科医になるには医学部への進学が必要です。
専門学校からスクールカウンセラーになる例は少ないことから、大学の心理学部そして大学院に進むのが最も確実な方法といえるでしょう。
学費は大学卒業までに国公立なら250万円~400万円、私立なら400万円~600万円、大学院では国立で130万円~150万円程度、私立で300万円前後が必要となります。
臨床心理士の資格がとれる大学
スクールカウンセラーになる方法で一番多いのは、臨床心理士や公認心理師の資格を取る方法です。
臨床心理士資格を得るには、臨床心理士養成に関して学ぶことができる指定大学院・専門職大学院を修了して、受験資格を取得することが必要です。
そして日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格することで「臨床心理士」の資格を得ることができます。
指定大学院や専門職大学院は日本臨床心理士認定協会のHPにリストがありますが、難関大学の大学院から地方の私立大学の心理学専攻コースまでたくさんの種類の学校があります。
また、2018年から取り入れられた国家資格の「公認心理師」も、スクールカウンセラーになるための有利な資格です。
こちらも指定大学院を修了するか、2年以上の心理職実務経験を積むことが必要とされています。
医師や大学教員を目指せる学校
スクールカウンセラーのなかには「精神科医」の肩書を持つ人もいます。
精神科医になるには、まずは医科大学や大学医学部で6年間学び、その後国家試験に合格することが必要です。
それから2年間「研修医」としてさまざまな医療現場で経験を積んだ後に、やっと自分の希望する「精神科」に正式に所属し、医師として働けるようになります。
このように、精神科医になるには長い時間が必要であり決して簡単ではありません。
どうしてもこの職業に就きたいという強い覚悟が必要でしょう。
この他にも、大学で心理学を教える教員をしながらスクールカウンセラーをする人もいます。
大学教員になるには心理学を学べる大学と大学院を修了したあと、大学教員の就職口を探すルートが一般的です。
スクールカウンセラーになるための専門学校
スクールカウンセラーは、基本的には大学で心理学を学んで目指す職業であり、直接的にスクールカウンセラーを目指す専門学校は存在しません。
ただし、心理系や福祉系の相談員になるための知識を学べる専門学校では、スクールカウンセラーにも役立つ知識は一部得られます。
こういった専門学校での知識を生かして「心理カウンセラー」などの心理系の民間資格をとったり、心理学部の大学に3年時編入をしたりすることで、より広い知識を持ったスクールカウンセラーを目指すことも可能です。
しかしながら、専門学校では臨床心理士などの心理専門家の受験資格が得られないことは知っておくとよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
スクールカウンセラーの学校選びのポイントは?
ここまで紹介してきた通り、スクールカウンセラーに必要とされる学歴や資格はないものの、実質的には臨床心理士や公認心理師の資格が非常に重要視されています。
心理カウンセラーからスクールカウンセラーになるケースもないとは言えませんが、その場合はカウンセラーとしての豊富な経験をアピールする必要があります。
心理カウンセラーにも特別な資格は必要ありませんが、臨床心理学についての最低限の知識は必須であることを考えると、やはり大学・大学院に進み、心理学の専門的知識をマスターしておくのが安心といえるでしょう。