教師の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
また、学校には小学校・中学校・高校などがあり、各学校に通う子どもの成長段階に応じた接し方をすることが重要です。
この記事では、教師の仕事や業務の内容、役割などを詳しく紹介しています。
教師の仕事とは
教師の主な仕事は、小学校、中学校、高校、特別支援学校などの学校で学習指導要領に沿って授業を行うことです。
学習指導のほか、生活面や道徳面の指導を通して、児童・生徒が健全に成長できるようサポートします。
そのほか、学級経営や学校行事の企画・運営、授業の準備、部活動指導、進路指導、保護者との交流、地域活動など、教師の仕事は多岐にわたります。
教師は、子どもたちが社会に出ていくために必要な「生きる力」を養えるように、総合的なサポート・指導を行います。
20代で正社員への就職・転職
教師の業務の内容
ここからは、教師の業務内容について、詳しく説明していきます。
教科指導
教師の仕事の中心となるのが、教科の授業です。
授業を通して、学力の基となる基礎的・基本的な知識や技能、またそれらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力などを身につけられるよう指導します。
そのためには、目標やそれに沿った指導計画の作成、教材や他の教師の授業の研究を十分行い、授業の準備をする必要があります。
また、テストやレポートなどで評価を行い、それを基に授業の改善を図ることも重要です。
生徒指導
挨拶・規則正しい生活・正しい言葉遣いなど生活面の指導や、他者を思いやる心などの道徳面の指導を行います。
それらを通して、児童・生徒それぞれの個性を伸ばし、人間性豊かに育つようサポートしていきます。
問題行動があればそれに対処するなど、一人ひとりの児童や生徒と向き合いながら、子どもたちが今後社会に出て自発的に判断・行動し、その言動に責任をもつことができるように導いていきます。
進路指導・キャリア教育
児童・生徒が将来どんな職業に就きたいのか、社会に出て何をしたいのか、自ら考え選択できるように、卒業後の進学や就職について指導・援助をします。
また、インターンシップや職場体験を通して、働くことへの関心・意欲をもたせ、社会人として自立していけるように導いていく「キャリア教育」も近年重要視されています。
特別活動の指導
「特別活動」とは、集団活動を通して、個性を伸ばし、実践的態度を育てることを目的とした教科外活動のことです。
児童・生徒が当面する諸問題への対応など、より充実した学校生活となるよう、学級活動・ホームルーム活動や児童会・生徒会活動の指導を行います。
また入学式・卒業式・運動会・文化祭・修学旅行などさまざまな学校行事の企画・運営も行います。
その他の業務
その他にも。教師は以下のような業務を行います。
- 部活動の指導(顧問)
- 保護者とのコミュニケーション
- 地域活動
- 教員会議 など
学校運営に関わるものや、書類作成といった事務的な業務も多いです。
教師の役割
ここからは、教育者である教師の役割を説明します。
教育とはどのようなものかもあわせて考えていきましょう。
教育の意義
「教育」とは、その言葉通り「教え育てること」です。
教育を受ける人に知識や技能を授けたり、人間性を養ったりして、その人がもつ素質や能力を引き出します。
また、社会の文化や言葉やルールなどを伝え、社会に適応させることでもあります。
個人が幸せで充実した人生を実現し、それによって国家や社会がよりいっそうの発展を遂げるための原動力となりうるものです。
つまり教育とは、「社会の未来をつくるもの」ともいえるでしょう。
教師は、教育に最前線で携わる職業であり、教育者として子どもたちが未来に向かってのびのびと生きられるように支える役割を担います。
学校教育の役割
教育は、大きく「家庭教育」「社会教育」「学校教育」の3つに分けられますが、なかでも学校教育は教育の中心となるものです。
学校教育は子どもたちの発達の段階に応じて、一定の順序を追いながら計画的に教育を行うことを基本的な役割としています。
それにより子どもたちはそれぞれの発達に合わせて、教育内容を無理なく確実に習得し、それらを活用することができるようになります。
さらに学校は、生活・道徳指導を通して、豊かな心と健やかな身体を養う、人格形成の場でもあります。
とくに義務教育には、すべての国民が分け隔てなく、社会で生きていくために最低限必要な能力や資質を養う役割があります。
教師の役割
児童・生徒に知識や技能を教えることが教師の役割です。
教師の教え方によって子どもたちの理解度は大きく変わるため、どうしたら楽しく学んでもらえるのか、ちゃんとわかってもらえるのか工夫をすることが必要です。
また、上から教えるだけではなく、児童・生徒が自ら学び、自ら考える力を養えるように導いていくことが求められます。
さらに生活・道徳指導を通して、児童や生徒一人ひとりが個性を伸ばし、人間性豊かに育つようサポートしていくことも、教師の大事な役割のひとつです。
とくに義務教育を受ける6歳~15歳の子どもたちにとって、この時期は人格を形成するにあたって重要な期間となります。
今後、子どもたちが社会に出ていくために必要な「生きる力」を養うことが教師の大きな役割といえます。
20代で正社員への就職・転職
教師の勤務先の種類
教師が活躍する教育機関(学校)は、いくつかの種類に分けられます。
以下で、各学校の特徴と、教師の主な仕事を紹介します。
学校種による分類
小学校
小学校では、満6歳から12歳の児童に対し、基礎的な学習や生活を指導します。
小学校教師は学級担任制で、国語・算数・体育などすべての科目を一人で教えることが基本となるので、幅広い知識や技術が求められます。
中学校
中学校教師は学級担任もしますが、教科担任として自分の専門科目をもって授業を行うことが基本となります。
また中学生は思春期にあたり精神的に不安定になりがちな時期でもあるので、生徒の気持ちに寄り添ったサポート・生活指導も大事になります。
高等学校
高校では科目が中学校より細分化され、高校教師は自分の担当教科で、より高い専門性をもった授業を行います。
また今後の人生を左右する時期であるため、進路相談や就職相談も大切な仕事となります。
日中に授業を行う全日制の高校が一般的ですが、定時制や通信制の高校もあります。
特別支援学校
特別支援学校教師は、障害をもった児童や生徒に対して授業を行い、困難が多い子どもたちの日常生活のサポートも行います。
特別支援学校には、幼稚部・小学部・中学部・高等部があり、なかには小学部から高等部までの一貫教育を行う学校もあります。
その他の分類
公立学校
おもに地方公共団体が設置している学校で、文部科学省が定める学習指導要領に基づいて教育が行われます。
公立学校の教師になるには、教員免許を取得後、各地方公共団体が実施する教員採用試験に合格する必要があります。
採用されれば地方公務員としての扱いとなり、定年まで働き続けることができますが、数年おきに異動があるため、ライフプランが立てづらい面があります。
私立学校
おもに私立学校法に基づく学校法人が設置する学校で、各校独自の教育方針に沿って教育が行われます。
私立学校教師になるには、教員免許を取得後、各学校が独自に実施する教員採用試験に合格する必要があります。
終身雇用が基本で、原則として異動はないため、ライフプランが立てやすく家庭生活と両立しやすいといえるでしょう。
教師の仕事の流れ
-
1.出勤
児童・生徒が集まる1時間ほど前には出勤し、授業の準備、登校指導などを行います。その後、教職員による朝の打ち合わせに参加します。
-
2.ホームルーム、授業開始
学級担任をしている場合はそれぞれの教室でホームルーム(朝の会)を行い、授業を開始します。 -
3.給食
小・中学校の場合は、給食を児童・生徒と一緒に教室で食べ、片付けまで指導します。 -
4.午後の授業開始
昼休憩をはさんで午後の授業を行い、帰りの会をして、児童・生徒を下校させます。 -
5.放課後
部活動を担当している場合はその指導を行います。このほか、翌日の授業準備、成績処理、職員会議、校内行事の準備などの業務を片付けます。
-
6.退勤
決まった勤務時間は17時ごろまでが基本ですが、膨大な事務作業のため19時ごろ、日によってはさらに遅い時間まで残業する教師もいます。
教師と塾講師の違い
教師と仕事内容が似ている職業に「塾講師」が挙げられます。
教師も塾講師も「生徒に対して授業を行う」という点では同じですが、いくつか違いもあります。
仕事内容の違い
教師は授業のほかにも、生活指導や部活動指導、保護者との面談などさまざまな業務を行います。
子どもたちに対して、学習の指導だけではなく、社会性を身につけ、人間性豊かに成長するようにサポートをしていくという役割があります。
一方、塾は「成績アップ」「志望校合格」といった目的のために通う場で、塾講師は「勉強を教えることに特化した存在」といえます。
資格の違い
教師と塾講師は、資格面でも違いがあります。
教師になるには、教職課程を修了して教員免許を取得する必要がありますが、塾講師は教員免許がなくても指導を行うことができます。
ただし塾講師として採用されるためには、一定以上の学歴が要求されることもあります。
なお、教師は朝8時ごろから夕方5時ごろまでの勤務が多く、基本的に朝型の生活サイクルとなります。
それに対して、塾の授業は学校が終わった夕方以降に行うことが多いため、塾講師の生活サイクルは夜型になりやすいといえます。
塾講師の仕事
「教師の仕事」まとめ
教師は、小学校・中学校・高校などの各学校において、各教科の指導のほか、生活指導、部活動指導、進路指導などを行い、子どもたちが健全に成長できるように導きます。
そのほか、保護者とのコミュニケーションや学校運営に携わるなど、業務の内容は多岐にわたることが特徴です。
学校の種類によって通う子どもたちの年代が異なるため、成長段階に応じた接し方をすることが求められます。