日本語教師に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
日本語教師に向いている性格・適性
人に教えることが好き
日本語教師は「人に物事を教える」仕事なので、基本的に人と接することを楽しみ、何かを伝えたり、アドバイスをしたりするのが好きな人に適性があるといえます。
とくに日本語の学習者は、生活環境や文化、習慣も違う外国人です。
日本人であれば無意識に使い分けていた言葉も外国人にとっては疑問に思うことが多々あり、生徒に具体的に説明するスキルや能力が必要になります。
日本語に関する知識や教授方法、さらにどういう教材が生徒の興味を引くのか研究することも含め、自分の知識をどんどん深めながら、わかりやすく人に教えることが好きな人にこの仕事は向いているでしょう。
異文化・日本文化に興味がある
日本語教師は、ただ日本語の文法を教えるだけではなく、日本の文化や歴史、習慣などを伝える役割も担っています。
また、最近はアニメや歌などエンターテインメントの分野をきっかけに日本語に興味を持つ学習者が増えていることもあり、幅広い分野についての最新情報をつかむ努力をすることが必要です。
一方、さまざまな文化背景を持つ生徒に対応するには、世界の歴史や経済、国際情勢などについても、日ごろから関心を持っていることが大事です。
お互いの国の文化を尊重し合い、それを受け入れたり、知らないことを知ったりすることを楽しめる人なら、日本語教師の仕事に前向きに取り組めるでしょう。
外国語にも関心がある
これは必須ではありませんが、外国語に関心のある人や外国語の学習経験がある人は、日本語教師の仕事をするうえでも役立つでしょう。
母国語以外の言語を学ぶことの大変さや、どういうところが難しいのかが実感できると生徒の気持ちをより深く理解できますし、言葉全般に敏感であることで、日本語に対する意識も高まります。
また、生徒の多くは、アジア圏の人たちです。
その人たちとのコミュニケーションに英語を使うなど、日本語以外の外国語を介することで、心が通じ合うことがあります。
日本語教師は日本語をかたくなに話すだけではなく、外国語に関心を持って生徒とのコミュニケーションを図ることが大事です。
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日本語教師に必要なスキル・能力
忍耐強さ、根気強さ
外国人の生徒と上手に関わっていくには、異文化を受け入れ、相手と根気強く向き合う必要があります。
ときには価値観や習慣の違いから多少のすれ違いが生じたり、コミュニケーションがうまくとれなかったりすることがあるかもしれません。
日本語教師が説明したことに対しても、全員の生徒がすぐ100%納得したり、受け入れたりしてくれるとは限りません。
そんなときには、生徒が何に違和感を持っていたり、不安を感じたりしているのかをよく考えて、逃げずに向き合っていくことが大事です。
どんな人も受け入れることができる包容力があり、根気強さや忍耐力のある人は、日本語教師に向いているといえます。
主体性を持ち、周囲を巻き込んでいく力
日本語教師は、生徒の前に立ち、自分の話で生徒をよりよい方向へと導いていきます。
ただ何も考えずに立っているだけでは事が動きませんから、自分が主体性を持って物事を進めていく意識が必要になります。
授業の内容は事前に計画を立てるため、あくまでもその計画に沿った形で進めればよいのですが、生徒を楽しませる魅力的で臨場感あふれる授業をするためには、教師自身の情熱や前向きさなども必要になってきます。
熱量が高く、周囲の人をどんどん巻き込めるようなタイプの人は、日本語教師に向いているといえるでしょう。
どのような場でも臨機応変に動ける力
日本語教師は海外で活躍するチャンスもありますが、海外の勤務地で生活するためには、その国の食べ物を食べ、現地の言葉を覚え、現地の習慣に沿った生活を送る必要が出てきます。
異文化の中では、ささいな摩擦はつきものです。
同じ日本人でも個々の性格や資質によって対処方法は違いますが、とくに海外で働く場合には、適応力や臨機応変さがより重要なものとなります。
働く国によっては、日本のように紙や筆記用具が満足にそろってなかったり、コピー機やパソコンなどの機械もないことがあります。
そんなときには、身の周りにあるものを使って授業をするなどの創意工夫が求められます。
日本語教師の英語力はどれくらい必要?
日本国内ではほとんど必要なし
外国人に対して日本語を教える日本語教師は、英語力が必要な仕事といわれることがあります。
しかし、日本国内の日本語学校やスクールで指導をする場合には、英語力が求められる場面はほとんどありません。
それというのも、国内の日本語学校ではたいていの場合、日本語を使って日本語を教える「直接法」がとられているからです。
日本語教師としてのスキルを身につけ、日本語さえきちんと話すことができれば、英語がほとんどできなくても業務に支障はないでしょう。
欧米圏では英語力が必要
もし、海外で日本語教師をするのであれば、日本国内で働く場合とは異なり、英語力が求められることも出てくるでしょう。
とくに欧米圏では、英語をはじめ、その国の母語を使って日本語を指導する「間接法」が一般的となっているため、英語を使う場所であれば英語力が必要になります。
どの程度の英語力が求められるかは勤務先によって異なりますが、最低ラインとしてTOEIC700点程度となっていることが多いようです。
しかし、現地の人や他の教師たちとスムーズにコミュニケーションをとるためにも、現時点の能力で満足せずに、英語力は高めておくに越したことはありません。
国内でも英語力が求められるケースも
先に、日本国内で日本語を教える場合には英語力はほとんど必要ないと述べましたが、一部の場所では国内でも英語力が必要になることがあります。
たとえば、インターネットを使って海外の生徒にオンラインで日本語を教える場合や、外資系企業で日本語を教える場合などは、英語を使って日本語を教える「間接法」がとられることが多いです。
そのため、海外で日本語教師をするのと同程度の英語力が求められることがあります。
国内の一般的な日本語学校で働くことだけを考えるのであれば、英語力を高める必要はとくにありませんが、英語力があると就職先の選択肢が広がりやすくなります。
日本語教師に向いていないのはどんな人?
日本語教師は、人前で話す機会が多くありますが、特別に喋り上手でなくては務まらないわけではありません。
どちらかというと、人の話をきちんと聞くことができる人に向いているといわれることもあるほどです。
この仕事では、生徒一人ひとりの夢や目標、悩みなどにしっかりと寄り添い、相手が求めることをきちんと提供できることが、生徒に信頼され慕われるためのポイントといえます。
そのため、相手を差し置いて、ただ自分だけが注目を集めたいという人は日本語教師にはあまり向いていないといえるでしょう。
相手の立場や意見も尊重しながら、日本語教師としてやるべきことをきちんとやっていく姿勢が大切です。