プログラマーの需要・現状と将来性
プログラマーの現状
プログラマーは「プログラムを組む人」というイメージは、今も昔も変わりません。
しかし、プログラマーを取り巻く環境や、働き方は2000年頃からの10~20年で、以下のとおり大きく変わりました。
- 主流は長期間・大規模の「ウォーターフォール開発」から、短期間・小規模の「アジャイル開発」へ
- フレームワークの使用により、効率的にコードを作成することが可能に
- 通信技術の発達により、働き方の選択肢が増える
- 技術職といえども、コミュニケーション能力が重視される
- 雇用の流動化により、「まったくの未経験から入社し、プログラマーを目指す」ことは厳しい状況になった
技術の発展により、プログラミングをするハードルは低くなっているものの、プログラマーになるためには相応の努力が求められる時代になったといえるでしょう。
また、開発サイクルも短期化しています。
なかには1週間サイクルというプロジェクトもあるため、次々にプロジェクトが発生して「ずっと忙しいまま」というプログラマーが出てきても、不思議ではありません。
プログラマーの需要
プログラマーは、恒常的な人手不足の状況にある職種です。
なかでも仕事がある程度できる経験者は、よい条件で転職できる状況といえます。
とりわけ需要が高い「旬」の言語を身につけているプログラマーは、引く手あまたという方も多いでしょう。
一方、好条件の待遇を提供する企業はともかく、プログラマーを求める企業の多くは、経験者だけでは足りない場合が多いです。
このため未経験者であっても自分でプログラムを組み、なんらかの成果物を作った方であれば、企業に入社し活躍できる可能性は少なからずあります。
とくに20代から30代前半の若い世代は歓迎されやすく、大きなチャンスがあります。
社会は「攻めのIT」「デジタルトランスフォーメーション」「機械学習」などへの対応を求めていることもあり、プログラマーの需要は引き続き高いままといえるでしょう。
プログラマーの将来性
現場のニーズが大きいプログラミング言語は、年々変わっていきます。
TECH Streetによる「プログラミング言語別年収ランキング(2020年度総合版)」の調査結果では、20代で平均年収が高いプログラミング言語の上位は、以下のようになっています。
- 1位:R(476万円)
- 2位:Scala(440万円)
- 3位:Objective-C(407万円)
- 4位:COBOL(406万円)
- 5位:Perl(405万円)
プログラミング言語は、上記に挙げたもの以外にも数多くあります。
新しい言語の登場や、IT業界のトレンドなどによって、数年後には上記のランキングが大きく変動することも十分にあり得ます。
そのため、現在もっているスキルを伸ばすことはもちろん、新しい言語の習得も欠かせません。
プログラマーの今後の活躍の場
プログラマーは、IT企業はもちろん、それ以外の企業にも活躍の場が広がってきています。
ITを本業としない「ユーザー企業」といわれる企業においても、システム部門以外でプログラマーを積極採用する企業が続々と現れていることは特筆すべき点といえます。
ある有名ECサイトでは、自社でシステムを作ることで、スピーディーな開発と外注費の削減を両立しています。
費用を抑えながら企業業績の向上に貢献できることは、企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
このようにプログラマーは「IT企業」をはじめ、「製造業」や「ユーザー企業のシステム管理部門」だけではなく、さまざまな業界で活躍できる職種となっています。
そのため、今後もおおいに活躍できる職種といえるでしょう。
参考:情報サービス業に関するデータ
情報サービス業の売上高
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、情報サービス業の売上高は総じて上昇しています。2021年度は15兆2970億円となっています。
情報サービス業の従業員数
情報サービス業の従業員数は増加を続けていましたが、近年は横ばいの傾向にあります。2021年時点での従業員数は、432,449人でした。