機械設計のつらいこと・大変なこと・苦労
機械設計のつらいこと・大変なこと
技術を身につけるのが大変
機械設計の仕事は専門的であり、設計ルール、CADなどツールの使用方法、機械そのものに関する知識、業界用語、加工に関する知識、規格・設計基準の理解など、覚えることは無数にあります。
丁寧に教えてくれる職場ばかりでもありません。
たとえ大学や専門学校で工学を専攻した人でも、自分から意欲的に学び、技術を盗んでいかなければならない大変さがあります。
技術もどんどん新しいものに移り変わっていくため、身につけた知識をアップデートするのも大変です。
さまざまな制約がある
機械設計の仕事では、これから新しく作る機械を設計することになりますが、自分の好き勝手に作れるわけではありません。
企画やコンセプト、コスト、使いやすさ、量産のしやすさ、安全性など、さまざまな制約の中でベストな機械を設計する必要があります。
お客さまから無理難題を突きつけられたり、コンセプトを考えた企画部門と意見がぶつかり合うこともあり、時には自分の考えを押し通せないのもつらいでしょう。
スケジュールに追われる
機械設計の仕事はプロジェクト内で長期スケジュールを組んで進め、納期や締め日も細かく決められています。
当然、マイペースでというわけにはいきません。
納期が遅れると、生産部門や営業部門など、自社の他の部門にまで迷惑をかけたり、お客さまのビジネスにまで影響を及ぼしたりするので、スケジュールは厳守する必要があります。
しかし、評価テストで改善点や問題点が見つかれば、再度設計の手直しなども発生し、スケジュールが遅れることもあります。
それでも納期は厳守なので、夜遅くまで残業したり休日出勤したりして、遅れを取り返さなければなりません。
安全に対する責任やプレシャー
機械製品というのは一つ間違えば人を傷つけることもあるため、「安全性」を徹底して設計する必要があります。
設計の甘さが原因で事故が起きると、取り返しのつかない恐れもあるため、何度もテストをくり返します。
安全性に妥協は許されず、責任やプレッシャーを常に背負いながら働かなければならないのが、機械設計ならではの苦労でしょう。
20代で正社員への就職・転職
機械設計の悩み
収入面の悩み
機械設計の平均年収は、約450万円前後が目安です。
一般的なサラリーマンの平均年収と同じ程度の水準ですが、仕事が専門的なわりに、給料が少ないと不満を持つ人も多いようです。
特に入社5年以上になると、新製品の企画や技術問い合わせの対応など、設計以外の業務も広くまかされるようになります。
忙しく働いても収入が思うように伸びない職場も多く、「こんなに頑張っているのにこの給料でいいのだろうか」と悩む人もいます。
チーム環境や人間関係の悩み
機械設計の仕事は、チームを組み、周囲と協力して作業を進めていきます。
チームメンバーと、同じ職場で毎日のように顔を合わせて働くので、チームメンバーしだいで仕事の満足度も大きく変わるでしょう。
たとえば考えや性格の合わない人がいたり、能力が乏しい人が多かったりすると精神的に大きな苦痛となり、「このチームで続けていけるのだろうか」と悩んでしまう人もいます。
設計分野の悩み
機械設計で重要なポイントは、設計をする機械の種類・分野です。
たとえば自動車の設計をするのであれば、朝から晩まで自動車について考えなければなりません。
自動車に対して全く興味のない人にとってはつらい仕事です。
自分が設計したい機械と、業務で設計しなければならない機械が一致していないと、想像以上のストレスとなることもあります。
仕事の内容が専門的であればあるほど、ストレスは大きいでしょう。
自分がどのような分野の機械を設計したいのかよく考え、ミスマッチがないように就職先を探すことが大切です。
職業病
機械設計の職業病としては、主に次のようなものが挙げられます。
<機械設計の職業病>
・腰痛
・肩こり
・目の疲れ、視力低下
・痔(じ)
・運動不足
など
機械設計業務の大半はデスクワークであり、何時間もパソコンに向かい、設計図を描き続ける日もあります。
知らず知らずのうちに腰痛や肩こりが慢性化してしまう人も多いため、仕事中には適度に休憩を入れ、休日にはスポーツをして運動不足を解消することも大切です。
機械設計を辞める理由で多いものは?
機械設計職につくと、定年まで働く人が多いですが、一方で入社後すぐに辞めてしまう人もいます。
機械設計を辞める理由はさまざまですが、代表例としては次のようなものが挙げられます。
<機械設計を辞める代表的な理由>
・設計という仕事が肌に合わない
・設計する機械に興味が持てなかった
・毎日机に向かって作業するのが耐えられない
・設計エンジニアとして技術不足、ついていけない
・会社の社風や方針に不満
・職場の人間関係などに不満
・給料やボーナスなどに不満
・残業が多い
・身につけた技術をもとに新たな分野に挑戦したい(ポジティブな理由)
・独立しフリーランスに移行(ポジティブな理由)
機械設計は業務がとても専門的です。
理工系の学部で学び、機械設計の仕事を理解して入社したつもりでも、配属後、設計作業が肌に合わず辞めていく人もいます。
入社後、数年たっても「毎日のように機械部品の設計をしているのは面白くない」、「設計は好きだが今作っている製品に興味を持てない」など仕事と自分の興味のギャップに悩んでしまうようです。
また、オフィス内の閉鎖された環境で朝から晩まで働くことが多いため、社風や人間関係に悩んで辞める人もいます。