教職課程で勉強すること・学生生活

教職課程で勉強すること

教育職員免許法および同法施行規則の改正により、教職課程で履修すべき事項が約20年ぶりに見直され、2019年4月1日より全国の大学において新たに履修内容を充実させた教職課程が実施されています。

以前は「教科に関する科目」「教職に関する科目」「教科又は教職に関する科目」と3つに大別されていましたが、より実践的指導力のある教員を養成するため、新課程では「教科及び教職に関する科目」に大くくり化され、教科の専門的内容と指導法を一体的に学ぶことが可能となりました。

履修内容は取得を目指す教員免許の学校種(小学校・中学校・高校など)や教員免許状の種類(専修・1種・2種)などによって若干異なりますが、一般的な「教諭」の場合、おおまかには以下のようになります。

教科及び教科の指導法に関する科目

国語・社会・数学・理科など、教師になって担当したい教科に関する大学レベルの専門的な知識や技能を身につけます。

たとえば中学校社会科の教師を目指す場合は、「日本史及び外国史」「地理学」「法律学」「社会学」「哲学」などの科目を履修します。

また実際の授業をどのように設計し、実践していくか、具体的な指導方法や技術も各教科内容とあわせて学びます。

新課程では、小学校の教員免許を所得する際の履修科目に「外国語(英語)教育」が新たに加えられ、また指導法についてはパソコンやタブレットなどICTの活用やアクティブラーニングの視点を取り入れることが求められています。

教育の基礎的理解に関する科目等

教師という職業に必要な、基本的な資質を身につけることを目的とした科目です。

科目名は大学によって異なる場合がありますが、具体的な科目をいくつか挙げます。

教育の理念や教育に関する歴史・思想を学ぶ「教育原理」、児童・生徒の心身の発達や人格形成の過程を学ぶ「教育心理学」、道徳の理論やその指導法を学ぶ「道徳教育論」などがあります。

また生徒指導や進路指導の理論や方法を学ぶ授業やカウンセリングに関する基礎的な知識を含む教育相談の理論や方法を学ぶ授業もあります。

さらに「教育実習」など教育実践に関する科目もあります。

その他

「日本国憲法」「体育実習」「情報機器の操作」など文部科学省令で定める科目や「メディア教育論」「教育インターンシップ」など各大学が独自に設定する科目を学ぶこともできます。

なお、人の心の痛みがわかる教師を育てるため、社会福祉施設や特別支援学校などで7日間以上の介護等の体験を行う授業は、小学校または中学校の教員免許を取得する際に必修となっています。

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教育実習で勉強すること

教育実習の概要と意義

教育実習では、教職課程の総仕上げとして、実際の教育現場で子どもたちと接しながら教師の仕事を体験します。

それまで学んできた成果を実際の現場で点検・確認すると同時に、学生自らが教職への適性や進路を考える貴重な機会でもあります。

教育実習はおもに学生の母校で行われますが、場合によっては大学周辺の学校や大学の付属学校で行うこともあります。

実習生の受け入れは多忙を極める学校現場においては大きな負担となりますが、多くの先輩教師たちの「後輩を育てる」という使命感によって教育実習が実現しています。

実習期間は一般的に幼稚園・小学校で4週間、中学校で3週間、高等学校で2週間とされています。

実習は通常4年次の5~11月までの間に実施され、その前後に事前指導・事後指導もあります。

実際の実習内容

教育実習の内容は受け入れする学校ごとに異なりますが、多くの場合、実際に児童・生徒の前で授業するだけではなく、学校で行われているほぼすべての教育活動に参加します。

実習期間の前半では、おもに現職教員の授業を見学して、授業の進め方、指導法などを観察します。

担当学級では朝夕のホームルーム活動に参加し、給食や清掃などの指導も行います。

部活動や学校行事での指導、必要に応じて学校運営に関わる校務を行うこともあります。

さらに指導教員の指導のもと、担当する教科の教材を研究し、学習指導案などを作成します。

後半には作成した学習指導案をもとに、実際に授業を行い、宿題や提出物の確認、添削なども担当します。

最後は教育実習の集大成として、指導教員などに自分の授業を見学してもらう「研究授業」を行います。

授業後は反省会を行い、見学してもらった教員や校長・教頭などの管理職からアドバイスをもらいます。

教職を目指す学生の生活

教職を目指すには、教育を専門的に学ぶ教育学部に入る方法と、大学のほかの専門学部に所属しながら教職課程を履修する方法があります。

後者の場合は、卒業に必要な単位とは別に教員免許取得に必要な単位を取ることになるので、科目数が増えてかなり忙しくなります。

アルバイトやサークル活動がなかなかできないという声もありますが、1年生のときから計画的に単位を取り、充実した学生生活を送る人もいます。

教育学部は男女比が半々くらいで、教師になりたいという高い志をもった学生がほとんどなので、おおむね真面目で落ち着いた雰囲気になる傾向があります。

また「教員免許取得」「採用試験突破」という共通の目標があるため、学部の友達とは一致団結しやすく、自然と仲間意識も高まります。