公務員の仕事は本当に楽? 雇用は安定してる?

公務員が楽だと言われる理由は?

公務員になりたい人のなかには、その理由として「仕事が楽そうだから」「マイペースで働けそうだから」などと考えている人もいるかもしれません。

しかし、短絡的に「公務員=仕事が楽」と決めつけてしまうのは少々危険です。

というのも、公務員は日本全国に300万人以上もおり、勤務先や職務にもさまざまなものがあるからです。

たとえば、法律や予算など国の未来をつくっていく仕事、人の人生を大きく変えうる裁判で判決を下す仕事、あるいは過酷な環境での訓練を行って、ときに危険な現場で人の命を守るような仕事。

このような仕事は、背負う責任やプレッシャーも非常に大きなものとなることが想像できるでしょう。

そもそも公務員の仕事が楽といわれる背景には、「町の役所でのんびりとデスクワークをして、定時になったら即座に帰る」そんな昔ながらのイメージが根付いているのかもしれません。

ですが、公務員の全員が役所で働くわけではありませんし、役所でも膨大な業務量を抱え、住民の生活をより良いものにするために朝早くから夜遅くまで働いている職員もいます。

市民と直接触れ合う機会が多い立場にいれば、市民から無理難題やクレームをつきつけられることもあります。

公務員の使命は「全体の奉仕者として、国や地域のための仕事をすること」ですので、常に公平に、公正な価値観の下に働く必要があります。

どうしてもルールに則った動きが求められることが多いので、その点が、外からは楽そうに見えるところもあるのかもしれません。

ですが民間と同じように、ただ楽なだけの仕事でないことは公務員も同じです。

公務員の仕事内容・職種一覧

公務員の大変なことはどんなこと?

目に見えないサービスを提供する苦労

公務員の仕事は、民間で行われているようなモノの売買ではありません。

いつでも公務を通じて国民や住民に形のないサービスを提供するので、相手が本当に満足してくれているのかわかりにくかったり、自分の仕事の成果が見えにくいところがあります。

また、いくら国民や住民一人ひとりにしっかりと寄り添いたいと思っていても、国民や住民が置かれている立場や境遇はまちまちで、自分の思い通りようにいかないことも多々あります。

そんなときにはもどかしさと、やりきれない思いを抱くかもしれません。

公務員を取り巻く環境は厳しさを増している

社会の変化によって、公務員の置かれている状況は、昔に比べると厳しくなっています。

たとえば、2014年には国家公務員の定員を2015年からの5年で毎年2%以上削減し、人件費を抑制するといった基本方針案が決定されました。

また、2012年4月から2014年の3月までの2年間には、東日本大震災の復興財源確保のため国家公務員の給与を平均7.8%減額する措置が取られており、同時に地方公務員も各自治体が給与の削減に踏み切った事例があります。

公務員の定員や給与の削減は毎年のように議論が続けられており、公務員だからといって安心していられるわけではありません。

また、世間の公務員に対する「安定」のイメージが、ときにネガティブなほうへ発揮されることもあります。

とりわけ霞が関で働く官僚などは民間からのバッシングも強くなっており、肩身の狭い思いをすることもあるようです。

それでも雇用は安定してる?

給与や待遇・福利厚生の充実

苦労や大変なことがあり、厳しい状況にも置かれている公務員ですが、それでも公務員は安定しているといわれることが多いです。

その大きな理由としては、「給与」や「待遇・福利厚生」が挙げられます。

公務員の給料は、人事院の定める俸給表に沿って支給されます。

支給額は年齢、勤続年数、階級によって上がっていくため、基本的には長く働けば働くほど多くの収入が得られるようになります。

会社の業績次第で給与額が変動したり、ボーナスがカットされたりもする民間に対し、たとえ上がり幅は少なかったとしても、よほどのことがないかぎり下がることはない公務員。

これが、公務員の安定さを表している理由のひとつと考えられます。

また、諸手当が充実していることも、公務員の特徴です。

扶養手当、住居手当、地域手当、通勤手当、単身赴任、病気休暇手当など、公務員には手厚い手当が用意されており、待遇面は民間よりも充実しているケースが多いです。

長期的にじっくりと働ける

公務員の多くは、国家公務員法や地方公務員法によって、その身分がしっかりと保障されています。

民間とは異なり、急なリストラや会社の倒産といった心配はありませんし、国と社会全体のために長期的に働くことができます。

また、公務員の職場は、充実した休暇・休業制度によって、結婚・出産・介護といったさまざまなライフイベントに直面しても仕事を辞めずに続けやすいしくみが整えられています。

もちろん、公務員から民間等へ転職をする人もなかにはいますが、長年勤めて公務員として定年を迎える人も大勢います。