公務員になるには? あると有利な資格は?
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公務員になるまでの道のり
公務員になるには、必ず「公務員試験」を受けなくてはなりません。
国家公務員にしても地方公務員にしても、「公務員は公正でなくてはならない」といったことが法律で定められており、そのために競争試験によって公平に採用を行っています。
ひとくちに公務員試験といっても、「職種」や「区分」にはいろいろなものがあります。
ここでいう職種というのは、事務職、技術職、公安職といったもので、それぞれ採用後に従事する業務の内容が異なります。
さらに職務の難しさや試験の難易度に応じて、総合職や一般職、上級・中級・初級といった区分に分かれています。
また、公務員試験は国家公務員であれば国、地方公務員であれば地方自治体がが独自に実施しており、試験によって日程も異なれば、試験の内容もまちまちです。
いずれの公務員試験でも、合格し、採用されることで、公務員となって働くことができます。
必要な資格、あると有利な資格は?
公務員試験は、一部の試験を除いて、何か特別な資格を持っていなくても受験することができます。
国家公務員も地方公務員も、学歴や年齢制限などの応募資格を満たしていれば受験できる試験が多くあります。
警察官や消防士を目指す場合には、健康状態や身体能力も合否を決める要素のひとつとなりますが、業務に必要なスキルを採用後に身につけます。
一方、公務員試験の受験にあたって、国家資格や免許が必要になることもあります。
それは「資格免許職」や「専門職」といわれる種類の公務員試験を受ける場合です。
例を挙げると、医師、看護師、薬剤師、保育士、栄養士などや、心理職・福祉系の公務員として働こうとする場合には、それぞれの業務に関連する資格・免許を取得していること(あるいは取得見込み)が要件となってきます。
資格・免許が受験資格として定められていない場合でも、技術系の職種では業務に関連する建築・土木・電気系の資格を持っていたり、事務職でも高度な英語力や事務スキルを証明するような資格があると、業務に役立つ可能性はあります。
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公務員になるための学校の種類
公務員になるためのルートはいくつもあります。
公務員試験は、基本的に特定の学校を出ていないと受けられない試験ではありませんし、あらゆる学歴の人に門戸が開かれています。
また、受験にあたって学部・学科は基本的に関係なく、文系・理系どのような人でも受験可能です。
多くの試験は年齢要件を満たせば受験できるものとなりますが、一部、大学院の課程を修了することが要件となる試験や、高卒者向けで大卒者は受験できない試験などもあります。
公務員のなかでも、特定の仕事や立場で働きたいと決めている場合には、早いうちに該当する試験の受験資格を確認し、進路を決めるほうがよいでしょう。
たとえば「将来は官僚として、日本をリードする立場になりたい!」と考えているのなら、国家公務員の総合職試験を受験しなくてはなりません。
総合職試験は公務員試験のなかでも最難関とされ、合格のためにはトップレベルの国立大学や私立大学に進学し、勉強に打ち込む必要があるとされています。
また、公務員の看護師や管理栄養士、学校の教員といった資格免許職に就きたい場合は、それぞれの資格・免許を取得するための養成課程のある学校で学ぶことが、なるための近道となります。
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公務員に向いている人
世の中や人のためになることがしたい人
公務員は、法律によって「国民全体の奉仕者である」と定められています。
これはつまり、日本という国をよりよいものにして、人々が暮らしやすい世の中をつくるために力を尽くす存在であるということです。
国家公務員であれば国や国民全体のため、地方公務員はおもに各地域に暮らす住民のために、日々仕事をしています。
そんな公務員には、自分自身さえよければいいと考える人よりも、「世の中や人の役に立つことがうれしい!」と思える人が向いているといえます。
じっくりと長期的に働きたい人
公務員は、あらゆる国民や住民に公平・公正にサービスを提供するため、法律等で決められたルールに則って確実に業務を進めていく必要があります。
各社がスピーディーに、独自のやり方で新たな価値を生み出しながら利益を追求する民間企業とは異なり、公務員の職場では個人の高い営業成績や、売上を求められることはありません。
そのため、じっくりと、長期的な視点を持って働きやすい環境があります。
もちろん、公務員だからといって仕事が楽なわけではありませんが、真面目で、求められることをコツコツ続けていけるようなタイプの人は、公務員の適性があります。
新しいことにも嫌がらずに取り組める人
公務員には異動がつきものです。
公務員の活躍の場や仕事の分野は非常に広いので、ときにまったく予想していなかった部署に配属されたり、自分がやりたいと思っていなかった仕事を任されたり可能性もあります。
そんなときでも、嫌がらずに仕事に取り組めるかどうかは、公務員として長く働き続けるための大事な要素になってきます。
新しい挑戦を自己成長の機会ととらえ、前向きに過ごしていけるような人が公務員には向いています。
公務員のキャリアプラン・キャリアパス
公務員試験に合格して国や自治体に採用されると、配属先で研修を受けたり、先輩に教わったりしながら仕事を覚え、ステップアップを目指します。
警察官や海上保安官など、職種によっては特別な学校に入学し、基礎的な教育・訓練を受けてから現場に出る場合もあります。
公務員には異動があり、早ければ1~2年、あるいは3年以上で異なる部署や勤務地に移り、引っ越しをともなう転勤をすることもあります。
いろいろな仕事を経験しながら、幅広い知識・スキルを身につけていくことになります。
配属先によっては海外勤務や、他機関への出向を経験することもできます。
昇進・昇格については採用区分や職種によっても異なりますが、国家公務員総合職のように比較的速いスピードでキャリアアップできるものの、厳しい出世競争にさらされる立場の人もいます。
公務員を目指せる年齢は?社会人からなれる?
公務員試験は、試験の種類によって30歳前後までしか受験できないものもあれば、30歳以上、あるいは実質、年齢制限なく受験できるものもあります。
ただし、年齢が若いほうが受けられる試験の選択肢は広がるので、もし公務員になりたいのであれば、早めに目指すことをおすすめします。
一方、最近では公務員の世界でも中途採用が活発に行われており、民間企業などで社会人経験を積んでから公務員への転職を考える人も増えています。
転職希望者を対象とする試験の場合、職務経験や保有資格・スキルが受験要件となることもあります。
学歴や職務経験が求められる試験も
最近の公務員試験は、社会人経験者を積極的に採用したいという考えから、30歳以上の人にも門戸が開かれているものが増えています。
ただし、なかには年齢要件に加えて、「大学や大学院を卒業していること」などの学歴要件が課されている試験や、「民間企業等における業務従事歴が〇年以上あること」などの職務経験が応募資格のひとつとして掲げられる試験もあります。
もし新卒ではなく、社会人から、あるいは20代半ば以上の年齢で公務員を目指す場合には、公務員としてやってみたい仕事をイメージしたうえで、どのような試験を受験できるのかよく確認しておくことが重要です。
社会人から公務員を目指すには
学校を出たばかりの若い人とは異なり、社会人から公務員になるのは不利だと思うかもしれません。
ですが、近年では民間企業の経験を取り入れることで業務活性化を図ったり、若年退職者の穴を埋めたりする目的から、公務員の経験者採用が以前よりも積極的に実施されています。
それによって受験者層は拡大し、社会人として働いてから転職で公務員を目指す人もたくさんいます。
国家公務員を目指す場合
社会人から国家公務員を目指すおもな方法としては、「国家公務員経験者採用試験」を受験する方法と、「国家公務員社会人試験」を受験する方法の2通りが考えられます。
経験者採用試験は職務経験年数が要件となり、年齢制限はなく、身分は「総合職」に相当するものとなります。
試験は募集がある府省等ごとに種類別に行われることが一般的で、応募資格や求める人材像がそれぞれ異なります。
一方、社会人試験は40歳未満を対象とした高卒レベルの試験で、身分は「一般職」に相当します。
幹部候補となる総合職と同等の仕事をしたいのか、それとも事務処理などの定型的な業務にあたりたいのかによって、受験すべき試験も変わってきますので、事前に考えておきましょう。
地方公務員を目指す場合
地方公務員採用試験は自治体ごとに実施されますので、社会人が受験できる試験の種類や詳しい応募資格は各自治体で異なります。
たいていの人は「大卒程度一般枠」もしくは「民間経験者採用枠」のどちらかを受験します。
事務などを担当する行政職であれば、大卒程度一般枠の試験で、30歳前後を応募年齢の上限とするケースが目立ちますが、35歳くらいまで受験できる自治体もあります。
民間経験者採用枠では、民間企業における一定年数以上の勤務経験が応募資格になるケースが多くなっています。
年齢制限は時代の流れとともに緩和される傾向にあり、最近では年齢制限を設けない試験が行われることもあります。
最近は地方公共団体でも社会人経験があり、即戦力として活躍できる人材の需要が増しているようです。
公務員のインターンシップには参加すべき? 申込方法は?
公務員のインターンシップとは
職業体験ができる
近年、いろいろな企業で実施されている職業体験の場「インターンシップ」は、公務員の職場でも積極的に行われています。
ひとことで公務員といっても、たくさんの職種が存在し、仕事内容もさまざまです。
何となく公務員に興味があるものの、どんな仕事をするのかよくわからず不安に思っている人や、公務員試験を受験予定で職種を絞り込めない人なども多いことでしょう。
そんな人たちを対象に、公務員が実際にどのような場所で、どのような仕事をしているのかを体感できるのが、インターンシップの魅力です。
すべての自治体でインターンを実施するわけではありませんが、興味があれば、ぜひ積極的に参加してみるのをおすすめします。
インターンシップの内容は?
地方公務員のインターンシップは、各地域の役所や警察署、消防署などを中心に、多くの自治体で行われています。
内容は業務説明や職場紹介などの座学が中心になるものもあれば、実際に業務を体験できる機会が設けられているものもあります。
期間は1日で終わるものから、2週間程度かけて実施するものまでいろいろです。
国家公務員のインターンシップは、各府省が独自に行っているものが多いですが、全体的に地方公務員よりも狭き門となっています。
受け入れ人数が少ない場合が多く、参加のためにはエントリーシートや論文の提出が求められることもあります。
与えられた課題に取り組みながら政策立案体験をすることができ、数日間の宿泊型インターンシップが行われる場合もあります。
インターンシップに参加するメリット
公務員の仕事理解が深まる
インターンシップでは、短時間の業務説明会やセミナーだけではわからない、公務員の詳しい仕事内容や働き方について理解するきっかけになります。
実際に働いている人の姿を近くで見たり、職場の雰囲気を感じたりすることで、自分が公務員として働く将来をイメージしやすくなるはずです。
より実践的な内容を体感したければ、1日だけではなく、数日間~2週間程度のプログラムに参加してみるとよいでしょう。
採用試験の面接で体験談を話せる
民間の場合、インターンシップへの参加が内定に直結するケースも増えています。
一方、公務員の場合はあくまでも公務員試験の結果で合格や採用が決まるため、インターンシップに参加したからといって、公務員への就職が決まるわけではありません。
ですが、インターンシップで経験したことは、志望動機を考えるときなどに体験談として取り入れやすくなります。
インターンに参加して何を感じたのか、公務員としてどうなりたいと思ったのかなどを具体的に話すことで、面接官にも意欲が伝わりやすくなるでしょう。
申し込み方法は?
インターンシップの申し込み方法は、自治体や省庁によって異なります。
夏期・秋期・冬期など、学生が動きやすい時期に行われることが多いですが、自治体によって実施時期は異なるので、自治体等のホームページを中心に情報を追っていく必要があります。
大学の就職課やキャリアセンターでも、公務員インターンシップの情報を提供している場合があります。
省庁のインターンシップは大学経由でのみ応募できる場合もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
公務員のインターンシップは人気があるので、応募者多数となった場合、抽選やエントリーシートなどで選考されるのが一般的です。