児童指導員任用資格の取り方をわかりやすく解説

近年、発達障害と診断される子どもの数が増加しており、療育施設を中心に児童指導員の需要が高まっています。

児童指導員として働くには「児童指導員任用資格」が必要です。

ここでは、児童指導員として働くために必要な任用資格の取得方法や要件について解説します。

児童指導員には「任用資格」が必要

児童指導員として働くには、児童指導員の任用資格というものが必要です。

ここでは、児童指導員任用資格について詳しく説明します。

児童指導員の任用資格とは

児童指導員として働くためには、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に基づき、児童指導員の資格を取得する必要があります。

この資格は、他の一般的な資格とは異なり、試験に合格して取得するものではありません。

児童指導員は任用資格となっており、その仕事に就くために必要な資格や学歴、職歴(実務経験)を満たすことで、資格を生かして働ける機会が得られます。

任用資格要件には、学歴や職歴、他の国家資格など、さまざまな条件が含まれており、多様な経歴を持つ人々が児童指導員を目指すことができるようになっています。

児童指導員の任用資格要件

児童指導員の任用資格要件は複数ありますが、主なものは以下の通りです。

  • 4年制大学または大学院の、教育学部、心理学部、社会学部、社会福祉学部を卒業する
  • 福祉系の専門学校など、厚生労働省の指定する児童指導員養成施設を卒業する
  • 高卒以上の学歴を有したうえで、児童福祉の実務経験を2年以上積む
  • 幼稚園・小・中・高いずれかの教員免許を取得する
  • 社会福祉士資格または精神保健福祉士資格を取得する
  • このほか、児童福祉施設での実務経験を3年以上積んだ後に、厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けることで、任用資格要件を満たす方法もあります。

    これらを証明するためには、卒業証書や科目履修証明書、資格証や免許状の写しなどが必要です。

    細かい条件などについては、下記のリンクを参照してください。

    参考:厚生労働省:児童指導員及び指導員の資格要件等

    【ポイント】児童指導員任用資格は雇用されて有効になる

    児童指導員の任用資格に関して注意すべき点は、その資格はあくまで任用のためのものであり、施設で雇用されて初めて有効になるということです。

    たとえ任用資格要件を満たしていたとしても、特定の施設に所属していない限り、児童指導員として名乗ることはできません。

    また、他人の相談に乗ったり広報活動を行ったりすることもできません。

    児童指導員として働くためには、任用資格要件を満たすだけでなく、公立施設の場合は地方公務員試験を、民間施設の場合は独自の採用試験を受けて合格し、その施設に配属される必要があります。

    ただし、求人の数には限りがあるため、児童指導員の正規職員募集は競争率が高いことがあります。

    とくに公立の児童福祉施設は、安定した「公務員」としての地位が魅力であり、競争が激しい傾向があります。

    より良い雇用条件で児童指導員として働くためには、児童指導員の任用資格だけでなく、保育士」や「精神保健福祉士」など、関連する他の国家資格も取得しておくことが望ましいでしょう。

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    児童指導員任用資格を目指すには

    先に挙げた通り、児童指導員任用資格を得る方法はいくつもあります。

    ここでは、各ルートのうち、とくにおすすめの方法を紹介します。

    高校生から任用資格要件を満たすおすすめの方法

    高校生などで、将来は児童指導員を目指したいと思っている人には、4年制大学の指定学部に進学するルートがおすすめです。

    この進路では、児童指導員として必要な専門知識に加えて、一般的な社会人としての教養も身につけることができます。

    また、就職活動においても、大学卒業の学歴があることは大きなアドバンテージです。

    一部では通信制の課程がある学校もあるため、経済的な理由で働きながら学ぶ必要がある人でも、学業と仕事を両立させることが可能です。

    高校や短期大学を卒業した人、あるいは高卒認定試験に合格した人の場合

    児童福祉法に基づく事業で2年以上かつ360日以上の実務経験を積むことで、児童指導員任用資格を取得できます。

    高校を卒業していない人の場合

    児童福祉法に基づく事業で3年以上かつ540日以上の実務経験を積み、都道府県知事に適当と認められる場合に児童指導員任用資格を取得できます。

    これらの要件を満たすためには、複数の事業所で実務経験を積むことも可能ですが、それぞれの事業所から発行される実務経験証明書が必要です。

    さらに、高校や短期大学を卒業した場合には、卒業証明書も提出する必要があります。

    ここでいう児童福祉法に基づく事業とは、以下のようなものがあります。

    ・第一種社会福祉事業
    第一種社会福祉事業は、入所を前提とした事業で、乳児院や児童養護施設、障害児入所施設などのことです。

    高度な保護や支援が必要な利用者を受け入れ、日常生活から医療面まで幅広い支援を提供します。

    ・第二種社会福祉事業
    第二種社会福祉事業は、障害児通所支援や放課後等デイサービス、地域子育て支援、保育所や幼保連携型認定こども園などです。

    こちらは入所を前提としない事業で、主に通所を通じて利用者にサービスを提供します。

    「児童指導員任用資格の取り方」まとめ

    児童指導員は、子どもたちの成長をサポートする重要な仕事を担うため、適切な資格とスキルを備えることが求められます。

    児童指導員任用資格を得るためには、さまざまなルートが存在し、福祉や教育分野の4年制大学卒業から、児童福祉施設での実務経験を積む方法まで、多様な選択肢があります。

    資格取得の選択に際しては、関連する法律や規定を確認しながら最適な方法を選んでください。