管理栄養士の養成学校で勉強すること・実習内容
管理栄養士になるために学ぶことは?
管理栄養士養成学校のカリキュラムは、おもに「基礎教養科目」「専門基礎科目」「専門科目」の3種類の科目群で構成されています。
学校によって科目の分け方や呼び方が少々異なることもありますが、多くの学校では以下のような名前の授業があります。
基礎教養科目
基礎教養科目は、人文科学、社会科学、自然科学、外国語といった授業です。
直接、栄養学や食に関する授業ではありませんが、一般常識と幅広い見聞を身につけるためには欠かせないものです。
専門基礎科目
管理栄養士の国家試験科目に関わるのが、専門基礎科目と専門科目です。
専門基礎科目としては、理化学生物学、人体の構造と機能、疾病の成り立ち分野、社会・環境と健康分野、食べ物と健康分野などが挙げられます。
専門科目
専門科目としては基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学論、公衆栄養学、給食経営管理論があります。
管理栄養士になるためには、栄養学や調理だけでなく、衛生から人体、病理学などの医学的な内容、食育、給食経営など幅広く学ぶ必要があり、養成学校ではそれらを勉強していくことになります。
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管理栄養士養成学校の入学から卒業までの流れ
管理栄養士養成学校では、入学後から管理栄養士になるための勉強がスタートします。
1年次は基礎科目中心の授業ですが、2年次と3年次は専門科目が増えてきます。
また、3年次の後半から4年次になると管理栄養士国家試験対策が行われるほか、管理栄養士が実際に働く病院や事業所などでの実習もあります。
管理栄養士養成学校では必修以外の科目も多々用意されているため、授業数はかなりの数にのぼります。
実習がスタートすると日々レポート提出も求められるため、授業のある日はあまり遊ぶ時間もなく、勉強に追われる日が続くかもしれません。
そして、養成学校での勉強の集大成として受験するのが管理栄養士国家試験です。
この国家試験は年に1回、毎年3月中旬ごろに実施され、学生は4年次の3月に受験します。
なお、管理栄養士養成学校に通う学生の就職活動は、3年次の後半くらいから始まっていきます(年度や志望先によって変わることもあります)。
国家試験対策と同時に就職活動もしなくてはならないため、この時期はとくに大変だと感じる人が多いようです。
なお、就職希望先から無事に内定が出ていても、万が一、その後の国家試験に不合格となった場合は管理栄養士としての仕事はできなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
管理栄養士養成学校の実習
実習の目的は?
管理栄養士養成学校では、在学中に必ず実習が行われます。この実習は正式には「臨地実習」といい、種類ごとに国が定める指定の施設において実施されます。
なお、実習の実施時期は「養成期間の後半」という定めがあり、学校によって多少異なりますが、具体的には3、4年次で行われています。
実習期間はだいたい1週間から2週間程度、長くても1ヵ月程度のことが多いようです。
1年生や2年生の間に基礎的な知識を身につけ、それを踏まえて実際に現場で働いてみることで、さらなる知識や技能を修得することを目的としています。
実習の内容は?
実習は、「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」で4単位以上(「給食の運営」に係る校外実習の1単位を含む)と定められており、なかでも「臨床栄養学」を重視した内容で行われます。
種類によって実施施設が異なり、
・臨床栄養学は、病院や介護老人保健施設等の医療提供施設
・公衆栄養学は保健所、保健センター又はこれに準ずる施設
・給食経営管理論は事業所等の集団給食施設
となっています。
実習先が病院であれば患者さん一人ひとりに対する栄養指導、保健所では健康・栄養調査の講義や事務、施設では調理業務など、それぞれの職場における管理栄養士の仕事の一部を体験することができます。
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管理栄養士養成学校の雰囲気・学生生活は?
管理栄養士を目指すのは女性が多く、管理栄養士養成学校の男女比は、男性が2割~3割程度、女性が7割~8割程度となっている学校が多いようです。
高校を卒業したばかりの10代の学生が多くを占めますが、学校によっては大学・短大・専門学校を卒業した人も多数在籍しており、年齢は20代や30代、場合によっては40代以上の学生の姿も見られます。
実習などクラスの仲間と協力して授業を受ける機会も多く、また管理栄養士養成学校に通う学生の大半が、将来は管理栄養士の国家資格を取得して食や栄養に関わる仕事がしたいと考えているため、同じ目標に向かって協力しながら学んでいくことができるでしょう。
日々の勉強は決して楽というわけではありませんが、学校行事やイベントも楽しみながら充実の学校生活を送っている人が多いようです。