セールスエンジニアになるには

セールスエンジニアになるまでの道のり

高校では「理系」に進むとより確実

セールスエンジニアは、名前の通りエンジニアとしての側面もあり、仕事では技術的な知識を用います。

そのため、理系か文系かでいえば理系よりであり、高校は理系のコースに進んで学んでおくと、エンジニアとしての素質や考え方を若いうちから養いやすいでしょう。

また早いうちから理系に進路を寄らせておくことで、エンジニア→セールスエンジニアという王道ルートも歩みやすくなります。

ただし、「より確実」、「尚よい」という意味であり、必ずしも理系に進まないとセールスエンジニアになれないわけではありません。

大学や専門学校で知識を深める

一部上場の大手企業の場合、新卒採用で募集する学生は、「4年制大学卒以上」もしくは「専門学校卒以上」としているケースが多いです。

そのため大手志望の人であれば、高校卒業後は大学もしくは専門学校に進み、より上位の学歴を獲得しておいた方がより確実でしょう。

また、セールスエンジニアは、「IT系」と「機械系」でタイプが分かれます。

IT系のセールスエンジニアを目指すのであればIT・情報処理計の学部やコース、機械系のセールスエンジニアを目指すのであれば理工系・機械系の学部やコースに進んでおくと、より将来的に生かせる知識やスキルを養いやすいでしょう。

エンジニアからセールスエンジニアになるルートが一般的

セールスエンジニアは、営業とエンジニアの両方の専門性が求められる高度な職種であるため、新卒の社員がいきなりセールスエンジニアに配属されることはあまり多くありません。

新卒採用時には、まずはエンジニア職や技術総合職として就職し、その後エンジニアとして一定の経験を重ねた社員が、セールスエンジニアを任されるというケースが一般的には多いようです。

特にジョブローテーション制を採用している大手企業であれば、社内でそのようなキャリアルートを歩むことが多いようです。

ルートは他にも色々ある

前述したルートはあくまで模範的なルートであり、必ずしも大学や専門学校を卒業し、エンジニア職を経なければ、セールスエンジニアになれないというわけではありません。

たとえば、大学や専門学校には進学せず、人手不足に陥っている中小企業のセールスエンジニア職に、高校卒業後そのまま就職する人もいます。

これまでの営業経験やセールス経験を武器に、営業職→セールスエンジニアの方向性でキャリアチェンジを図る人もいます。

その他にもコンサルタント経験やカスタマーサポート経験なども生かせるため、なるためのルートや窓口は広い職種といえるでしょう。

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セールスエンジニアの資格・難易度

資格は必要か?

セールスエンジニアの場合、医師弁護士のように、免許となるような特別な資格が用意されている職業ではありません。

極論をいえば、何の資格も所持していくとも、セールスエンジニアへの道を切り開くことは可能ではあります。

ただし、この仕事では専門的な知識と技術を習得しつつ、営業としての高いコミュニケーション能力やプレゼンテーションスキルなども持ち合わせている必要があるため、「技術的なスキル」と「営業的なスキル」の両方に関わる資格を取得することで、自身のスキルアップにつなげることができます。

また資格というのは、一定の知識やスキルを備えていることを対外的に示す証となり、同時に意欲や熱意の証ともなりますので、面接官から好感を得るための材料にもなります。

資格を取得したエピソードを、志望動機の題材として使うこともできるでしょう。

セールスエンジニアが取得しておくとよい資格

次のような資格は、セールスエンジニアとして働く上で役立ちやすい資格です。

<セールスエンジニアが取得しておくとよい資格>
1.基本情報技術者試験(国家資格):難易度:★★★☆☆
2.ITストラテジスト試験(国家資格):難易度:★★★★☆
3.セールススキル検定(民間資格):難易度:★★☆☆☆
など
(※IT系のセールスエンジニアを目指す場合の資格例)

1つ目の「基本情報技術者試験」は、IT業界における登竜門的な国家資格であり、OS・サーバー・ネットワーク・データベースなどのITインフラの知識を幅広く体系的に学べます。

同時に、ITを活用したビジネスや経営に関する知識も学ぶことができますので、セールスエンジニアとは比較的相性のよい資格の一つです。

2つ目の「ITストラテジスト試験」は、企業の経営層などと共に、事業戦略・事業計画からIT化・システム化の計画立案と実行を主導する、「戦略家(ストラテジスト)」としての知識を身に付けることができます。

「IT×ビジネス」の知見をより深めることのできる資格であり、難易度も高いため、所持しているとお客さまへ信頼感や安心感を高めやすくなるでしょう。

3つ目の「セールススキル検定」は、特定非営利活動法人セールスコーチング協会が実施する民間資格です。

個人の「営業力」が問われる検定試験となり、資格を所持していると顧客との関係性の構築、計画実行、問題解決などの営業力を客観的に示すことができます。

なおこの3つの資格は、「IT系」のセールスエンジニアを目指す場合の資格例です。

「機械系」のセールスエンジニアを目指す場合の資格はまた異なり、「機械設計技術者試験」など、その業種に応じた資格が役立ってくるでしょう。

セールスエンジニアになるための学校の種類

学校の種類

セールスエンジニアになる上での学校には、「大学」、「専門学校」、「民間スクール」の大きく3タイプがあります。

<大学>
大学では、専攻する分野の知識を「学問」としてアカデミックに追及するタイプの授業形態となることが多いです。

また理系の大学であれば「研究室」に入り研究活動も行えるため、より技術の深い部分に入り込んでいくことも可能でしょう。

とくに、AIやビックデータのような高度なIT技術を扱うセールスエンジニアを目指す場合には、大学での教育を役立てやすいでしょう。

<専門学校>
専門学校は、大学のようにアカデミックな授業ではなく、実習形式の授業が多いため、セールスエンジニアとしての「実践的」な技術知識・スキルを身に付けやすい環境です。

<民間スクール>
民間スクールは専門学校と似ており、現場で用いるような実務的な技術知識を養いやすい環境です。

ただし専門学校のような正規の教育機関ではないため、「学歴」は得られません。

その分、専門学校よりも学費がリーズナブルで学習期間も短く、手軽に学びやすいのが特徴的です。

学費

セールスエンジニアになる上での学費については、おおよその目安として次のようになります。

<学費の目安(学校別)>
・大学:国立大学は4年間で約250万円、私立大は4年間で約500万円~600万円
・専門学校:2年制コースは約220万円~250万円、4年制コースは約400万円~500万円
・民間スクール:無料~数十万円(授業内容、学習期間、オンラインあるいは通学かなどでも費用は異なる)

私立大学や専門学校の学費はやはり高額であり、年間当たり100万円前後の学費が発生してきます。

対して、国立大学の学費は割安であり、学部問わず年間50万円前後となります。

スクールに関しては、オンラインレッスンであれば総額数万円程度で済むスクールもあり、さらには就職が成功すれば学費が完全無料になるスクールなどもあるため、学費は比較的リーズナブルです。

有利な学部・学科(IT系)

「IT系」のセールスエンジニアを目指す場合は、次のような学部・学科が将来的にプラスになりやすいでしょう。

<IT系セールスエンジニアを目指す場合に有利な学部・学科>
情報学
情報工学
・ITコンピュータ学部
情報システム学科
・情報処理科
・ITシステム科
ITエンジニアコース
・ITスペシャリストコース
など
※学部、学科名は学校により若干異なる場合もあります。

これらのIT・情報処理の学部に進学すると、セールスエンジニアとして働く上でも必要になる、OSやサーバー、データベースなどのITに関する技術的知識を養うことができます。

また、最近は「経営情報科」や「ITビジネス科」のような、IT×ビジネスに焦点を充てた学部・学科も増えてきており、そのような場で学ぶのも一つの選択肢となってくるでしょう。

有利な学部・学科(機械系)

「機械系」のセールスエンジニアを目指す場合は、「理工学部」や「工学部」などに進学し、機械工学電気工学などを学ぶのが効果的です。

なお、「自動車部品」「半導体」「電子機器」など、扱う機械によっても必要となる技術知識というのは変わってきます。

もし、「自動車業界のセールスエンジニアになりたい」、「半導体メーカーのセールスエンジニアになりたい」などと早くから具体的に将来を決めている人であれば、その業界やその機械に通じる特有の技術を学べる学部・学科に狙いを定めておいた方がより確実ともいえます。

必要な学歴

学歴については、大手企業と中小企業で事情が変わってきます。

大手IT企業や大手機械メーカーであれば、「大学卒以上」もしくは「専門学校卒以上」を募集条件として新卒採用を行うことが多く、高卒者ではエントリー対象から外れることがあります。

また、大手企業の場合、難関大学の学生なども多数エントリーしてきますので、採用を勝ち取る上では、やはり偏差値の高い大学に進学した方がより確実ともいえるでしょう。

一方で中小企業やベンチャー企業の場合は、大手に比べると学歴を厳しくはみておらず、「学歴不問」を掲げて採用活動を行う会社も少なくはありません。

高卒者や中卒者であっても、適性や熱意が伝われば、学歴関係なく採用されることもあります。

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セールスエンジニアに向いている人

セールスエンジニアに向いている人の性格的特徴としては、次のようなものが挙げられます。

<セールスエンジニアに向いている人の性格>
・人と話すのが好き
・長期的に同じ相手と関係を築ける
・学ぶことが苦にならない
など

セールスエンジニアは、アフターサポートなどで長期的にお客さまと関わっていくため、その場限りの付き合いではなく、長く良好な関係を築けるタイプの人が向いています。

また、最新の技術知識などを常に学習していく必要があるため、学ぶことが苦にならず、勉強することが嫌いでない人が向いているともいえます。

セールスエンジニアに向いている人・適性・必要なスキル

セールスエンジニアのキャリアプラン・キャリアパス

一人前になるまでのキャリアパス

新卒社員の場合、いきなりセールスエンジニアの職を任されることは少なく、一般的にはエンジニアからセールスエンジニアという順でステップアップしてくケースが多めです。

IT系の会社であれば、新卒入社後、まずはシステムエンジニアインフラエンジニアなどのエンジニア職として、開発現場に配属されることが多いです。

エンジニアとして構築作業や運用作業といった下流工程の経験を積んだのちに、徐々に要件定義や基本設計といった上流工程にシフトしていき、顧客折衝のスキルなどを身に付けながら、最終的にはセールスエンジニアに転身するというパターンが多めです。

ただし、新卒で配属された部署が上流工程に特化している場合などは、入社2、3年目の早い時期からセールスエンジニアを経験できることもあるようです。

いずれにしても、セールスエンジニアは営業力と技術力の両方が必要になるため、直ぐにこなせるような仕事ではなく、独り立ちするには相応の時間が必要になります。

一人前になった後に必要な努力

セールスエンジニアの場合、エンジニア職と同様に、進化していく最新技術を追っていかなければなりません。

時にはプライベートな時間も使い、技術書を読んだり、技術イベントに参加するなどして、自身の技術知識を広げる努力をしなければならないこともあります。

また、営業やセールスの手法についても、常に学び改良していく必要があり、さらに海外企業への提案などを担当することになれば、語学力なども身に付ける必要もあるでしょう。

そのようにセールスエンジニアは、技術面・営業面の両方を追求していくことが求められ、一人前になってからも慢心せずに向上心を持ち、自己研鑽していく姿勢が重要になってきます。

その先のキャリアプラン

セールスエンジニアの将来的なキャリアプランとしては、次のようなものが挙げられます。

<セールスエンジニアのキャリアプラン>
・現役のセールスエンジニアとして定年まで働く
・社内の管理職(課長職や部長職)にステップアップする
・現場の管理職(プロジェクトマネージャー)にステップアップする
・営業職やカスタマーサポート職などに転身する
・システムエンジニアやインフラエンジニアなどのエンジニア職に転身する
ITアーキテクトITコンサルタントなどに転身する
・他社や他業界のセールスエンジニアに転身する
など

セールスエンジニアはお客さまと自社の間に立つ立場となり、システム開発における上流工程寄りの知識や経験も身に付きやすいため、将来的に「プロジェクトマネージャー」のようなマネジメント職に任命されることも少なくはないようです。

また、セールスエンジニアとして働く中で、逆に営業に興味をもち営業職に転身するケースもあり、技術分野に関心を持ちエンジニア職に移行するケースもあります。

いずれにしても、営業と技術の両面を持ち合せている分、将来的に描ける選択肢の幅は広い職種といえるでしょう。

セールスエンジニアを目指せる年齢は?

未経験であれば若い方がよい

セールスエンジニアは、営業職と同様に「人間性」の部分も重要視される職業です。

ある程度年齢を重ねたベテランのセールスエンジニアの方が、心理的にお客さまからの信頼を得やすいというケースもありますので、むしろ年齢が高い方が有利になることもあります。

ただし前述もしたように、セールスエンジニアは一人前になるまでに長い時間の掛かる職種です。

そのため未経験者の場合は、育成期間なども考慮し、20代の若い人が優先されやすい傾向があり、30代以降となってくると就職活動は苦戦が強いられる可能性も高いでしょう。

同時に、セールスエンジニアは人手が不足している職業でもあり、中小企業などは「年齢不問」の条件で積極採用している会社も目立ちますので、あまりより好みしなければ年齢関係なく挑戦できる状況でもあります。

経験を積めばフリーランスとして活躍もできる

最近はセールスエンジニアが行うような提案活動業務やプリセールス業務を、フリーランスの個人に業務委託している会社も増えてきています。

フリーランスには定年というものはなく、クライアントからの仕事を獲得できるスキルさえあれば、何歳になっても活躍することができます。

60歳の定年までは企業内のセールスエンジニアとして働き、その後は独立し、フリーランスとして活動するというケースも今後は増えてくるかもしれません。

セールスエンジニアは女性でもなれる?

セールスエンジニアは、女性であってももちろんなることはできます。

セールスエンジニアの場合、営業的な要素も強く、クライアントとのコミュニケーションの部分にも重きが置かれているため、潜在的な対人スキルの高い女性の方が、むしろ向いている部分もあります。

ただし、セールスエンジニアの就職先となるIT企業や機械系メーカーなどは、やはり業種的に男性の絶対数が多く、女性のセールスエンジニアというのはまだまだ少数派なのが現状です。

とはいえ、最近は「理系女子」や「エンジニア女子」なども定期的に話題となり、セールスエンジニアを志望する女性も以前から比べると増えてきているようです。

また、セールスエンジニアは人手不足な職業でもあるため、企業側としても女性層やシニア層の労働力に注目し人材として確保しようとする動きも見られますので、今後は女性のセールスエンジニアというのも当たり前になっていくかもしれません。