児童指導員の需要・現状と将来性

児童指導員の現状

近年、少子化や核家族化が進み、また離婚率が高まって片親世帯が増えていくなかで、子どもや家族を取り巻く環境は複雑化しています。

貧困や児童虐待、育児放棄といったさまざまな社会問題も、これまで以上に深刻化しており、たとえば児童相談所に報告される虐待件数は年間15万件を超え、この20年間で20倍に膨れ上がっています。

保護を必要とする子どもの数が急ピッチで増加している一方、行政の対応は後手にまわっており、児童福祉に関する法整備も、各施設への予算配分も、不十分といわざるを得ません。

この結果、多くの児童福祉施設では、ヒト・モノ・カネのすべてが不足しており、児童指導員は、薄給にもかかわらず長時間労働に追われるなど、厳しい環境で働くことを余儀なくされているのが現状です。

児童福祉施設のなかには、かなり離職率の高い職場も散見されますので、児童指導員という仕事にやりがいと誇りを見出せるかどうかが、仕事を長く続けるうえでの重要なポイントといえるでしょう。

児童指導員の需要

上述のような昨今の社会環境のなか、児童指導員が必要とされる場面は非常に多くなっていますが、それにもかかわらず、児童指導員の求人数はそれほど多いとはいえません。

その要因としては、まず福祉サービスを必要とする子どもの数に対して、施設の数自体が足りておらず、そもそも児童指導員の働き口が限られているということが挙げられます。

また、大半の施設は、国や地方自治体から得られる収入が十分でないため、児童指導員を雇いたいという意向はあっても、追加で求人募集をかけるだけの経済的余力がないという事情もあります。

このため、児童指導員の正規職員募集はさほど多くなく、またあっても非常に高倍率であり、パートやアルバイト、派遣社員といった非正規雇用のほうが目立ちます。

ただし、児童指導員の人員数に応じて、各福祉施設が受け取れる報酬額を増やすなど、環境を改善するための法整備も徐々に進められていますので、今後については、求人数が増加する可能性もあります。

児童指導員の将来性

子どもに関するさまざまな問題が蔓延する現代社会においては、今後についても、児童指導員に課される役割や期待は大きくなっていくものと想定されます。

しかしその一方で、ひっ迫する日本の国家財政を勘案すれば、早期に児童指導員の待遇が劇的に改善されることは望み薄です。

したがって、児童指導員は、これまでと同じように、肉体的にも精神的にも厳しい環境のなか、少ない給料や不安定な雇用形態を受け入れて働かなければならないとみておくべきです。

もちろんすべての職場がそうではなく、なかには公務員として安定的に働ける公共の施設もありますが、そうした職場で働けるのは、厳しい採用競争をくぐり抜けた一部の児童指導員だけです。

児童指導員を目指すなら、本当に子どもが好きかどうか、あるいは社会貢献したいという強い熱意があるかどうかなど、もう一度自分自身に問いかけてみる必要があるでしょう。

児童指導員の今後の活躍の場

近年、児童指導員の勤務先として急激に拡大しているのが、放課後等デイサービス事業所です。

放課後等デイサービスは、2012年に創設された比較的新しい形態の福祉サービスであり、なんらかの障がいを抱えた子どもに対して、日帰りでの日常機能訓練やレクリエーションなどを行う事業です。

かつて、学校での授業が終了した後や、夏休みなどの長期休暇中については、保護者は子どもを預ける場所がなく、長時間の仕事に就くことが困難でした。

しかし、同事業所が子どもの受け皿となることで、保護者は安心してフルタイムで働けるようになり、母子双方の経済的・精神的安定につながっています。

放課後等デイサービスは、障がいをもつ子どもの保護者が待ち望んでいたサービスであり、同事業所を利用する子どもは直近で22万人ほどにのぼっており、また事業所数も1万3000箇所を超えています。

2017年に同事業所における児童指導員の配置が義務付けられて以降は、児童指導員の求人が急増しており、今後についても大きな需要が見込まれます。