スクールカウンセラーの需要・現状と将来性

スクールカウンセラーの需要と現状

スクールカウンセラーは増加している

子どもたちの心のケアに専門的に携わるスクールカウンセラーを学校に配置・派遣する取り組みは、文部科学省の後押しによって平成7年度に始まりました。

いじめや不登校、校内暴力などに悩む子どもや教師の心をケアすることで、学校をよりよい場所へと変えていこうというのがスクールカウンセラー制度の大きな目標です。

時の流れとともに少しずつその数は増えていき、平成27年度には全国で約2万2000校に配置・派遣されるほどになっています。

近年の少年非行の低年齢化や、ネグレクト(育児放棄)の問題などから、スクールカウンセラーの需要は徐々に伸びています。

とくに、これまでは中学校への配置を重点的におこなわれてきましたが、子どもを取り巻く問題を低年齢の時点で解決できるよう、小学校への配置が急増しているのです。

スクールカウンセラーは、これからますます需要が伸びる職種だと注目されています。

切望される雇用環境の改善

しかし、数が増えたからといって、スクールカウンセラーの働きやすい環境が整っているとはいえないのが現状です。

じつはこの職業の人たちの多くが非常勤職員として働いている実態があり、その雇用や待遇には多くの問題が残っています。

非常勤ということは、週に何日かしか出勤しないということであり、福利厚生や収入には不安な点があります。

また、子どもたちからも「今日相談したいのにカウンセラーが学校に来ていないから話ができない」「普段から接していない人なので相談しづらい」という声があがりがちです。

生徒にもっと寄り添える形での雇用形態を望む声も根強く、今後の雇用環境がどのように変化していくのかに注目が集まっています。

雇用環境が整うことで、スクールカウンセラーがより働きやすい環境となることが期待されています。

スクールカウンセラーの将来性

スクールカウンセラーを取り巻く環境は時代とともに変化しているため、これまで以上に求められることが多くなると予想されます。

その理由として、少子化にともない子どもの数が減少していくため、「育児の悩みを相談できる相手がいない」などの悩みを抱えた保護者の増加が懸念されるためです。

また、子どもたちが巻き込まれる事件・事故の件数が増加傾向にあることも、スクールカウンセラーの重要性の高まりを意味しています。

今後の目標として、2015年、中央教育審議会は、スクールカウンセラーを教員と同じように制度化し、全国の公立小中学校に配置する方針を示しています。

このことからわかるように、スクールカウンセラーはその需要の増加にともない、これまで以上に専門家としての知識を生かした、業務の遂行が求められるようになります。

スクールカウンセラーの今後の活躍の場

スクールカウンセラーの果たす役割は、社会の変化とともにさらに大きくなってきています。

子どもたちのいじめや不登校の問題に関わるのはもちろんのこと、最近では発達障害のある子どものサポートという面で力を発揮するスクールカウンセラーも多いです。

また、教師や保護者のストレスも増大していて、うつ病やノイローゼの一歩手前までになってしまう人もいます。

スクールカウンセラーは、こうした人たちの相談にのることで、ストレスを緩和させる役割も果たしています。

さらに、東日本大震災のような大きな災害の後や、子どもたちが巻き込まれる事件事故が発生した後など、傷ついた子どもたちの心をケア対応にも携わります。

将来的にも仕事の幅や活躍の機会がますます広がっていくことが期待されているため、非常にやりがいのある職業といえます。