機械設計に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
機械設計に向いている性格・適性
機械が好き、モノづくりが好き
機械設計の仕事は専門的であり、設計する機械について朝から晩まで考え抜き、頭を悩ますことになります。
大変な面もありますが、「機械やメカが大好き」、「機械工学にほれこんでいる」といったように、機械に対して情熱を持っている人なら、苦労がやりがいに変わります。
「新しいものを生み出したい」、「プラモデルやDIYが好き」、「モノの構造や原理などを調べるのが好き」など、モノづくりに対して情熱のある人も機械設計の仕事に向いているでしょう。
学ぶことが苦にならない
機械設計の仕事をするうえで、設計手順、CADの操作方法、業界用語、規格・設計基準など覚えることがたくさんあります。
大学で関連する知識を学んだとしても、現場で技術を身につけ、つねに進化する最新の機械技術も追わなければなりません。
終わりなく学び続ける姿勢が必要となるため、普段から学ぶことが苦にならない、知的好奇心旺盛な人が活躍できるでしょう。
細かい作業が得意
機械設計は、部品一つ一つの寸法を細かく設計し、設計図に書き上げていきます。
設計図に数ミリのミスがあるだけでも、組み立てが上手くできず、現物が完成しないこともあるので、丁寧で確実な作業が要求されます。
繊細な作業が得意であり、普段から一つ一つの作業を雑にならず丁寧に行える人が向いているといえます。
座り続けてのデスクワークが苦にならない
機械設計の仕事の大半はデスクワークです。
クライアントとの打ち合わせで外出することもありますが、朝から晩まで机に向かって設計作業をする日が多くなります。
また、チームを組んで協力して進めるので、同じチームメンバーと顔を合わせて働くことになります。
デスクワークが苦にならず、毎日のように同じメンバーと過ごしても良好な人間関係を保てる人が向いているでしょう。
根気のよい性格である
機械を完成させるためには、試作機を作り、何度も評価テストを行い、トライ&エラーをくり返さなければなりません。
一発で完成することはほぼなく、評価テストで大きな問題や課題が見つかると、設計を一から見直すこともあるほどです。
とても根気のいる作業となるため、すぐにあきらめず、試行錯誤を楽しめるくらいバイタリティのある人が向いているいます。
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機械設計に必要なスキル・能力
技術知識
機械設計をするには、次のような専門分野の知識が求められます。
<機械設計エンジニアが必要とする知識>
- 機械工学の4大力学(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学)
- 数学
- 物理学
- 加工に関する知識(切削加工や成形加工など)
- 素材に関する知識(金属やプラスチック素材の特性など)
- 組み立てに関する知識
- 生産に関する知識
これらの知識がないと設計作業に支障をきたします。
専門家や学者ほど精通する必要はないものの、基礎的な部分はある程度理解しておくのが望ましいでしょう。
なお、大学や専門学校の機械工学科などでは、これらの知識を体系的に学ぶことができます。
設計ソフトの操作スキル
昔は手書きで設計を行っていた時代もありましたが、現代の機械設計はコンピュータ上で行うのが一般的で、次のような設計ツールの操作スキルが必要となってきます。
<機械設計で用いる設計ツール>
- CAD(Computer-Aided-Design):コンピュータ上で設計図の製図を行うツール
- CAM(Computer-Aided-Manufacturing):コンピュータ上で仮想製造を行うツール
- CAE(Computer-Aided-Engineering):設計データのシミュレーションを行うツール
最もポピュラーなツールはCADであり、今や機械設計エンジニアもCADが使えるのが当たり前の時代です。
また最近は、三次元の立体設計が行える「3DCAD」を使用する職場も増えています。
お客さまへの提案資料などを作成したりすることもあるため、パソコンの基本操作、WordやExcelなどの操作スキルもある程度備えておかなければなりません。
ヒューマンスキル
機械設計の仕事をする上で、次のようなヒューマンスキルが求められます。
<機械設計エンジニアが必要とするヒューマンスキル>
- コミュニケーション力
- 論理的思考力
- リーダーシップ、マネジメント力
- 語学力(特に海外メーカーや海外事業所で設計を行う場合)
機械設計の仕事は、チームメンバー、お客さま企業の担当者、自社の企画部門や生産部門、部品業者や素材業者など、さまざまな方面と打ち合せをすることも多く、意思疎通をしながら進めていきます。
そのため、周囲の人と良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションが取れる力が求められます。
いずれチームをまとめるポジションに昇進することも多いため、リーダーシップやマネジメント力も必要です。
機械設計に向いていないのはどんな人?
機械設計に向いていないのは、「機械に対して興味関心のない人」です。
機械に対して興味や情熱を抱いている人は、自分から率先して学び、楽しみながら仕事できるので、成長のスピードも早めです。
一方で、あまり機械に対して興味がもてず、義務感で働いている人は、苦痛な毎日となるおそれもあります。
また、「もともと機械は好きだけれど、設計を担当することになった精密機械には興味がない」といったように、担当する機械の種別が合わず、大きなストレスを感じてしまう人もいるようです。
仕事の内容と自分の興味にミスマッチがあるとモチベーションに影響します。
「自分は本当に機械設計の仕事がやりたいのか」「どのような機械を設計したいのか」など、よく整理して就職先を決めることが大切です。